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米軍基地に関する石原都知事の発言

平成11年第二回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成11年7月6日)

 さらに、横田基地のNLPの中止の要請についてでありますが、横田基地で実施されているNLPは、周辺住民の平穏で安全な生活を妨げる極めて重大な問題と認識しております。これまでも東京都は、米軍及び国に対して、独自に、あるいは渉外知事会を通じて中止を要請してまいりました。
 今後とも、都議会及び地元自治体等とともに、連帯しながら、粘り強く対応していきたいと思っております。
 最後に、多摩サービス補助施設の共同使用や返還についてでありますが、これはもう本当に当たり前のことで、私たちなぜ今までこれを放置していたのか、理解に苦しむぐらいのことでありますが、基地の整理・縮小・返還を強く求めてまいりますが、しかし、これはまあ、基地というよりも、基地に附属したレクリエーション施設でありますから、むしろ即時返還を願って、日本人とアメリカ人がともに使うということの方がごく妥当であり、かつまた日米関係のためにも良好ではないかと思っております。

(木村 陽治都議会議員(共産党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

 弾薬庫跡の多摩サービス補助施設の返還要求についてでございますが、これは基地じゃありませんで、基地に附帯した補助施設でありまして、基本的に基地というものは、やがては整理・縮小・返還が好ましいわけでありますが、これは別に基地じゃありませんので、私は即返還が最終目標であると思っております。
 今後とも、地方自治体等とともに連携を図りながら、現在一部行われている共同使用の拡充のみならず、全面的な返還、そして日本人とアメリカ人がともにそれを使用するというのが理想的なあり方ではないかと思っております。

(島田 久都議会議員(民主党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成11年第二回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成11年7月7日)

 多摩サービス補助施設の返還についてお答えいたしますが、私は、飛行場は、議員のころからも何度か視察に参りましたけれども、あの施設にはまだ入ったことがございません。やはり実際に入ってみて、その広さ、あの起伏に富んだ自然空間というものを実感することで、またその返還についての新しい意欲が起こってくると思いますから、必ず最近のうちに、自分の足で歩いて現地を確かめてみたいと思っております。
 本来、日本にありますすべての外国の基地、アメリカの基地については、整理・縮小・返還ということが基本の姿勢でありますが、この施設は、施設とはいえ、ほとんど自然そのままの空間でありまして、しかも、その近くにあります横田という中継基地の関係者のレクリエーションのただ施設であります。
 これは実に、眺めると──外から何度か眺めたことがございますが、ある感無量な思いがいたしますけれども、実は先般、私の古い知人であります、多摩大学の学長をしているグレゴリー・クラークさんと話しましたときに、彼が流暢な日本語で、石原さん、あれは日本人にとって屈辱でしょうということを、イギリス人からじかにいわれて、私もいささか憮然といたしましたが、まさにそういう感じがいたします。
 いろいろ感触を今確かめておりますけれども、これは必ず可能な試みだと思いますので、結果として、あそこを日本人が使わせてもらうという形ではなくて、おっしゃるとおり、我々が我々の手であそこを整備し、そして、基地に働いているアメリカ人と一緒にあそこを使うというのが本来の姿だと思います。その線で鋭意努力をいたします。

(小礒 明都議会議員(自民党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成12年第一回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成12年2月29日)

 NLPの即時中止を求めることについてでありますが、周辺住民の平穏で安全な生活を妨げる米空母艦載機の着陸訓練については、都は従来から、横田基地と厚木基地における訓練の全面中止を国や米軍に要請してまいりました。
 今回の訓練についても、中止を要請し、実施に対しては既に強く抗議も行っております。今後もこれを続けます。

(秋田 かくお都議会議員(共産党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成12年第一回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成12年3月2日)

 私は、かねてから横田の基地としてのあり方に関心を持ってまいりましたが、今質問を受けまして、初めて、米軍の基地の中でもボイラーによる多量の軽油消費について知らされました。また一つ勉強させていただきますが、大気汚染問題を初めとする環境問題への対応は、これはもう地域住民の安全と安心のために極めて重要なことでございます。米軍施設といえども、日本国内に存在する以上、周辺地域の環境面に十分配慮するのは当然であります。かつて、何年か前、横須賀の米軍基地のPCBの問題がクローズアップされましたが、本質同じ問題だと思います。
 都はこれまでも、地元五市一町とともに国及び米軍に対して、基地における環境問題や環境対策の適切な情報提供や法の適用について、文書でも要請し、話し合いを行ってきました。今後は、周辺市町と連携しながら、より一層強い要請をしてまいりますが、みずからの手による調査、測定も果たして可能かどうかわかりませんが、いずれにしろ的確な情報の提供を強く求めるつもりでございます。
 私、かつて横田に何年か前に行ったときに、看板が出ておりまして、あの基地の地籍はカリフォルニアだそうで、もうその看板はこのごろありませんが、しかし、地籍が何であろうと、日本の国内における米軍の基地でありまして、日本の市民が重大な関心を持っている環境問題に対する当然の責任は、アメリカ軍が認識すべき問題だと思います。そう心得て、これからも周辺市町と連携しながら、一層強い要請をしてまいるつもりでございます。

(田村 市郎都議会議員(民主党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成13年第三回都議会定例会 知事所信表明(平成13年9月19日)

 伊豆諸島ばかりでなく、東京は、いつ直下型の大地震に襲われても不思議でない危険な状況の中にあります。災害への対応力を高め、住民の防災意識を喚起することは、行政の重要な役割であります。万一の際、十全の行動がとれるかどうかは、日頃の備えにかかっており、東京都は、防災訓練の充実に一貫して取り組んでおります。
 昨年の9月には、自衛隊の本格的な参加を得た極めて実践的な防災訓練を行い、今年7月には、災害時の指令基地となる各機関の本部運営訓練をかつてない規模で実施いたしました。こうした訓練は、大きな成果を上げておりますが、ITを活用した情報の共有化、区市町村との連携などの点で、今後取り組むべき課題も明らかになっております。
 今月1日、多摩地域を中心に実施した総合防災訓練「ビッグレスキュー東京2001」では、こうした点を補強するため、新たな視点として、地元自治体との連携や地域住民の訓練活動を充実いたしました。
 また、今回は、米軍の協力を得て、横田飛行場と赤坂プレスセンターの2か所の米軍基地を全国で初めて防災訓練に使用することができました。横田飛行場は、羽田空港と並ぶ広域輸送拠点として非常に重要な役割を果たすことが、訓練を通じて実証されたと思います。
 災害時の被害を最小限に抑えるためには、横田飛行場をはじめとする広大な米軍基地を活用することが、我が国にとって是非とも必要であります。国に対しては、国策として、米軍基地を災害時の防災活動拠点に組み込むことを強く建言いたします。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成13年第三回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成13年9月26日)

 次いで、横田飛行場を防災拠点とするための国への働きかけでありますが、災害時の被害を最小限に抑えるには、米軍基地といえども、日本の中の外国かもしれませんが、日本の国土には違いないので、私たちはこれを積極的に活用していくのは当然であります。
 今回の総合防災訓練でも、全国に先駆けてそれを行ったわけでありますが、横田飛行場が羽田空港と並んで、災害時の広域輸送拠点として極めて重要な役割を果たすということが今回の訓練でも実証されたと思います。何しろ東京は広うございますから、横田は東京の多摩地域だけでなく、埼玉にも山梨にも非常に近い、非常に有力な拠点であります。
 そして、都の災害拠点として位置づけるために、今後、米軍側とも調整を図っていくとともに、国に対し、国策として広大な米軍基地を災害時の活動拠点として組み込むことを、当然ですけれども、強く提案してまいります。
 今後は、引き続き、最低限の措置として、本来は返還が望ましいんですが、そのプロセスの一つとして、やはり軍民共用の実現と、横田空域及び管制権の返還を国に働きかけてまいります。これが実現すれば、飛行場を含めた横田空域をさらに機動的、弾力的に活用できることになります。
 先般、三多摩を中心としたビッグレスキューのときに小泉総理も来てくれまして、昼食をとっていたんですが、そのまま官邸に帰るというから、僕と飯を食わなくてもいいから少し早目に出て、一っ飛びして五分もかからないんだから、横田の飛行場を見ておいでと。見たことないだろうといったら、見たことないという。それは大概の人は見たことないんで、とにかく総理大臣が自分でヘリコプターに乗って、ここが横田かと認識を持つことが非常に大事だから必ず行けと、そんなライスカレーなんか食わなくていいからすぐ行ってくれといいまして、純ちゃん総理も、わかったというんで飛んでいってくれました。
 そういうことで、私たちは、やはり横田というものの存在の国庫的な意義というものをできるだけ多くの政治家が持ちたいものだなと思っております。

(松本文明都議会議員(自民党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成13年第三回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁 (平成13年9月26日)

 次いで、災害時における横田飛行場の活用についてでありますが、今回の訓練で、都は全国に先駆けて米軍基地を活用いたしました。横田飛行場が、災害時の広域輸送拠点として非常に重要な役割を果たすことがよくわかりました。
 都の防災拠点として位置づけまして、たとえこれがアメリカ軍の基地であろうと、今後は、都の防災拠点として位置づけ、発災時において横田飛行場を活用できるよう、具体的な条件について米軍側とも調整を図っていきたいと思っております。
 国に対しては、横田飛行場を初めとする広大な米軍基地を、国策として災害時の活動拠点に組み込むよう強く提案していきたいと思っております。
 今後は、引き続き、最低限の措置としてジョイントユース、軍民共用化の実現と、横田空域及び管制権の返還を働きかけていきたいと思っております。
 これが実現しますと、災害時において、飛行場を含めた横田空域を日本が最大限に活用できることとなりまして、機動性、弾力性が格段に向上するものと思われます。

(土持正豊都議会議員(公明党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成14年第二回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成14年6月19日)

 厚木基地の騒音問題についてでありますが、神奈川県に位置する厚木基地から発進する航空機の騒音の対策については、東京都はかねてから地元の町田市と連携して、国や米軍に要請をしてまいりました。この五月には、東京都でも以前から廃止要請をしてきましたデモンストレーションフライトについては、今後は行わないという米軍からの連絡もございました。
 今後とも、町田市とともに、騒音対策について米軍に直接働きかけていきたいと思います。
 先ほどおっしゃいましたように、横田の問題で都が要請して参与に迎えました、私の古い友人の高瀬教授が、現地の、時々かわるんですけれども、司令官と歴代話してまいりまして、特に、去年の三多摩を想定した災害訓練で、横田の基地を使用したいということで話しているうちに、もう一々外務省や防衛庁を通してくださらなくて結構だと。基地の司令官の権限があるんで、もう一々通さなくてもいいから直接話してくれという向こうからの申し出がありまして、これはもう格好なる申し出でありまして、それから、そういう窓口をあけました。
 それで、実際にあそこで訓練をやったわけでありますが、米軍も非常にそれを歓迎してくれましたし、司令官はその後転任しましたが、非常にいいことをしたといって、本部からも褒められたそうですけれども、そういう報告が出ますと、何にもしなかった外務省が、これは自分たちがあっせんして東京が要するに成功したと、ばかな報告を書いている。
 ですから、これから、国ももちろん動かす必要はございますけれども、現地の問題は、お互いに諮り合って、直接現地の司令官に会談を申し込んで、いろんな具体的な相談をしたいと思っております。
 NLP、ナイト・ランディング・プラクティスは、実は非常にあちこちにご迷惑をかけていまして、私、議員時代に、三宅島に移そうということだったんですが、現地の強烈な反対があり――ちょっと持っていき方が粗暴に過ぎまして、私はちょっと批判的だったんですが、運び方が乱暴で、挫折をいたしました。ならば硫黄島でいいじゃないかということを、私も再三申してきているんですが、硫黄島はとにかく何にもないから嫌だというんですね、米軍は。夜泊まっても、泊まるところしかなくて何にもないということで、その気持ちもわからないではありませんけれども、いずれにしろ、横田でのNLPは、これは強く要請して、今後行わないということになりました。
 そういう点で、これからも時に応じて直接、市とも連携しながら、町田市とも連携しながら、神奈川県とも連携しながら、申し込みをしていきたいと思っております。

 次いで、ちょっと訂正させていただきますが、さきの公明党の小磯議員の厚木基地関連の質問に関する答弁の中で、横田では、NLPはこれから強く要請して今後行わないということになりましたと申し上げましたが、ちょっと事情が違いまして……。
 実は、私が会った空軍の司令官が、横田は空軍の基地なんですね、それで、ここで海軍のNLPをやるのはけしからぬと。あんなものは要するに厚木が決まっているんだから、厚木でやるか硫黄島でやるべきだということをいっておりました。そういうものを踏まえて、私、交渉しまして、できる限りの多くのNLPを硫黄島で実施することになりましたという答えでございました。訂正させていただきます。

(小磯善彦都議会議員(公明党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成14年第三回都議会定例会 知事所信表明(平成14年9月18日)

(防災、防犯対策の強化)
 今月1日、直下型の大地震に備えて実施した総合防災訓練では、高層ビルからの救出訓練や、ITを活用した安否確認など、実践的な内容を取り入れ、防災関係機関との連携強化に大きな成果を挙げました。横田基地では、昨年に引き続き、米軍の協力の下、負傷者や救援物資などの輸送訓練を行いました。今年は新たに、基地周辺の5市1町も参加し、地元自治体と一体となって充実した訓練ができたと思います。

(行動の秋を迎えて) 
 東京都は、このありさまの国に引きずられ、ともに朽ち果てていくことを甘受するのではなく、逆に、国をも立て直す起点となるように、様々な行動を起こしております。
 その一つが、横田基地の返還問題であり、国は端から交渉をあきらめておりますが、東京都は、返還を最終的な目標に、当面は軍民共用化に向け、様々な運動を展開してまいりました。この秋は、出来るだけ早い時期に直接アメリカへ出向き、横田基地の問題を含めた、今後の日米関係の基軸について、多数の政府要人と意見交換したいと考えております。 

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成14年第四回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成14年12月10日)

 次いで、多摩サービス補助施設についてでありますが、たまたまきのうも、来日中のアーミテージと、この問題についてちょっと話をいたしました。  おっしゃるとおり、多摩サービス補助施設は、基地というよりも、本来軍事目的とはかかわりのないレクリエーション施設であります。元来日本の土地であるものを、日米安全保障とは直接かかわりのない形で副次的にアメリカが占有しております。
 その広大な緑地は、東京に残された貴重な、希有なる存在でありまして、直ちに返還され、広く都民のために開放されるべきでありますが、これは、横田の共同使用を、今、日本の航空行政全体のために羽田の国際化との関連で提案し、やっと小さな穴があき、あとは政府マターということで登録いたしました。
 ただ、このカードの出し方によって、相手に逆につけ込まれて、つまり、これだけ返ってきて共同使用は後ということになると、これまたいろいろ問題がありまして、そこら辺は、私は当事者でなくて、政府のこれからの外交というゲーム感覚の中でのカードの出し方だと思いますけれども、当面、つまり、当然これは返還までの間は共同利用を求めるべき、最低そういう問題でありまして、本来なら、あくまでもこれだけは即時返還という対象のものだと思いますけれども、あとはこれからの外交交渉でどういう進展を見るかということは、お互いに知恵の出しようだと思います。
 ただ、先般ワシントンに参りまして、アメリカは、ことしになってから大きな戦略転換を本質的にしました。ダレス以来続いていた、巨大な核の保有によって相手を封じ込めるという、そういう必要はもうなくなりまして、それにのっとって、お金のかかるアメリカの従来の世界戦略にかかわる基地というものの縮小といいますか、合理化をラムズウェルドがいい出しておりまして、そういうトレンドの中で、軍部がそれをどういうふうに受けとめ、さらに日本がどういう交渉に向かうかということは、そもそも、外務省含めて政府が、アメリカの戦略転換の本質的な情報というものを把握しているか、いないかにかかわるわけでありますけれども、いずれにしろ、アメリカが、従来の冷戦構造下で続いていた戦略の展開というものを、ソビエトもロシアになって変質しましたし、その中で、私たち、この問題を十分に情報をとりながら分析し、あくまでも国益の一刻も早い成就のために、この問題を扱っていくべきだと思っております。その関連でこの問題も恐らく論じられるでしょうし、また論じられるべきだと思います。
 本質は、おっしゃるとおり、即時返還をされるべきものだと私は思っておりますけれども、事が、ある意味で、時間を経てから、あるよき方向に向かっての転換の可能性が出てきた今、つまりこれをどう使うかということは、あとは政府の力量だと私は思います。

(新井美沙子都議会議員(生活者ネットワーク)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成14年第四回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成14年12月11日)

 次いで、訪米についてでありますけれども、先般はテロの事件に妨げられて、ペンタゴンでウォルフォヴィッツに会った翌日、見たら、ペンタゴンそのものが燃え上がって、ニューヨークではああいう事件が起こったわけでありますが、残念ながら無為のままに帰ってまいりましたけれども、今回は、たまたま下院がイラクとの戦争を是認する法律を決めた前後でありまして、大変混乱しておりましたけれども、ほとんどの人に会うことができました。
 通じて私が得た確証と申しましょうか、相手がいったことは、私は、アメリカのような広大な国土を持っている国の政治家にはわかりにくいだろうが、日本のように、国土はイギリスに比べても――イギリスの方が日本の三分の二弱ですか、そういう狭小な国土、世界的には狭小な国土でありながら、イギリスは日本の八倍の可住面積を持っている。日本はほとんど山であって平地がない。そういう状況の中で、飛行場のような大きな社会資本をつくるということの困難さを諸君は理解できないだろうが、ちなみに地図を眺めてみたまえといって、もしそしてアメリカが日本の経済の再生を熱願するならば、これはやはり経済の促進の大きな要因でもある国際空港というものをもっと整備する必要があると。現に、私の親友のトム・ドナヒューというアメリカの商工会議所会頭が私のために催してくれました晩さん会でも、主なる財界人がそろいましたが、その人たちがひとしくいうことは、とにかく日本にビッグビジネスを構えて飛んでいこうと思っても、会社の専用機で飛べない。世界じゅうでこれを許してくれない国は日本だけであって、これは本当にビジネスに差し支えると。これは本当にそのとおりだと思います。
 ということで、それも含めて日本の経済の再生を願うならば、その一つの要因としても、横田の共同使用によって、あそこのスペースを国内線に活用し、その分を羽田に振り向けるという、こういった作業にアメリカも協力してもらいたいということを申しました。
 ほとんどの相手から、初めてわかりやすく複合的な説明を聞いたということで、その後、政府関係者が申しましたことは、これは、石原さん、あくまで政府対政府の問題である、私たちはそう認識していると。私もそのつもりでおります。もう国会議員のころからいったことですから、知事だといってきましたが。そして、あとは政府の問題であると。私もそれに同意しました。そして、ひとしく相手がいったことは、これはこれからの日米関係にとって、極めて重要な熱心に討論するに足る議題であるということを認識したと。
 おとといですか、東京でアーミテージに会ったときも、その確認を繰り返して行いましたが、いずれにしろ、その相手側が日本の外交を含めて皮肉にいったことは、日本の政府か外務省が日米関係についてのアメリカ側の動向の調査をほとんど依頼しているSCISという組織があります。これのナンバーツーのキャンベルというのは、クリントン時代に普天間のあの問題を扱った国防省の高官でありますが、彼が皮肉いっぱいにいうことは、あなたが初めてこのことをいってきたが、私たちは、横田の問題は当然日本の政府がいってくるだろうと思ってきたけれども、一回も聞いたことがない、実に日本の外務省は不思議な役所ですなあという話を逆にされまして、私も苦笑いいたしましたが。
 まあ、そういう会談も重ねて、とにかく議題として登録されたことは間違いありませんし、そのことを総理にもしかと申しました。総理は、だれやらこの問題についての特使を送ったようでありますが、まあ、その結果をまだ聞いておりませんけれども。
 加えて、横田の飛行場を、日本の国力の維持のためにも、民間のために共同使用し、その分を羽田に振り向けて国際化するということの問題で、政府としてきちっとした認識を持ってもらうために、先般、山崎、青木両幹事長とあるところで、ある人の立ち会いで会いまして、この問題の説明をいたしました。青木幹事長から、わかりました、この問題について、今、外務大臣が二人おります、そのうちの一人を連絡将校として都知事のところへ差し向けますということで、あしたかあさって会いますが、まあ、そういう連絡将校も含めて、政府ができるだけ早くこの問題に本当の理解を示して、問題意識を持って、非常に閉鎖的な日本の航空事情というものを打開する努力をしてもらいたいものだと思っております。
 今ご指摘にありましたように、加えて、やはりあの空港の周辺の整備、アクセスもそうでありますし、また騒音対策も含めて、こういった対処というものを早速すべき段階にやっと来たのではないかと思っております。
 両方の国がこの問題についてのワーキンググループをつくるということでも同意がありまして、ある財団にもお願いして、そのための基金も用意しようと思っておりますけれども、いずれにしろ、これは日本の国民全体が、日本のこれからの国力の維持のためにも、時間的、空間的に非常に狭くなったこの世界の中で、何といっても世界第二の容量を持っている経済大国の日本が、それを促進していくための不可欠な要因であります国際空港の整備というものをアメリカの協力を取りつけながら行っていくという、その世論というものを国民の皆さんに持っていただきたい。特に、羽田は東京にあります、横田も東京にあります大事な社会資本であるがゆえに、都議会の皆様を通じて、都民の皆さんにこの問題についての正しい意識を持っていただきたいと熱願しております。

(倉林辰雄都議会議員(自民党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成15年第一回都議会定例会 知事施政方針表明(平成15年2月5日)

 羽田空港の再拡張については、先月、首都圏七都県市の長と国土交通大臣による第1回目の協議会が開催されました。このメンバーが羽田の問題を巡って一堂に会するのは、今回が初めての機会であり、大臣には、地方負担の反対と早期着工について改めて強く申し入れました。会議を通じ、地方負担の白紙撤回が確認でき、再拡張並びに国際化の必要性について共通の認識を持てたことは、大きな成果でありました。正式な協議の場が整ったことを踏まえ、今後、国に対しては、横田基地も含めた首都圏の航空政策に関し、様々な建言を行いたいと考えております。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成15年第四回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成15年12月10日)

 まず、多摩サービス補助施設の返還についてでありますが、おっしゃるとおり、この施設は、基地というよりも、本来、軍事目的とは全く関係ないレクリエーションの施設でありまして、施設といいますか、一部施設はございますけれども、豊穣な、緑の豊かな山であります。これは本当に東京に残された希有なる存在でもありまして、直ちに全面返還されて、都民に開放されるべきものと思っております。そして、同時にアメリカ人もそれを使用したらよろしい。
 基地に関する協議は、横田基地の共同使用を含めて、これから始まるわけでありますが、この外交交渉の中で、これをどういう形でカードとして扱っていくというのは、やはりお互いの知恵の出しどころだと思います。
 いろいろ調査いたしましたが、あそこに付随してあります空軍専用のゴルフ場、これは彼らが非常に執着するものでしょうけど、私は、これは使わせてやったらよろしいと思う、周りに日本人のつくったゴルフ場がたくさんありますから。ただ、あの山地、山林はすばらしい財産でありまして、これは都民の自由な使用に任すべきだと思います。
 こいそさんにいわれて、一緒にあそこを視察しましたね。私は、横田の問題は議員のときから関心がありましたが、あそこに、間近にああいう施設があるということを知りませんでした。
 あのとき、今でも覚えていますけど、一番パノラマ的に全体が見渡せるクラブハウスの前まで来まして、こいそ議員ともう二人、関係の市長さんがおいでになりましたが、私、本当にうんざりして、どうも大したものじゃないかと吐き出すようにいいましたら、その語気に非常に気配を感じたのか、司令官が、一緒に来ました日本の女性の通訳に、今知事は何といった、何といったと聞いていました。
 そうしたら、その女性が、私がファンタスティックといったと。これはとんでもないですよ。私は実は、ツーマッチだ、とにかく過ぎたるものだというつもりでいったわけでありまして、そこで英語で修正してやろうかと思いましたが、まあやめておきましたけど、とにかく、この基地の共同使用を進める過程でどういう出し方をするかというのは、考えます。考えながら、取り戻します。
 同時に、こういうものの存在というものを国の役人、国の当事者は全く知りませんから、まずそれを認識させるためにも、事務の協議が進む段階で、政府と構えました連絡協議会の要員たちを、基地の視察だけではなしに、あそこに連れていくことがまず大事なきっかけになると思っております。
 次いで、多摩地域の振興の問題についてでありますけど、多摩地域は、圏央道の完成や横田基地の共用化の実現によりまして、共同使用の実現によりまして、今後、首都圏の交通の要衝となっていく地域と思います。さらに、大学や先端技術産業の集積、広い空間などが一層生かされて、従来にない特色のある都市づくりが可能だと思います。
 都市計画局なるものが東京にずっとありましたけれども、この東京に限らず、この日本に、果たして本当の都市計画があったかどうか疑問でありますが、この残された多摩の可能性というものは、やっぱり衆知を凝らして万民のために生かしていく、そういう計画が必要だと思います。これら大きなポテンシャルと地政学的な特性を生かしまして、活力と魅力にあふれた多摩を創造し、東京の再生、ひいては日本の再生を目指していきたいと思います。決して、ご懸念のように多摩を忘れているわけでもございませんし、まして、ないがしろにしているわけでもございませんから、ご安心いただきたい。

(こいそ 明都議会議員(自民党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成17年第一回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成17年3月2日)

 米軍施設における地球温暖化対策についてでありますが、これは非常に大事な、いろいろな可能性を含むご提案だと私は思います。
 横田も含めて日本にある米軍の基地は、まさに治外法権です。つまりアメリカの領土です。私が初めて横田に行ったときに、日本人入るべからず云々の看板が出ていましたが、そこの横に、この基地の本籍はカリフォルニアのバンデンバーク基地であるという標示が出ていました。それはさすがにちょっと私は問題にして、あんまり露骨なので取り払いましたけれども、まさにあそこはアメリカの領土なんです。
 しかし、そこで彼らが、つまり本国自身が京都議定書に参入せずに、勝手に油をたいて、日本の環境というのをいかに汚染しているかということの認識がないままに、あそこが限られたアメリカの領土であるということで、そういう日本の総意に反した行為というのが許されるかどうか。これは私は、やっぱりこれからの、近々またちょっと外務次官にも会いますが、日本とアメリカの安保における地位協定に関する大きな一つの要因になってくると思います。
 ただ、これが、もし自衛隊があそこに参入して、先ほど質問にありましたが、管制権というものを、イニシアチブをとって運営するようになれば、違った性格を帯びてくると思います。しかし、なお、基地は基地でありまして、これはとても小さな問題で大きな問題だと思いますし、アメリカに温暖化に対する覚せいを促す一つの大きな引き金になると私は思いますし、また、そのつもりで国にやってもらわぬと、これはだめだと思います。東京が幾ら頑張っても、東京の真ん中で油たいて、空気を幾ら濁しても構わぬということで済むものじゃございませんから。
 いずれにしろ、米国は最大な二酸化炭素排出国でありながら、とにかく京都議定書を批准していませんし、温暖化対策に真摯に取り組む姿勢というのは、なぜかとにかく全く持ってない。
 都は今回、環境確保条例を改正して先駆的な制度を導入し、都民及び都内事業者に対して、つまり我々の負担で、東京において地球温暖化対策の取り組みの強化を求めておりますが、都内の米軍施設が、東京都にありながら、その東京都の姿勢と逆行するみたいなことをあえて行って許されるわけはないので、これはよほど日本の外務省に腰を据えて、この問題だけはきちっとしろということを説得させようと思いますし、非常に大事な問題提起をいただいたと思います。
 とにかくそういう姿勢で、これから、東京都も横田の問題の協議会に入っておりますが、その姿勢で米国に強い要請をしていき、結果とすれば、それが引き金になって、アメリカが京都の議定書に参入するということが、私は当然だし、望ましいと思いますけれども、せめてその小さな引き金になればと思っております。

(林田 武都議会議員(自民党)に対する知事答弁 都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第二回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成18年6月14日)

 多摩サービス補助施設の返還についてでありますけども、これは外交の駆け引きの問題でして、やはりカードの出し方なんですよ。これは任せておいていただきたい。
 私、就任早々、こいそ明議員と二人であの施設を視察しました。あのクラブハウスの前の山頂に立ったとき、僕は本当に苦々しく、何だ、大したものじゃないかといったら、何か、要するに言葉の気配に向こうの司令官が気にしまして、くっついてきた通訳に、石原は何といった、何といったと聞いた。そうしたら通訳はばかだから、ヒー・セッド・マーベラス─すばらしいといったんじゃない。これはツー・マッチといわなくちゃいけないんだよ。
 結局、私もその後いろいろ内々交渉して、サウンディングしましたが、やっと横田がめどがついてきましたので、大事なことは、あの緑を取り戻す前に、日本で一番長い滑走路が使われていないんです、これを国力の維持のために使うことです。これが要するに発足したら、あの土地は返ってきます。
 ただ、彼らの意向は、これも彼らの勝手なわがままですけれども、陸海空三軍がそれぞれ自分のゴルフ場を持ちたいんですよ。ですから、あのあたりにはゴルフ場がたくさんありますから、別にあそこを返してもらわなくて、勝手に使わせておきゃいいんで、ゴルフ場以外のものは必ず返ってきます、横田が動き出したら。
 そういうことでひとつご期待願いたいし、また議会としてもせっかくの土地ですから、あなたがおっしゃったみたいにいろんな形であの緑を使えますので、大いに活用していこうと思いますが、その前にやっぱりあの滑走路を取り戻して使うことなんです。

(原田 恭子都議会議員(生活者ネットワーク)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年第二回都議会定例会 知事所信表明(平成19年6月12日)

 大規模地震から都民の生命、財産を守るため、在日米軍が協力することは当然であります。去る四月、米軍基地の災害時及び防災訓練での利用に関して、日米合同委員会で包括的な枠組みが合意されました。今後とも、自衛隊や在日米軍の参加、協力を得て実践的な訓練を積み重ね、発災時に米軍基地の積極的な活用を図ってまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年第三回都議会定例会 知事所信表明(平成19年9月19日)

 今月一日、多摩で直下地震が発生したとの想定のもと、横田基地周辺の四市一町と合同で総合防災訓練を実施いたしました。ことしは、発災時の機動的な医療連携を重視して、地元医師会等によるトリアージ訓練、自衛隊の野外病院での治療、ヘリコプターによる災害拠点病院への搬送など実践的な訓練を行い、多くの収穫を得ました。 
 また、台湾からも台北市消防局レスキュー隊が参加してくれまして、アジアとの連携が深まるとともに、在日米軍とは、負傷者の医療搬送や揚陸艦を動員した帰宅困難者の搬送などを新たに実施し、広範囲な協力態勢をとりました。
 今後、横田基地や赤坂プレスセンターについて、在日米軍と災害時の使用協定を締結し、首都の危機管理をさらに強化したいと思っております。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)