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都市づくりにおけるHTTの先進事例について

 東京都で取り組んでいる、都市づくりにおける~HTT<電力をH減らすT創るT蓄める>~事例について紹介します。

【地区一覧】
淡色地図(国土地理院)を加工して作成

各地区における取組

1 内幸町一丁目地区

 事業者
:エヌ・ティ・ティ都市開発(株)、第一生命保険(株)、中央日本土地建物(株)、三井不動産(株)
 全体工期
:2023年度~2037年度以降
■地区の特色
  • カーボンニュートラル社会の実現を目指し、ICT技術を活用した高効率のエネルギーマネジメントシステムを導入する。
  • まちの中に、電力と熱供給をあわせて提供するエネルギーセンターを整備し、多様な複合用途の集積を生かした未利用エネルギーの活用など、エネルギーの利用を効率化するネットワークを構築する。
■イメージパース・位置図

へらす
  • ICT技術を活用した高効率エネルギーマネジメント
  • AI活用により人々の行動や感じ方等を予測し、空調や水使用量などエネルギー需給を最適に制御することで、人々への快適な環境の確保と環境負荷の低減を実現
  • 〇高効率の設備機器の導入等により省エネを推進
  • 人感センサーによる照明制御、全熱交換器※1の採用など高効率機器の導入や自然エネルギーの活用等による建物の省エネルギー化
※1
換気のときに給気と排気で熱の回収と交換を行い、外気と室内の急激な温度変化を防ぐことで、室内の空調負荷を減らすシステム
つくる
  • 複合用途の集積を生かした未利用エネルギーの活用
  • オフィスや住宅、ホテル、商業施設等の複合用途の集積を生かし、地域熱供給システムなどにおいて、街区内の排熱(給湯排熱、熱源機排熱、変電所排熱、ホテル排熱(浴室排水熱))等の未利用エネルギーを有効活用
  • 〇再生可能エネルギー・カーボンリサイクル技術の活用
  • 太陽光発電やCO2を活用した植物(藻等)の育成等によるバイオ燃料活用等
ためる
  • 面的なエネルギーネットワークの構築
  • 大容量の蓄電池や蓄熱槽等を活用したエネルギーセンターを整備することで、電力や熱の供給の一元化を行いエネルギー利用の効率化を行うとともに、平常時や電力ひっ迫時いずれにも対応できるようにすることで、再エネの主力電源化に貢献

※今後の詳細検討等により変更となる可能性があります。

■整備イメージ

「仮称)内幸町一丁目街区開発プロジェクト」より

2 品川駅北周辺地区

 事業者
:東日本旅客鉄道(株)
 全体工期
:2019年度~2025年度
■地区の特色
  • 品川開発プロジェクトにおいては、先進的な環境・エネルギー技術を取り入れたまちづくりを推進している。
  • 電力会社の電気を使わず、自社電源を活用し、さらに、多様な再生可能エネルギーや食品廃棄物を活用したバイオガス設備を導入していく。
■イメージパース・位置図
  • 東日本旅客鉄道(株)より
  • 令和3年6月29日「第19回東京都都市再生分科会」資料より
へらす
  • 〇高効率の設備機器の導入等により省エネを推進
  • 人感センサーによる照明制御
  • 全熱交換器による排熱回収※1の全面採用 等
※1
換気のときに給気と排気で熱の回収と交換を行い、外気と室内の急激な温度変化を防ぐことで、室内の空調負荷を減らすシステム
  • 〇熱負荷の低減
  • 断熱性の高い外装(熱の伝わりを抑えるガラス等)の採用
  • 外壁、屋根の高断熱化
  • 電力会社の電気を使わない
  • 自社電源の活用による電力会社の負荷軽減
つくる
  • 〇再生可能エネルギーの活用
  • 芝浦水再生センターと連携した下水熱などの排熱利用
  • 食品廃棄物をエネルギーに変えるバイオガス設備を整備
  • 風力、太陽光発電や太陽熱、地中熱の利用
  • 平成30年9月21日「第14回東京都都市再生分科会」資料より
ためる
  • エネルギーの面的利用
  • 複数街区を熱導管や電力線のネットワークでつなぎエネルギー融通
  • 〇蓄熱槽を活用したエネルギーマネジメント
  • 国内最大級の蓄熱槽等を活用した需給連携のエネルギーマネジメントを実現
【電力会社の電気を使わず、自社電力の活用イメージ】
【各街区間の熱・電力供給概念図】

3 虎ノ門・麻布台地区

 事業者
:虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合
 全体工期
:2019年度~2022年度
■地区の特色
  • コージェネレーションシステムと、蓄熱槽を有し高効率化を図る地域冷暖房施設により、平常時及び停電時いずれにおいても、エネルギーの安定供給を実現する。
  • 加えて、各棟のエネルギーマネジメントシステムを連携し、制御することで地域全体のエネルギー効率の向上に取り組む。
  • 気温に比べ「夏は冷たく、冬は暖かい」という下水の温度特性をいかし、下水道管から回収した下水熱を地域冷暖房システムの熱源の一部に利用する国内初の事例
■イメージパース・位置図



平成29年1月10日「第11回東京都都市再生分科会」資料より
へらす
  • 〇高効率の設備機器の導入等により省エネを推進
  • 高効率熱源機、排熱利用機器、高効率ファンの導入等
  • 一般的な建物共用部の省エネ対策のみならず、テナント専用部分への省エネ対策も実施(空調制御、照明制御)
  • 〇熱負荷の低減
  • 断熱性の高い外装(熱の伝わりを抑えるガラス等)の採用
  • 日射抑制ルーバーの採用
  • 〇エネルギーマネジメント
  • 電力逼迫時に「電力デマンドレスポンス」対応(消費電力の調整)を実施し、エリア内の電力消費量を削減
  • ICT(情報通信)技術を組み合わせ、エリア全体の設備を管理することで、地域全体の熱需要を予測し、熱源運転制御を最適化
  • 〇自然エネルギーの活用
  • 自然採光の活用
つくる
  • 〇再生可能エネルギーの活用
  • 下水道管内に熱交換器を設置して、下水熱を回収(排熱利用)
  • 太陽光発電の活用
ためる
  • 〇面的なエネルギーネットワークの構築
  • 地域冷暖房施設※1とコージェネレーションシステム※2を併設し、発電時の排熱の有効活用と街区間熱融通
  • 蓄熱槽を活用した、熱源機器の高効率運転
  • 蓄電池を活用した、デマンドレスポンス対応(蓄電池の放電により電力需要を減少)を検討
※1
一定地域に、プラントで製造した冷水、温水、蒸気等の熱媒を供給し、冷房、暖房、給湯等を行うシステム
※2
天然ガス等を燃料として発電し、その際に生じる排熱も同時に回収するシステム。回収した排熱を冷暖房・給湯などに利用
【下水道管からの下水熱利用のイメージ】
【下水の温度と気温の比較】

4 芝浦一丁目地区

 事業者
:野村不動産(株)、東日本旅客鉄道(株)
 全体工期
:2021年度~2030年度
■地区の特色
  • 最新の省エネ技術と再生可能エネルギーの導入等により、大規模複合開発におけるZEB Orientedを取得予定である。
  • また、新設する地域冷暖房プラントと既存の地域冷暖房プラントを熱導管により接続し、熱融通を行うことにより、地域全体のエネルギー供給効率向上や非常時のBCP強化に寄与する。
■イメージパース・位置図



平成29年8月24日「第11回東京都都市再生分科会」資料より
へらす
  • 〇高効率の設備機器の導入等により省エネを推進
  • 事務所用途において、ZEB Oriented※1を取得予定(省エネ40%)
※1
オフィス用途の延床面積が30万㎡を超える建築物では国内初
  • 大型エアフローウィンドウ※1、ハイブリット(放射+対流)空調※2の導入 等
※1
ブラインドを内蔵した二重ガラスの間に空気を流すことで、夏季は日射熱をカットし、冬季は窓面の冷えを防止
※2
天井面に冷温水を通し、天井面全体を冷やしたり温めたりすることで、快適で均一な室温を実現する空調システム
  • 〇熱負荷の低減
  • 高性能外装(熱の伝わりを抑えるガラス等)の採用
  • 外壁、屋根の高断熱化
  • 〇エネルギーマネジメント
  • BEMS※1を導入し、エネルギー消費量を最適化
※1
Building and Energy Management Systemの略で、室内環境とエネルギー性能の最適化を図るための全体管理システム
  • 〇自然エネルギーの活用
  • 外気冷房
つくる
  • 〇再生可能エネルギーの活用
  • 太陽光発電
ためる
  • 〇面的なエネルギーネットワークの構築
  • 地域冷暖房施設(DHC)※1にコージェネレーションシステム※2を設置し、コージェネレーションシステムの排熱を有効活用
  • 既存地域冷暖房施設へも熱融通することで、地域全体でのエネルギー消費を最適化
※1
一定地域に、プラントで製造した冷水、温水、蒸気等の熱媒を供給し、冷房、暖房、給湯等を行うシステム
※2
天然ガス等を燃料として発電し、その際に生じる排熱も同時に回収するシステム。回収した排熱を冷暖房・給湯などに利用
【面的なエネルギーネットワークのイメージ】

5 大手町地区(D-1街区)

 事業者
:三菱地所(株)
 全体工期
:2017年度~2027年度
■この地区の特色
  • 高層気象を活用した発電・空調、地下インフラ施設の排熱の再利用等、計画建物の高さや街区の特徴をいかした自然エネルギーの創出、熱負荷の低減に取り組む予定の計画である。
  • また、地域冷暖房のメインプラントを整備し、街区間の熱融通を可能にするなど、エネルギーの面的活用に取り組み、街区の内外での省エネルギー性を一層強化する計画である。
■イメージパース・位置図



令和2年9月4日「第18回東京都都市再生分科会」資料より
へらす
  • 各種制御技術の導入等により省エネを推進
  • 照度センサーによる照明制御
  • ビルと地域冷暖房施設※1が一体となり、最新の学習型熱源最適制御システムを導入
※1
一定地域に、プラントで製造した冷水、温水、蒸気等の熱媒を供給し、冷房、暖房、給湯等を行うシステム
  • 〇エネルギーマネジメント
  • BEMS※2を導入し、エネルギー消費量を最適化
※2
Building and Energy Management Systemの略で、室内環境とエネルギー性能の最適化を図るための全体管理システム
  • 〇高層気象活用による空調負荷の低減
  • 屋上の清浄かつ冷涼な空気の活用
  • 〇自然エネルギーの活用
  • 自然換気の採用
  • 外気冷房の採用
つくる
  • 〇再生可能エネルギーの活用
  • 超高層を活用した発電システムの構築(太陽光、水力、風力)
  • 街区内のビル排熱や下水ポンプ場からの排熱等の活用
ためる
  • 〇エネルギーの面的利用
  • 地域冷暖房施設内に冷・温蓄熱槽を整備し、未利用熱を街区で活用、需給連携のエネルギーマネジメントを実現
  • 地域冷暖房施設(DHC)とコージェネレーションシステム※3を併設し、発電時の排熱を街区間及び地域全体で有効活用
※3
天然ガス等を燃料として発電し、その際に生じる排熱も同時に回収するシステム。回収した排熱を冷暖房・給湯などに利用
【風力、水力発電等の整備内容イメージ】

令和2年9月4日「第18回東京都都市再生分科会」資料より

6 晴海五丁目西地区(選手村跡地)

 事業者
:東京都、中央区、エネルギー事業者(東京ガス(株)、晴海エコエネルギー(株)、ENEOS(株)、(株)東芝、東芝エネルギーシステムズ(株)、パナソニック(株))、特定建築者(三井不動産レジデンシャル(株)、エヌ・ティ・ティ都市開発(株)、日鉄興和不動産(株)、住友商事(株)、住友不動産(株)、大和ハウス工業(株)、東急不動産(株)、東京建物(株)、野村不動産(株)、三井不動産(株)、三菱地所レジデンス(株))
 全体工期
:2017年度~2024年度供用開始(予定)
■この地区の特色
  • 都は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「大会」という)の選手村の整備と大会後の新たなまちづくりを進めるため、平成28年4月、晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業に着手し、着実に事業を進めてきた。令和3年には、大会において選手村として使用した。
  • 大会後は、都心から近く海に開かれた立地特性を生かして、子育てファミリー、高齢者、外国人など多様な人々が交流し、生き生きと生活できる、大会のレガシーとなるまちづくりを進めていく。
  • 加えて、水素をまちのエネルギーとして先導的に導入するなど、環境先進都市のモデルとなるまちの創出に向けて、取組を推進していく。
■イメージパース・位置図(水素供給図)

©晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業特定建築者
へらす
  • 〇未利用エネルギーの活用
  • 清掃工場の排熱を区施設で有効活用
つくる
  • 〇再生可能エネルギーの活用
  • 太陽光発電の活用
  • 〇家庭用燃料電池(エネファーム)
  • 分譲住宅の全住戸専有部にエネファームを設置(エネファームで発電した電力を、蓄電池が自動で充電・放電しピークカットを実施。停電時には蓄電池から電力供給を受けることで自立起動して発電可能
  • 〇水素の製造・街区供給
  • 本地区に整備する水素ステーションにおいて水素を製造
  • 製造した水素をパイプラインで各街区へ供給し、純水素型燃料電池で発電した電力を住宅棟共用部等で活用
ためる
  • 〇再エネ余剰電力の蓄電などをエネルギーマネジメントで活用
  • AIを用いたエネルギーマネジメントにより、太陽光発電、純水素型燃料電池、蓄電した再エネ余剰電力を組み合わせて共用部の系統電力のピークカットを実施
  • 〇FCV(燃料電池自動車)に充填した水素を非常時に活用
  • 水素ステーション内や街区内のカーシェア用FCV(燃料電池自動車)を非常用電源として携帯電話の充電や炊き出し等に活用
■エネルギー整備計画のイメージ

お問合せ先

内幸町一丁目地区
都市づくり政策部土地利用計画課 電話 03-5388-3318(直通)

品川駅北周辺地区
虎ノ門・麻布台地区
芝浦一丁目地区
大手町地区(D-1街区)
都市づくり政策部開発企画課 電話 03-5388-3337(直通)

晴海五丁目西地区(選手村跡地)
市街地整備部再開発課 電話 03-5320-5460(直通)