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横田空域知事発言

平成12年第四回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁 (平成12年12月7日)

 羽田空港の国際化や、さきに提案した羽田空港の再拡張の早期実現のほか、首都圏新空港の整備あるいは横田飛行場の民間航空利用と横田空域の返還など、首都圏の空港機能の充実を国に働きかけてまいります。
 さらに、これらの空港が一体となって国際ハブ空港として機能し、首都圏が日本の活性化の牽引車となるよう積極的に取り組んでいきたいと思います。
 ちなみに、管制の問題はなかなか素人にはわかりにくい問題なんですけれども、もしあれでしたら資料をお届けしますが、羽田が抱えている航空管制圏よりも一・五倍に近い膨大な、しかも高い管制圏というものを立体的に横田は抱えているんです。これは、新潟県の下田といいましたか、あの地域まで及んでいまして、これは、つまり私たちにとって、日本人にとっては、日本の空の中のサンクチュアリー、私たちが入っていくことのできない領域でありまして、これが日本にきちっと返還され、日本のイニシアチブで運営されれば随分違った事情が派生してくるけれども、残念ながらこの問題について認知している国会議員はほとんどいない。

(山﨑孝明都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成13年第一回都議会定例会 知事施政方針表明 (平成13年2月21日)

 先月、焼津市上空で起きた航空機のニアミスは、一歩間違えば史上空前の大惨事となるところでありました。今回の事件では、東京の西の空に大きく立ちはだかる見えない壁、すなわち横田空域の存在を見逃すことができません。横田空域は、戦後、米軍の管理下にあり、ごく一部のルートを除き、民間機が通過することは許されておりません。このため、東京から西へ向かう航空機は、極めて不自然な飛行を余儀なくされております。国民の空の安全を守るため、横田空域を含む横田飛行場の返還を引き続き強く求めてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成13年第一回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成13年2月27日)

 次いで、ご指摘の横田空域の存在による影響でありますが、一都八県にまたがる広大な空域が米軍の管制下にありまして、東京の西の空に大きく立ちはだかっております。
 (模型を示す)東京空港から西に向かう民間機のほとんどが、この横田の--横田の空域というのは、この濃いグレーのゾーンですけれども、これは、ごらんになってわかるように、羽田の二倍以上あります。しかも、その北は、何と、私知りませんでしたが、こういう、下田という新潟県のまちにまで及んでおりまして、とにかく、羽田空港から西へ向かう、あるいは西から羽田にやってくる飛行機が非常に不自然な飛行を余儀なくされているために、本来なら、これは幹線道路でありますから、八車線、十車線で走らせるべきところを、この部分、やっとこの間削ってもらったんですけれども、それでもなお、とにかく細々とした、いってみると二車線で通行しなくちゃいけない、こういう航空路そのものの過密化を招いております。
 また、航空路の新設や複線化が困難となっているなど、我が国の自主的な、かつ効率的な運用の妨げにもなっております。
 先般のニアミスなどは、実はこれが、もし羽田にアプローチする、あるいは羽田を立って西に向かうこの航空路が八車線、十車線だったら、ああいう正面衝突の危険はなかったはずなんです。それを二車線で走らされているから、ああいう事態が起こったわけでありまして、もちろん管制官のミスはありますけれども……。
 つまり、私たちは、そういう危険というものを、知りませんでしょうけれども、日々、この存在によって味わわされている。私は、やはりこの空域、膨大な空域というものを日本の管制官が管制すべきだと思いますし、最初にジョイントユースということを申しましたが、やがて全面返還されるべきであります。
 いずれにしろ、先般のニアミスで、死者さえ出ませんでしたが、けが人が出ました。これは、もし死者が出たら、この存在はもっと明晰になったと思いますが、いずれにしろ、あの程度の事故で済みましたけれども、しかし、潜在的にこの横田の管制区域があるということで、いかに東京にやってくる人たちが、国際線でも国内線でも、要らざる危険を強いられているかということを、ひとつぜひご認識願いたい。
 それから、横田空域の返還に向けた取り組みについてでありますが、自国の中の広大な空域を外国に委ねていることは、独立国家としてやや異常であります。先般、フランクフルト空港が全面返還されました、アメリカから。その経緯を調べに、東京都の高瀬参与に赴いてもらいましたが、ドイツ側の当事者が、東京の事情を聞いて、何、日本という国では、首都の中に丸々米国の基地が五十年たってもあるのかといってたまげていたそうでありますけれども、しかし(発言する者あり)いや、あなた方は何もしなかったじゃないか、今まで。
 この横田基地には、私も見ましたが、かつては、フェンスの看板に、この基地の地籍はカリフォルニアであると書いてあった。恐らくバンデンバーグ基地の分所ということでありましょう。これはちょっと問題になりかけて、向こうも取り下げましたけれども、いずれにしろ、こういった異常な事態というものが依然としてあるということを国民や政治家が知らないという状況は、実はまことに憂うべき事態だと思います。
 我が国の空の安全を守るとともに、自主的かつ効率的な運用の確保のためには、横田空域の返還が不可欠であります。そのために、私は、横田空域の問題について、さまざまな機会をとらえ、国民や政府に対して強く訴えていきたいと思っております。
 さらには、全面返還が実現するような努力もしたいと思っております。
 ともかく、必要に応じて関係自治体などとも連携しながら、先ほどの立体図にありましたこういう認識をきちっと持って、お互いに持ち合わせることで、アメリカに働きかけ・・幸い、新しいアメリカ政権の中に私の古い知己が何人かおりまして、こういった人のつてで、外務省はなかなか動かぬでしょうけれども、まず東京都が動いて、功績は外務省がとり、国家がとったらいいわけでありますけれども、とにかく当事者として、東京都を代表して、首都圏を代表して、最初の交渉に当たりたいと思っております。

(佐藤裕彦都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成13年第一回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成13年2月27日)

 最後に、横田空域の返還に向けた取り組みについてでありますが、横田空域の存在や、その問題について、都民のみならず、国民や政治家が知らないという現況は、まことに憂うべき事態であります。
 共産党はかねてからこの返還を主張されたと聞いておりますが、私、二十五年間国会にいましたけど、そういうものを見知したことはございません。
 そのため、横田空域の問題について、さまざまな機会をとらえ、都民を初め、国民や政府に強く訴えてまいります。
 また、返還が実現するように、私自身がアメリカ政府との交渉を行うつもりでありまして、さらに、国に対しても働きかけてまいりますが、その中で、必要に応じて、関係する地方自治体とも連携して事を推進していきたいと思っております。

(秋田かくお都議会議員(共産党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成15年度都議会 予算特別委員会における知事答弁(平成15年2月21日)

 今、空域についてのご指摘がありましたが、これはちょっと口で説明するのが非常に困難でありまして、まだ質問が出ますんだったら、ある模型をもってお示しいたしますが、実は、同じようなものを先般アメリカにも持っていって示しました。見せられて初めて当事者も愕然とするような、彼らにとってみれば一種の後ろめたさでありましょうけれども、我々から見ればかなり理不尽なシェアを空域で持っている。こういったものの整理は本当に必要でありまして、先般、大阪と東京を結ぶ、国内線でありますけれども幹線の航空路で、大型機が正面衝突しそうになって、辛うじて片方が急上昇。これは管制塔のミスでありましたけれども、しかし、もしあの航路がもっと幅の広いものが許されているなら、ああいうばかなことは起こらなかったわけで、その他この他、非常に理不尽な重荷というものを日本の航空行政は背負っているわけですけれども、そういう点で、政府がこれを認識する必要があると思いますが、どうも現在の中央政府というのはもうライン化が進み過ぎて、こういった問題が複合的にとらえられない。
 外務省はこれは自分の問題だと思っていますけれども、違いまして、この間、この問題に関する、羽田の再開発に関する七都県市の首長会議がありましたときに、もちろん担当の国土交通省の扇大臣も出てまいりました。そのときに、彼女を含めて向こうの高官たちにいったことは、これはむしろ国交省の問題だと。君らが閣議なり次官会議の中で積極的に発言をしてほしい、せっかくこっちは風穴をあけたんだからということを再三申しました。
 その後、新聞は、取材能力の問題かどうか知りませんが、非常に間違った報道をしていますが、見限った報道をしていますけど、着実に事は進んでおりまして、総理も特使を送ったようでありますし、それから、アメリカ側には既にワーキンググループができました。恐らくことしじゅうに報告が出ると思いますけれども、とにかくこれは東京も国も一体になって、国益全体の維持のためにできるだけ早い解決を、まずやはり最初はデュアルユース、共同使用と思いますけど、ということは、やっぱりあの空域を日本の管制が共同使用するということだと私は思います。

(酒井大史都議会議員(民主党)に対する知事答弁  都議会ホームページ予算特別委員会の記録より作成)

平成15年度都議会 予算特別委員会における知事答弁(平成15年2月21日)

 先般お答えいたしました後の経過でございますけれども、総理は特使を送りました。それから、この問題についての連絡将校の外務省の副大臣を設定されましたが、肝心の外務省そのものは妙なスタンスで積極的に動こうとしませんけど、これはもう、つまり総理なり、あるいは閣議の中でこの問題が正確に認識されれば有無をいわさぬことでございますが、いずれにしろ、この問題について皮肉な現象は、アメリカの側の方が理解が早いと申しましょうか、日米関係の将来のために非常に重要な問題である認識を強く持ってくれました。
 一部の新聞はアーミテージの名前だけ挙げていましたけれども、この人よりもっと重要な人物にも何人も会いました。それから、こういうものが刺激になりまして、今の政権に、副大統領のチェイニー、特別補佐官のライスあるいはホワイトハウスの実質的なナンバーツー、ナンバーワンでもあるローブ、ゼリックという人たち、あるいはライスですね、送り込んでいるハドソン研究所が主体になって、アメリカ側のワーキンググループがもうできまして、この問題についてのリサーチをもう既に開始しております。それがひとつ、どういうふうな刺激を日本政府に与えるか、私も期待しておりますけれども、いずれ、その報告も総理にしておりました。
 ただ、この問題について私が向こうで口酸く申しましたことは、単に防衛の問題だけではなくて、アメリカも非常に憂慮して、日本の経済の再生のために不可欠の問題であると。それからやっぱり、アメリカのような広大な国土の中で飛行場のような社会資本をつくる場合と、日本のように狭小な国土の中につくる場合は全然違うので、成田などはいまだに完成されていないという、こういう状況というものをよく理解してほしいと。
 かつ、私の親友であります今の全米の商工会議所の会頭のトム・ドナヒューが、これは経済人ばかり集めてディナーをやってくれましたが、その席でもむしろ経済界の要人の方が非常によく理解できる。それは、我々が日本とビッグビジネスを構えて急な用事で飛んでいこうと思っても、会社の専用機で重役たちがチームになって合議しながら日本に行こうと思っても、そういう受容能力が日本はない、プライベートな会社の専用機で飛ぼうと思うと、三カ月前に申し込まなきゃ可能にならない、こういう厄介な国は日本しかないという慨嘆をしておりましたが、そういうものをあわせて事は着実に進んでいくと思いますし、詳しくは申しませんが、私が参与として迎えている、沖縄返還交渉も陰でやりました京都産業大学の高瀬教授、彼が頻繁にアメリカの空軍の司令官なり関係者と会って話しておりますが、その関係者も、もっと率直に地元の方々とも話をしていただきたいと。
 どうもそれを阻害しているのは、むしろ日本の防衛庁であったり、施設庁であったり、外務省であるというような印象を妨げ得ないというようなことを申しまして、早い話が、私がワシントンの数人の高官たちとかなり具体的な話をしたことは全部次の日にこちらの空軍の本部に情報として伝達されたようでありまして、それを受けて彼らは彼らなりの認識を、東京のアドバイザーの高瀬さんや、あるいは私に申しておりますが、いずれにしろ、繰り返して申しますけれども、これは日本の経済の再生のために、羽田そのものがもう国内線でも飽和になり、国際線はもうパンク寸前というときに、この時間的空間的に世界が狭くなる現況の中で、大きなビジネスの交流の妨げにもなっているということを、私たちはやっぱり複合的に認識していかなければ、国力の回復もないし、再生もないと思っているわけでございます。
 そういう点で、単にあそこに民間機を飛ばす飛ばさないの問題だけでなしに、それがいかに地域の経済だけではなしに、日本の経済そのものの再生に大きなかぎになるかということをひとつご認識いただきたいと思います。
 先ほど酒井委員のご質問にありましたが、あのとき説明できませんで、ちょっと思いつきまして、管制の問題でも申し上げますけれども……(模型を示す)これがその管制図であります。こんな膨大な空域を横田は占めているわけです。これが羽田であり、この緑色が成田であり、これが百里の基地でありまして、ここを一切、定期便は飛ぶことができません。ヨーロッパからソビエト、ロシアまで飛んで帰ってきても、これを迂回しなければ成田にアプローチできない。こういうていたらくでありまして、これもつい最近、この部分だけを削って譲歩されたんですが、大阪、東京を往復する幹線の便がここしかないんです。これは道路でいうと二車線しかないわけで、本来こういうものは八車線の空域が獲得されてしかるべきでありますけれども、これがさっきも申した狭小なために、管制塔のミスもありましたけど、ここで、狭い道路で高速の航空機が正面衝突しかねない状況になったわけで、これをごらんいただくとわかりますけれども、どうしてこういうものをこのまま放置してきたかというのは、これは与党野党関係なしに、日本のやっぱり政治の責任だと私は思っております。遅まきながら、その責任を履行していきたいと思っているわけであります。

(倉林辰雄都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ予算特別委員会の記録より作成)

平成16年第三回都議会定例会 代表質問における知事答弁(平成16年9月28日)

 この空域が返還されて日本の管制下に戻りますと、西行きの幹線を飛ぶ飛行機は、大阪に行くにしろ、あるいは博多に行くにしろ、あるいは韓国に行くにしろ、十分以上時間が短縮されるわけでありまして、これは非常に経済効果もあるわけでありまして、そういったものを踏まえて、これから米側にというよりも、国といいましょうか、外務省に強く、しりをたたいて、これが早期に実現されるように努力をするつもりでございます。

(比留間 敏夫都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成16年第四回都議会定例会 代表質問における知事答弁(平成16年12月8日)

 次いで、横田空域の返還に向けての都の取り組みについてでありますが、動いてから随分もたもたもたもた、特に外務省が変なバリアになって、あったんですが、一昨年ですか、昨年の五月のブッシュとの首脳会談で、前日、総理から電話がありまして、外務省を通すと手間暇かかるので、自分がじかに持ち出しますということで、それが俎上に乗りまして、ブッシュもわかったということで、これが首脳の一致ということで、日米間の正式な議題として登録されたわけです。
 そこら辺がちょっとアメリカと日本の違いは、アメリカは非常に早くて、首脳が合意したんだということで、これは国務省のマターを外れて、国防総省マターになって、すぐ国防総省の太平洋の総司令官からこちらにアプローチがあったりしましたが、残念ながら、日本の場合には防衛庁は防衛省に昇格しておりませんで、反対する勢力も随分ありまして、ですから、一々防衛庁に関する外交マターというものは外務省を通さざるを得ない。そこで非常に時間がかかり、いろいろな意識が屈曲して、特に今、アメリカ側との合議のチームがやっとできましたけど、率直にいって、ここから東京都を外したいというのがいろいろな人たちの意向なんじゃないでしょうか。彼らがつくってくる英文の文書を見ても、意識的に東京を外して、直させたりしておりますけれども、いずれにしろ、私たち、この問題を、アメリカが後にいい出したトランスフォーメーション、アメリカの戦略転換の中で、日本における基地をどう変えていくかという大きな問題も重大でありますけど、しかし、その前にこれは登録された問題でありますから、それとは切り離してやってほしいし、また、やるべきであるという要求を続けております。
 いずれにしろ、これがうまく展開しますと、各県の知事さんがおっしゃってくださっていますが、特に、山梨県、長野県、埼玉県、それから神奈川県の北部の方たちは非常に便利になるわけでありまして、これまた一つの人間の往復、情報の往復、その他この他国力の推進になると思っております。
 今後も我が国の航空政策を日本自身の手で推し進めるためにも、引き続き横田空域の返還について広範な働きかけを行うとともに、その実現を強く国に、要求したってしようがないので、場合によってはけ飛ばすぐらいして、実現したいと思っております。

(中嶋 義雄都議会議員(公明党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成17年第一回都議会定例会 一般質問における知事答弁(平成17年3月2日)

 次いで、何であろうととにかく、あの広大な空域の管制権を取り戻す、これは全くおっしゃるとおりでありまして、あそこに何台飛行機を飛ばすか飛ばさないかの前に、自衛隊の一部があそこに移っても、主に通信業務だと思いますけれども、あそこを管理することで、管制は、要するに、日米共同といいますか、実質的に自衛隊が行うことになるでありましょう。それは大変結構なことで、ということは、すなわち、自衛隊の航空管制のもとに、三沢もそうでありますし、これは日本の飛行機があの広大な空域を自由に飛べるということになるはずであります。
 さらに、あの滑走路が使えるようになりますと、多くのメリットが見込まれるわけで、このため、都はこれまでも、国に対して、ともかく空域の早期返還について早く話せということをいってまいりましたが、やっと事が動き出したような感じがいたします。
 これからも、機会あるごとに、その実現を強く要求していくつもりであります。

(松原 忠義都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第一回都議会定例会 一般質問における知事答弁(平成18年3月2日)

 横田空域返還に向けての都の取り組みについてでありますが、我が国の航空政策をみずからの手で推し進めるため、横田空域の返還は不可欠だと思います。ともかく、国内線もほとんど飽和状態でありますし、国際線のアクセスは完全にパンクしまして、三十五カ国が乗り入れを希望しながら待たされている現況であります。
 横田空域を返還させることにより、合理的な航空路の設定が可能となりまして、安全の確保はもとより、航空路の容量拡大や経路の短縮が図れるなど、多くのメリットが見込まれます。
 もしあの空域の管制が日本の手に戻る、あるいは共同運営にしても、あそこを日本の飛行機が自在に飛べるようになりますと、大阪、福岡、あるいはソウルに向かう飛行機は十分から十五分飛行時間が短縮されまして、これは非常に大きな経済効果になるわけです。
 都は、これまで国に対して、米国ととにかく積極的に戦え、交渉しろといってきましたが、既に私、個人的に要望しまして、総理が引き受けてくれて、何年前になりますか、テキサスでのサミット会談でブッシュ大統領とじかに話をしてくれまして、これは日米間の協議事項にしようということで、向こうも引き受けてくれました。

(高橋 信博都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第二回都議会定例会 代表質問における知事答弁(平成18年6月13日)

 次いで、横田空域の返還についてでありますが、我が国の航空政策を自分の手で進めるとともに、安全で合理的な航空路を確保するためには、横田空域の返還は不可欠であります。空域の返還により、飛行時間の短縮や燃料の削減及びこれに伴う排出ガスの削減など多くの効果が期待できます。
 今回合意された米軍編成のロードマップ、時間表によりまして、一部にしろ空域返還の道が開いたことは、一定の前進であると思います。
 再拡張した羽田空港の利用性というものを最大限に生かすためにも、これを積極的に国際化もしまして、日米協議の中で返還される横田の空域の範囲や、移管される管制権の具体的な内容などを早急に明らかにするとともに、全面返還の実現に向けた検討を前進させることが必要であると思います。
 ご存じでしょうが、横田の空域というのは非常に広範囲に及んでおりまして、ほとんど使われておりませんが、その南端の伊豆半島の先端近くまではみ出している管制空域というものは非常に邪魔になりまして、羽田から大阪あるいは博多あるいは韓国に向かう飛行機もそれを迂回しなくちゃなりません。
 ということで、数年前、渋々相手側はその一部を日本の飛行機にも割愛しましたが、これはいってみると、幹線道路ではありますけれども、本来なら要するに四車線の幅が確保されなくちゃいけないのに、わずか一車線ということで、五年前ですか、そこで管制のミスもありましたけれども、非常に大型の飛行機が正面衝突しそうになって、片方が急上昇し、乗務員等がけがをしたというような事故がございましたけれども、こういった非常に不自然な状況が空路において、目にはっきり見えませんが、あるということも、ひとつ議会にご認識いただきたいと思っております。

(吉野 利明都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第四回都議会定例会 代表質問における知事答弁(平成18年12月7日)

 次いで、横田空域の返還についてでありますが、随分時間がかかりましたが、第一段階として、日米協議において特定された空域が返還されることになりまして、羽田を離発着する航空機の安全性の向上や、大阪あるいは福岡、韓国方面に向かう飛行時間がはるかに短縮されます。これに伴うCO2の削減など多くの効果が期待されると思います。
 とにかく一部とはいえ、ようやく空域―地面ではありませんが、空が戻ってきたということも大事だと思いますし、これから全面返還に向けてのまず第一歩を踏み出したと認識しております。
 今後は、再拡張を進めている羽田空港の有用性を最大限に発揮させるためにも、今回の一部返還が着実に実行されるよう、そして一年以内にあそこから日本の飛行機が離発着するよう、そういう現実というものを到来させるために、引き続き国を通じて積極的な努力を進めていくつもりです。
 さらに、羽田空港の国際化についてでありますが、首都東京の国際競争力を強化し、これは首都だけでなく日本全体でありますけれども、首都圏、ひいては日本の発展に資するためには、羽田空港の国際化が不可欠であります。
 羽田空港は都心からまさに至近の距離にありまして、しかも二十四時間の運用が可能な空港であるために、その利便性は極めて高いわけです。当然、オリンピック開催時にはその有効性が最大限に発揮されることになります。
 羽田空港を世界に向けた我が国の玄関口として機能させていくために、再拡張後の羽田空港の持つ可能性を十二分に活用した国際化の推進を引き続き国に強く働きかけてまいります。
 先般、この問題に関しては、日本航空の社長が参りまして、そのときに聞きましたら、既に羽田を使って、日本航空と全日空が、日に二便、臨時便という形で韓国に飛ばしているそうですが、これは一番大きなジャンボを使っているけれども、いつも満員だそうでありまして、そういう点で、羽田の国際化の将来の可能性というのは十分憶測できると思います。

(中嶋 義雄都議会議員(公明党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成20年第二回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成20年6月17日)

 次いで、羽田空港の国際化についてでありますが、国土交通省が示した国際化プランは、羽田空港の国際線発着枠の倍増を図るとともに、これまで固執していた合理性のない就航距離制限を外すなど、都の主張に沿うものであり、当然でありますが、大きな前進とも思います。
 また、今回、従来の枠から踏み出しまして、ASEAN以遠に飛行機を飛ばし、また、六時台、二十二時台にも、欧米を初め、あるいはアメリカの西海岸までの、そういったかなりの遠距離の都市に、世界の主要都市への就航を可能とする新たな方針を打ち出す予定であります。
 今後とも、増大する航空需要に的確に対応するため、空港関連の道路ネットワークの充実とともに、横田空域の早期全面返還の実現を含め、いまだ十分とはいえない昼間の国際線の増加など、さらなる国際化の進展を国に求めてまいります。

(服部 ゆくお都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成) 

平成20年第三回都議会定例会 知事所信表明(平成20年9月18日)

 今月二十五日、東京の西の空に大きく立ちはだかる、実は見えない壁、すなわち米軍の管理下にあった 横田空域の一部が日本に返還されます。これまで、東京から西に向かう航空機は極めて不自然な飛行を余儀なくされておりましたが、これにより飛行ルートは大幅に改善されます。燃料削減などの経済効果は年間で約九十八億円に上り、CO2の削減効果も、一般家庭約一万五千世帯の年間排出量に相当いたします。
 今回の一部返還を重要な一里塚として、共用化の実現に向けた交渉をさらに重ね、米軍のかたくかたく閉ざされた扉を必ずやこじあけてまいります。
 都市の世紀を迎えた今日、日本が真のグローバルプレーヤーであり続けるためには、 横田基地の共用化を初め、首都東京の機能向上が必須であります。それゆえ、自治体の枠を超えた取り組みをも行ってまいりました。先ごろ現地も視察しました羽田空港の新滑走路建設では、一千億円の無利子貸付を実施して、首都圏と世界を強固に結ぶ結節点づくりを促進し、三環状道路のうち中央環状品川線については、都みずからも共同事業者となって首都圏の動脈づくりを進めております。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成) 

平成21年第一回都議会定例会 知事施策方針表明(平成21年2月18日)

 横田基地の軍民共用化も、空のアクセス充実に不可欠であります。首都東京に我が国最大級の滑走路がありながら、それがほとんど使われないまま、六十年以上も他国が独占使用しているのはまさに理不尽であります。
 米国に対して強く要求し、ようやく昨年、空域の一部返還を実現いたしました。首都圏上空の飛行ルートが大幅に改善され、燃料削減などの経済効果は年間九十八億円にも上ります。さらに、共用化が実現すれば、増大する航空需要への対応が可能となるばかりか、米国の新政権が重視する日米の同盟関係の強化にも大きく寄与するものであります。日米双方のメリットを掲げながら、米国の新政権に対して共用化を強く働きかけてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成22年第二回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成22年6月9日)

 横田空域の全面返還についてでありますが、在日米軍が管制を行っております横田空域は、一都八県にわたる非常に大きなエリアに広がっておりまして、民間航空機の運航の大きな支障になっております。
 現に、ヨーロッパ発でユーラシア大陸、ロシアの上を通過して日本海に出た飛行機は、残念ながら真っすぐ成田へ向かえませんで、西か東へ迂回して、この空域を避けて、とにかく成田にアプローチするという実態であります。
 ここで、彼らがその空域を占拠しているいわれであります米軍の空軍の演習が行われているかどうか、私、最近聞いたことありませんが、彼らはいまだにそれを固執しております。
 一昨年九月に行われた空域の一部返還によりまして、飛行時間の短縮や燃料の削減など多くの効果が得られましたが、さらに横田空域の全面返還を実現して、より合理的な航空路を設定することが絶対に必要であると思います。
 大体、我が国の空の管制が、非常に大きな部分、外国にゆだねられている現状はまことに異常でありますが、これは絶対に正さなくちゃいけないと思います。ただ、空域の占拠も含めて、彼らは非常に正直にいっておりますが、横田の問題は、我々、世界第二次大戦で日本に勝った戦勝の記念品であるということをいってはばからない。こういったものに対して、政権がかわろうとかわるまいと、政府はやっぱり腰を据えていうべきことをいわないと、なかなか相手は譲ってこないんじゃないかと思います。
 現に、先般、前原国交大臣がこの問題について聞きたいということで、あるところで会いました。この問題の参与をしてもらっております高瀬教授と一緒に一時間ほど詳しく説明いたしましたが、これを受けて、現政権がこの問題に、自民党の政権以上に積極的に取り組んでいることを私は望んでおります。
 嘉手納を含む沖縄の進入管制業務、嘉手納ラプコンは、本年三月末に我が国に返還され、那覇空港内で日本側による管制が行われております。嘉手納よりもはるかに使われていないというか、全く使われていない横田において、我が国が管制を行えないわけがないと思います。
 国に対し、米政権に強く働きかけて、横田空域及び管制業務の早期全面返還を実現するように、これからも強く求めてまいります。

(高木 けい都議会議員(自民党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成22年第四回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成22年12月8日)

 多摩地域においては横田基地の軍民共用化を早期に実現して、首都圏全体の航空需要を満たさなくてはならぬと思いますが、これはやはり航空管制の問題一つをとって見ても、羽田に新しいDランができました。これによって非常に管制の業務は複雑化して、ある意味で危険な要素もはらむようになった。
 そのためにも、やっぱり与党、野党、とにかく一致して努力して、アメリカ相手に使っていない空港の管制空域だけでも取り戻しませんと、下手をすると羽田にそのうちとんでもない事故が起こりかねない。
 こういったものを勘案して、重層的に、東京を快適で利便性の高い都市としていく努力を、交通インフラに関しても努力を遂げていきたいと思っております。

(今村 るか都議会議員(民主党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)