1 令和5年度予算の概要
(1) 総論
- ア 予算編成方針
令和5年度の東京都予算は、「明るい『未来の東京』の実現に向け、将来にわたって『成長』と『成熟』が両立した光り輝く都市へと確実に進化し続ける予算」と位置付け、次の点を基本に編成されている。- (ア) 持続可能な未来へと歩みを進めるため、都民にとって重要な諸課題の解決にスピード感を持って取り組むとともに、長期的な視点に立ち、従来の発想を打ち破る大胆な施策を積極的に展開する。
- (イ) 「東京大改革」を爆速で進め、一層活発で機動的な組織へと進化させるとともに、無駄を無くす取組を徹底し、活力ある都政で強靱な財政基盤を堅持する。 このような方針の下に編成された東京都の一般会計の予算規模は、前年度に比べて3.1%増の8兆410億円で、都税は前年度に比べて10.1%増の6兆2,010億円となっている。
チルドレンファースト社会の実現に向けた取組や都市強靱化に向けた取組、脱炭素社会の実現に向けた取組などに、重点的に財源を振り向けている。
- イ 都市整備局予算の概要
令和5年度予算は、局事業を以下の4つの分野に分けて編成されている。
(ア) 都市計画・調査 | : | 7,859百万円 |
(イ) 都市基盤整備(道路網の整備、鉄道等公共交通の整備、航空政策、総合治水対策等) | : | 16,617百万円 |
(ウ) 市街地整備(木密地域の整備、土地区画整理、市街地再開発、都市改造等) | : | 68,639百万円 |
(エ) 建築行政(耐震改修促進事業、建築指導事務等) | : | 8,036百万円 |
(2) 予算規模
区分 | 令和5年度 | 令和4年度 | 増(△)減 | 増減率 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 101,151,000 | 101,959,456 | △ 808,456 | △ 0.8 | ||
一般会計(都市整備局分) | 89,498,000 | 85,957,456 | 3,540,544 | 4.1 | ||
特別会計 | 8,699,000 | 8,914,000 | △ 215,000 | △ 2.4 | ||
都市開発資金会計 | 7,115,000 | 7,513,000 | △ 398,000 | △ 5.3 | ||
臨海都市基盤整備事業会計 | 1,584,000 | 1,401,000 | 183,000 | 13.1 | ||
公営企業会計 | 2,954,000 | 7,088,000 | △ 4,134,000 | △ 58.3 | ||
都市再開発事業会計 | 2,954,000 | 7,088,000 | △ 4,134,000 | △ 58.3 |
2 一般会計予算
(1) 第1項 都市整備管理費
都市整備局の管理事務等に要する経費のほか、東京都都市計画審議会の運営経費、既存ビルのリノベーションによるまちづくりや都市計画基礎調査などの総合計画に関する調査費、建設副産物再利用促進事業としての東京都建設発生土再利用センターの運営に要する経費等を計上している。
加えて、米軍基地対策を総合的に推進するための関係機関との連絡調整、横田基地の軍民共用化推進に係る調査検討等に要する経費を計上している。
また、都市の緑の保全・創出に向けた調査検討や助成、外濠の水辺再生に係る調査検討や国土調査を実施する経費等を計上している。
区分 | 令和5年度 | 令和4年度 | 増(△)減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
都市整備管理費 | 7,859,000 | 6,075,738 | 1,783,262 | 29.4 | |
管理費 | 2,309,120 | 2,194,725 | 114,395 | 5.2 | |
企画調査費 | 4,597,127 | 3,018,739 | 1,578,388 | 52.3 | |
水資源対策費 | 339,809 | 118,724 | 221,085 | 186.2 | |
土地調整費 | 612,944 | 743,550 | △ 130,606 | △ 17.6 |
(2) 第2項 都市基盤整備費
都市基盤施設整備に向けた調査、都市基盤施設整備に係る補助事業等に要する経費を計上している。
都市計画道路網や高速道路ネットワークの計画検討、外環に係るまちづくりに関する調査、都心と臨海地域とを結ぶBRT(Bus Rapid Transit)整備事業、鉄道ネットワークに関する調査・整備促進等、舟運活性化に関する検討調査、地域公共交通の充実・強化に向けた支援等、総合治水対策事業として東京都豪雨対策基本方針に基づく雨水貯留施設の設置等への支援などに要する経費を計上している。
また、道路や鉄道等の交通対策の充実・強化を図るため、地下高速鉄道の整備や鉄道施設の耐震対策など、公共交通に対する助成に要する経費を計上している。これらに加え、鉄道駅における移動の円滑化と安全対策を進めるため、ホームドアの整備等に対する補助などに要する経費を計上している。
区分 | 令和5年度 | 令和4年度 | 増(△)減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
都市基盤整備費 | 16,617,000 | 17,795,453 | △ 1,178,453 | △ 6.6 | |
管理費 | 865,001 | 837,947 | 27,054 | 3.2 | |
都市基盤調査費 | 3,102,298 | 1,749,425 | 1,352,873 | 77.3 | |
都市基盤施設等助成費 | 12,649,701 | 15,208,081 | △ 2,558,380 | △ 16.8 |
(3) 第3項 市街地整備費
災害に強く住みよいまちづくりを目指し、木造住宅密集市街地の解消・整備やまちづくりの機会を捉えた無電柱化の推進等の首都直下地震への対応、大規模水害リスクに備えた高台まちづくりの推進や盛土等に伴う災害防止に向けた取組、震災復興100年の取組などに要する経費を計上している。
また、実効性のある市街地整備を推進する観点から、面整備事業のうち、公共団体施行・組合施行等による土地区画整理事業や市街地再開発事業に対する助成に要する経費を計上するほか、都施行の土地区画整理事業、沿道一体整備事業、晴海五丁目地区整備事業、多摩ニュータウンの再生等に要する経費を計上している。
区分 | 令和5年度 | 令和4年度 | 増(△)減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
市街地整備費 | 56,986,000 | 54,257,559 | 2,728,441 | 5.0 | |
管理費 | 4,431,154 | 3,763,339 | 667,815 | 17.7 | |
都市防災施設整備事業費 | 6,468,219 | 5,818,954 | 649,265 | 11.2 | |
土地区画整理助成費 | 5,300,365 | 7,560,912 | △ 2,260,547 |
△ 29.9 | |
市街地再開発事業助成費 | 4,364,235 | 969,201 | 3,395,034 | 350.3 | |
臨海都市基盤関連街路整備費 | 1,040,888 | 416,538 | 624,350 | 149.9 | |
都市改造費 | 34,506,703 | 34,308,886 | 197,817 | 0.6 | |
ニュータウン事業費 | 874,436 | 1,419,729 | △ 545,293 | △38.4 |
(4) 第4項 建築行政費
建築基準法及び関係法令に基づく建築物の規制や民間建築物等におけるブロック塀等の安全対策、建設業者・建築士の指導、建築確認等の電子申請化に係る検討・運用、建築物における液状化対策の推進、脱炭素等に配慮した取組等、建築行政に要する経費を計上している。
また、災害に強い都市の実現に向けて、緊急輸送道路沿道建築物及び住宅の耐震診断や耐震改修等への助成のほか、耐震化総合相談窓口の設置や、耐震改修工法の紹介など、耐震化に向けた普及啓発に要する経費を計上している。
区分 | 令和5年度 | 令和4年度 | 増(△)減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
建築行政費 | 8,036,000 | 7,828,706 | 207,294 | 2.6 | |
管理費 | 1,254,779 | 1,208,068 | 46,711 | 3.9 | |
建築指導費 | 6,535,538 | 6,404,728 | 130,810 | 2.0 | |
建設業指導費 | 245,683 | 215,910 | 29,773 | 13.8 |
区分 | 令和5年度 | 令和4年度 | 増(△)減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
歳入 | 89,498,000 | 85,957,456 | 3,540,544 | 4.1 | |
分担金及負担金 | 9,715,586 | 5,961,440 | 3,754,146 | 63.0 | |
使用料及手数料 | 870,665 | 997,076 | △ 126,411 | △ 12.7 | |
国庫支出金 | 7,715,232 | 6,791,319 | 923,913 | 13.6 | |
財産収入 | 15,715,053 | 7,464,432 | 8,250,621 | 110.5 | |
繰入金 | 12,712,539 | 11,707,006 | 1,005,533 | 8.6 | |
諸収入 | 39,840,983 | 41,228,703 | △ 1,387,720 | △ 3.4 | |
都債 | 0 | 822,000 | △ 822,000 | △ 100.0 | |
一般財源 | 2,927,942 | 10,985,480 | △ 8,057,538 | △ 73.3 | |
歳出 | 89,498,000 | 85,957,456 | 3,540,544 | 4.1 | |
都市整備管理費 | 7,859,000 | 6,075,738 | 1,783,262 | 29.4 | |
都市基盤整備費 | 16,617,000 | 17,795,453 | △ 1,178,453 | △ 6.6 | |
市街地整備費 | 56,986,000 | 54,257,559 | 2,728,441 | 5.0 | |
建築行政費 | 8,036,000 | 7,828,706 | 207,294 | 2.6 |
3 特別会計予算
(1) 都市開発資金会計
都市開発資金の貸付けに関する法律(昭和41年法律第20号)に基づき、国から資金を借り受け、主要な道路・公園等の都市計画施設の用地等の先行買収に要する経費を計上している。
区分 | 令和5年度 | 令和4年度 | 増(△)減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
都市開発資金会計 | 7,115,000 | 7,513,000 | △ 398,000 | △ 5.3 | |
用地買収費 | 1,003,083 | 1,003,094 | △ 11 | △ 0.0 | |
一般会計繰出金 | 6,107,667 | 6,506,406 | △ 398,739 | △ 6.1 | |
公債費会計繰出金 | 4,250 | 3,500 | 750 | 21.4 |
(2) 臨海都市基盤整備事業会計
臨海都市基盤整備事業の経理を明確にするため、平成3年度に設置した。臨海都市基盤整備は、晴海地区、豊洲地区及び有明北地区において土地区画整理事業等により、広域的な都市基盤を整備するものである。
区分 | 令和5年度 | 令和4年度 | 増(△)減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
臨海都市基盤整備事業会計 | 1,584,000 | 1,401,000 | 183,000 | 13.1 | |
管理費 | 87,535 | 95,460 | △ 7,925 | △ 8.3 | |
開発費 | 1,496,465 | 1,305,540 | 190,925 | 14.6 |
4 公営企業会計予算
(1) 都市再開発事業会計
市街地再開発事業の経理をより明確にするため、平成14年度に設置した。泉岳寺駅地区の整備等に要する経費を計上している。
区分 | 令和5年度 | 令和4年度 | 増(△)減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
収益的収支(損益勘定) | |||||
収入 | 65,165 | 82,429 | △ 17,264 | △ 20.9 | |
支出 | 10,000 | 10,000 | 0 | 0.0 | |
資本的収支(資本勘定) | |||||
収入 | 2,936,424 | 7,075,223 | △ 4,138,799 | △ 58.5 | |
支出 | 2,944,000 | 7,078,000 | △ 4,134,000 | △ 58.4 |
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