最終更新日:令和2(2020)年8月6日
ここでは、大規模盛土造成地について紹介しています。
1 大規模盛土造成地とは
宅地造成等規制法では、地震によって宅地の滑動崩落(地盤が滑って崩れる現象)が発生し、相当数の居住者に危害を生ずるおそれが大きい一団の造成宅地を「造成宅地防災区域」として指定し、安全措置を講じるよう規定されています。
滑動崩落は滑り面の位置によって以下の3つの形態に分類されます。
(出典:国土交通省)
同法施行令では「造成宅地防災区域」の定義について、「一定規模以上の形状で、計算によって危険と確認できる造成宅地」と、「既に危険な事象が生じている造成宅地」と定められています。
このうち「一定規模以上の形状」の造成宅地を「大規模盛土造成地」と呼んでいます。
大規模盛土造成地には、2つの型があります。
- 「谷埋め型」・・・谷や沢を埋めて造成された土地
- 「腹付け型」・・・傾斜面に沿って盛土造成された土地
盛土をした土地の面積が3,000㎡以上
盛土をする前の地盤面が水平面に対し20度以上の角度をなし、かつ、盛土の高さが5m以上
(出典:国土交通省)
2 大規模盛土造成地マップについて
東京都では、古い地形図と現在の地形図との重ね合わせや、開発許可等の造成図面の収集により、大規模盛土造成地の概ねの位置と規模を調査し、大規模盛土造成地マップとして作成・公表しています。
本マップに掲載されている盛土造成地は、地図情報や造成図面によって、その形状が大規模盛土造成地に該当することが確認されたものであり、造成地の危険性を示すものではありません。
今後、現地調査や計算等により、地震時の安全性を診断し、必要に応じて対策工事など安全確保の取組につなげていきます。
本マップは、大規模盛土造成地の防災対策を進める出発点として、都民のみなさまと広く情報を共有するために作成・公表するものです。
1 大規模盛土造成地の抽出調査(第一次スクリーニング)
大規模盛土造成地は、山を削り、谷を埋めるなどしてつくられているため、造成工事の前後で地形が変わります。
この変化に着目して、古い地形データと新しい地形データを重ね合わせて標高値の変化を立体的に把握することにより、盛土造成された土地の概略の位置・大きさ・深さを調査しています。
東京都では、平成26年3月に1,491箇所の大規模盛土造成地について、最初のマップを作成し、公表しています。
(出典:国土交通省)
【第一次スクリーニングに使用した地形情報】
造成年代 | 造成前の標高 | 造成後の標高 |
---|---|---|
昭和20年以降 | 昭和20年代空中写真 昭和20~40年代地形図 平成16年地形図 |
平成27年地形図 平成16年地形図 開発許可関連図書(造成計画平面図等) |
昭和20年以前 (戦前盛土造成地) |
明治~昭和初期地形図 | 米軍写真(昭和20年代) 平成27年地形図 |
造成前と造成後の地形図を重ね合わせた盛土造成地抽出の標準的な標高精度は1~2メートルと考えられます。
2 古い盛土造成地の調査(戦前盛土造成地)
都内には戦前から土地の造成が行われてきた場所も多くあります。昭和20年以前(戦前)の古い地形図は一般的には標高の誤差が大きいことから、明治中期以後に1/5,000、1/10,000等の比較的精度のよい地形図が存在する区部などで、既往のボーリング情報も多数存在する地域については、これらの資料を活用し誤差を点検・補正して、戦前の古い盛土造成地の調査を行うこととしました。
戦後の造成地の調査とは手法が一部異なることから、これらの古い盛土造成地については、異なる凡例で表示しています。また、面積や勾配などの数値条件では大規模盛土造成地に該当しなかったものでも、誤差を考慮すると該当する可能性のある造成地について、準該当としてマップに掲載することとしました。
・谷埋め型 面積3,000m2以上、盛土厚3m以上、原地盤勾配1°以上
・腹付け型 高さ5m以上、原地盤勾配20°以上
★準該当盛土
・谷埋め型 面積3,000m2未満2,500m2以上、盛土厚3m未満2m以上
原地盤勾配1°未満0.5°以上
・腹付け型 高さ5m未満4m以上、原地盤勾配20°未満15°以上
3 マップの更新について
都では、当初のマップの調査から約10年経過したことから、この間に新たに造成された大規模盛土造成地や、これまでの調査で判明した戦前盛土造成地を追加掲載しました。
今後も継続して調査を行い、適宜マップを更新していきます。
大規模盛土造成地マップの閲覧はこちら |
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区市町村別大規模盛土造成地の数はこちら |
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3 第二次スクリーニング調査について
大規模盛土造成地の位置を把握(第一次スクリーニング)した次の段階の調査を第二次スクリーニング調査と呼びます。
第二次スクリーニング調査では、対象となる大規模盛土造成地が、地震時に滑動崩落を起こす恐れが大きいかどうかについて、計算等により確認します。
都では現在、この第二次スクリーニング調査を行うべき盛土造成地を抽出するための評価手法について、専門の学識経験者の意見を聞きながら検討を進めているところです。
第二次スクリーニング調査の実施では、対象となる土地の所有者や住民の皆様のご理解とご協力が必要であることから、対象地の選定にあたっては、専門家の意見を十分に踏まえ、地元自治体と緊密に連携しながら検討を進めます。
(出典:国土交通省)
【関連リンク】
国交省HP「大規模盛土造成地の滑動崩落対策について」
https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_tobou_fr_000004.html
4 宅地の安全を確保するために
宅地における災害を防ぐためには、宅地の所有者等の皆様が、日頃から自らの宅地や周辺の擁壁・のり面に目を配り、点検しておくことも大切です。
以下のチェックポイントを参考に点検することによって、宅地の被害の前兆となりうる異常を早く発見することができます。
もしも、何かおかしいと思われる事象を発見した場合は、区市町村や東京都までご相談下さい。
(出典:国土交通省)
お問合せ先
市街地整備部 区画整理課 盛土対策担当
(直通)03-5320-5132
東京都庁:〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1 電話:03-5321-1111(代表)