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認定特定建築物における容積率緩和の考え方

最終更新日:令和6(2024)年2月13日

 バリアフリー法第17条に基づく認定特定建築物では、「建築物特定施設の床面積のうち、通常の建築物の建築物特定施設の床面積を超えることとなるもの」は、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には算入しないことができます。
 ただし、不算入にできる面積の合計は、延べ面積の10分の1が限度となります。

【不算入面積のイメージ】

グレー 通常の建築物の建築物特定施設の床面積を超える部分(不算入面積)
※ 不算入面積はすべて有効寸法により算出します。

● 廊下等

<想定ケース>
居室の床面積の合計が200平方メートルを超える階
幅  :  2.0メートル
長さ : 10.0メートル

【通常の廊下等の床面積を超える部分の算定】
= {(有効幅) - (通常必要とされる幅員)}× (長さ)
= (2.00 - 1.20 ) × 10.00
= 8.00

∴ 8.00平方メートルが不算入とすることができる面積となります。

● 階段

<想定ケース>
直上階の居室の床面積の合計が200平方メートルを超える地上階
幅  : 1.4メートル
階段の高さ(上端と下端の高低差)  : 1.5メートル

【通常の階段の床面積を超える部分の算定】
段がある部分:
(段がある部分の床面積) - (通常必要とされる床面積)
= (1.40 ×0.30 × 10) - (1.44 × 1.50)
= 4.20 - 2.16
= 2.04
踊場の部分:
(踊場の床面積) - (通常必要とされる床面積)
(1.40× 3.00) - (1.44)
= 4.20 - 1.44
= 2.76

∴ 4.80平方メートルが不算入とすることができる面積となります。

● 傾斜路

<想定ケース>
直上階の居室の床面積の合計が200平方メートルを超える地上階
傾斜路の幅員  : 1.5メートル
傾斜路の高さ  : 1.0メートル

【通常の傾斜路の床面積を超える部分の算定】
傾斜がある部分:
= (傾斜がある部分の床面積) - (通常必要とされる床面積)
= (1.50 ×6.00 ×2) - (9.60 × 1.0)
= 18.00 - 9.60
= 8.40
踊場の部分:
(踊場の床面積) - (通常必要とされる床面積)
=(1.50× 3.20) - (1.44)
= 3.36

∴ 11.76平方メートルが不算入とすることができる面積となります。

● 便所

<想定ケース>
トイレの奥行  : 2.0メートル
トイレの幅   : 2.2メートル

【通常の便所の床面積を超える部分の算定】
= (トイレの面積) - (通常必要とされる床面積)
= 2.00 × 2.20 - 1.0
= 3.40

∴ 3.40平方メートルが不算入とすることができる面積となります。

● 駐車場

<想定ケース>
スペースの幅   : 3.5メートル
スペースの奥行  : 6.0メートル

【通常の駐車場の床面積を超える部分の算定】
= (スペースの面積) - (最低限必要な床面積)
= 3.50 × 6.00 - 15.00
= 6.00

∴ 6.00平方メートルが不算入とすることができる面積となります。

(注)建築基準法施行令第2条第1項第四号の規定により、延べ面積に算入しない自動車車庫等については対象にできません。

● 劇場等の客席

<想定ケース>
スペースの幅   : 0.9メートル
スペースの奥行  : 1.2メートル

【通常の駐車場の床面積を超える部分の算定】
= (スペースの面積) - (最低限必要な床面積)
= 0.90 × 1.20 - 0.50
= 0.58

∴ 0.58平方メートルが不算入とすることができる面積となります。

  • (注1)取外し式の車椅子使用者用客席については対象にできません。
    (緩和の対象としない車椅子使用者用客席は取外し式とすることも可能です。)
  • (注2)下記の建築物移動等円滑化誘導基準への適合が必要です。
    ・同伴者席を隣接して設置 ・客席総数200超え:2カ所以上に分散配置
    ・舞台等までのサイトライン※の確保

    ※ サイトラインは「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(劇場、競技場等の客席・観覧席を有する施設に関する追補版)平成27年7月」P32を参照し、計画してください。