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横田飛行場の返還・民間利用知事発言

平成11年第二回都議会定例会 知事所信表明(平成11年6月29日)

 先日、私は、知事になって初めて横田飛行場を視察してまいりました。横田の飛行場は、都民の平穏で安全な生活を守るとともに、多摩の振興を図る上で極めて重要な地位にあります。このため、横田飛行場が我が国に返還されることを基本としつつ、返還までの対策として、地元自治体等とも連携を図りながら、民間航空機が就航できるよう国に強く求めてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成11年第二回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成11年7月6日)

 横田基地の返還についてでありますが、基地対策については、整理・縮小・返還が基本であり、返還が最終目的であることは当然であります。
 ただ、返還までの対策として、あくまでも中継基地である、中継基地でしかない横田の基地への民間航空の就航を進めていくことは、首都圏だけではなしに、日本全体の空からのアクセスを拡大することで、私はいい結果になると思っております。
 実は私は、議員のときにこの問題に取り組んでおりまして、当時の埼玉県の畑知事と、それから神奈川県の長洲知事に面談しまして、埼玉県は、埼玉県に国際空港をつくれなんていうことをいってましたが、それもなかなか百年河清を待つ話であるから、畑さん、横田の返還、共同使用にひとつ賛成してほしいと。そしたら快諾していただきました。また、長洲知事も、同じ申し込みをしましたら、結構ですということで、それを鈴木知事に取り次ぎまして、鈴木知事は最後の選挙のときに、これを公約に入れて戦われました。
 そういういきさつもございますし、あのときは、何か政府がぐずぐずしていましたので、民間の航空会社でワーキンググループをつくりまして、いろいろ検討しましたら、アメリカ軍の中にもワーキンググループができまして、あるところまで話が行ったんです。これ以上のことは、これからの交渉に差し支えるからここでは申しませんが、私は必ず可能性があると思います。
 いずれにしろ、これは最後は国の仕事であります。ただ、よく私がこのことに付言しますと、知事のくせに何をいっているかといわれますが、私は、沖縄返還交渉のときもずっと陰でいろいろ勉強しました。陰の推進者であった賀屋興宣先生にも私淑しておりましたし、佐藤総理が非常に信頼して任せていた賀屋さんが、実に見事に国の内外の世論というものを形成していき、アメリカのシンクタンクなども使いまして、あの結果を得たわけでありますが、国にバトンタッチする前の仕事としては、知事のレベルですることがたくさんございます。
 それは、ペンタゴンに行って横田返してくれというシュプレヒコールをすることではなくて、アメリカの横田に関心のある知事であるとか企業であるとか、そこから出ている議員さんたちと話をすることで、アメリカの世論も必ずできていくと思いますし、既に半分結果を見かかったことでありまして、これはぜひ、限られた地域の方々にはまた新しい問題になるでしょうが、しかし、私は、環境庁のときと運輸省のときに、伊丹の問題でいろいろ苦労といいますか、かかわりました。
 とにかく、その結果、いろいろ苦情も何もございましたが、しかし、伊丹空港は今依然として残っておりますし、あれが残っていることで、地域も非常にその恩恵に浴しているし、関西地域の非常に大きな便宜になっていることは否めません。
 今後は、地元及び周辺自治体等とともに、十分話を進めながら、連携を図りながら、最低、民間航空機の就航の実現について、国に強く求め、また国にも動いてもらう段階に取りつけたいと思っております。

(比留間 敏夫都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

 横田基地返還についてでありますが、基地対策については、整理・縮小・返還が基本であり、返還が最終目標であります。特に、横田基地の返還については、都民の平穏で安全な生活を守るとともに、多摩地域のまちづくりを推進する上でぜひとも必要であります。
 今後、都民や国民の要望を背景として、都議会の協力も得ながら、世論を高め、横田基地返還について強く国に働きかけていきますが、それまでの間は、私は最低、共同使用の実現を目指していきたいと思っております。
 さらに、横田基地の軍民共同使用についてでありますが、地方自治体や住民の間にさまざまな意見があることは十分承知しております。今後、騒音対策や産業・雇用創出のための効果、あるいはまちづくり等についてのさまざまな調査などを実施し、それらの情報を通じて、地元及び周辺住民の理解を求め、さらにもっと大幅な世論というものを喚起することで、その整備が終わりましたら国にバトンタッチをするということを行っていきたいと思います。
 ともかく、広い視野から世論を喚起して、横田の共同使用については強く国に働きかけていきたいと思っております。どうかこの問題については──既存の伊丹が、関西空港が建設されることが決まりましたときに、一時取りつぶしになりかかりました。ちょうどあのとき運輸大臣をしておりましたが、結果、それならそうしましょうかということで、逆に、経済効果というものをしんしゃくして、周りの市町村の方々がむしろ、これを現況のように保持したいという意向で、飛行場として存続しておりますけれども、こういった問題もひとつぜひ地元の方々も参考にして、地元の意見というものもひとつまとめていただきたいと思うわけであります。

(木村 陽治都議会議員(共産党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

 横田基地の返還についてでございますが、横田基地の返還は、都民の平穏で安全な生活を守るとともに、多摩地域のまちづくりを推進する上でぜひとも必要であります。どだい、先進国の中で、首都の中にあれだけ膨大な基地を持っている国というのは日本しかない。日米関係はいろいろ解釈もありましょうが、私は、あれがただのロジスティックベース、つまり兵たん基地、中継基地である限り、これは日本の主体性、日本のイニシアチブで使うべきものだと思っております。
 そのためには、返還が妥当だと思いますが、いずれにしろこれは外交の問題でありまして、国の専管事項でありますが、先ほども質問でお答えしましたけれども、やはり知事は知事のレベルですべき仕事がありまして、それが積み上げられていかないと国も動かないと思いますから、その段階の努力を私自身したいと思っております。
 さらに、この横田基地の軍民共用化でありますが、騒音対策、いろいろ苦情もあるでしょう、懸念もあるでしょう。しかしまた、もっと大きな目で眺めますと、あそこが第三空港として、民間機、軍用機が共用できるということになれば、いろんな便宜、いろんな経済波及効果があると思います。これは、これからもっと大幅な討論にさらして結論を得たいと思います。
 横田基地の軍民共用化に関しての、現地の周辺自治体とのかかわりでございますが、今後、騒音対策や、産業あるいは雇用の創出効果、まちづくり等について総合的な調査などを早急に実施し、それらの情報提供をしながら、地元及び周辺住民の理解を深めていきたいと思います。
 なお、横田基地への民間航空機就航実現のために、地元並びに周辺自治体等とも十分話し合いを進め、連携を図りながら、さらに広い視野からも世論も喚起し、その結果、国へ強く働きかけていきたいと思っております。

(中山 秀雄都議会議員(公明党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

 横田基地軍民共用の実現についてでございますが、東京がアジアの中心的都市として地位を維持していくためには、何といっても外国との交流、外国からのアクセスというものが──当然、船もあるでしょうけれども、何といっても空港の機能の充実が不可欠でありまして、現況、三千三百万の膨大な人口を抱えている首都圏に、実質的に国際線の滑走路が一本しかないというのは、これはもう信じられない現況でありますが、これが二十年続いてきているわけで、まあ、羽田もようやく滑走路もふやしまして、これから沖合展開の可能性もさらにございますが、これも国際化することも必要でありますけれども、加えて、まだまだ需要が満たされません。現に、新しい三十五カ国が日本への乗り入れを期待しながら待たされているわけで、そういった需要も満たすために、私は、やはり、ほとんど使ってない横田の基地を、有事はこれは仕方ありませんけれども、平和時には、アメリカの軍の使用と重ねて、世界全体の民間機が使用するということは、アメリカとの関係のためにも、アメリカまた世界に対する関係でも、私は結構なことだと思います。
 そういった点を踏まえて、広い視野から世論を喚起し、横田基地の共用化の実現に向けて取り組んでいくつもりでございます。当然、今後、地元及び周辺自治体とも連携を図りつつ、民間航空機就航の実現について国に求めていきたいと思います。

(山本 賢太郎都議会議員(民主党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

 横田基地の共同使用に関する具体的な情報提供等の条件整備についてでありますが、繰り返して申してきましたように、横田基地への民間航空機の就航を実現していくためには、あくまで地元及び周辺自治体等を初めとする広い視野から世論を喚起し、それを束ねて国へ働きかけていくことが必要だと思います。
 今後、騒音対策や産業・雇用創出効果、それに付随したまちづくり等についてはさまざまな調査を早急に実施して、それらの情報を提供し、地元及び周辺住民、ひいては都民、国民の理解を深めていきたいと思っております。

(島田 久都議会議員(民主党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成11年第四回都議会定例会 知事所信表明(平成11年12月1日)

 横田基地の軍民共用化による効果や影響などを分析した、調査結果を公表いたしました。二〇一五年の横田飛行場の民間航空需要は、年間約二万便と予測され、その場合の騒音影響範囲は、今回の推計では、米軍機の騒音が最大値となるケースと重ねても、現在既に設定されている防音対策の区域を越えないものと考えられます。経済効果は、生産誘発額が約千四百億円、雇用誘発が約八千三百人と推計されます。
 また、先月には、横田基地の民間利用を考える会を発足させました。軍民共同利用のあり方と、それに伴う環境への影響、多摩地域の都市づくりに及ぼす効果、産業や雇用への波及など、幅広い視野から継続的に協議を行い、世論喚起のための諸活動を展開してまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成11年第四回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成11年12月8日)

 横田基地の軍民共用化の取り組みでありますが、横田基地への民間航空機就航実現のためには、地元並びに周辺自治体等とも十分に話し合いを進めることが必要だと思います。
 十月末に開催いたしました地元五市町との協議会の際にも、民間利用について意見を交換いたしました。
 なお、横田基地の民間利用を考える会では、航空需要や経済効果の面だけではなく、騒音などの環境面についても幅広く議論をしていくつもりでございます。

(藤沢 志光都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成11年第四回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成11年12月9日)

 横田基地返還運動のアンケートの結果についてでありますが、これからもいろいろなアンケートをいろいろな範囲で行うでありましょう。
 いずれにしろ、戦後長年にわたる基地の存在から、安全性や騒音等の地元への影響があったことは確かであります。しかし、これらの軍用機の飛行と、今、今回想定している民間航空機の就航には、その航路あるいはエンジンのもたらす騒音等、大きな相違点があり、この点について理解を求めていくことが必要であると考えております。
 次いで、東京都の調査結果についてでありますが、さきに公表した横田基地に関する調査報告書は、横田基地の共用化について広くご議論いただくための基礎的データを示したものです。
 この調査の中でも、民間機と軍用機の騒音影響の違いに基づき、民間航空機が就航した場合の騒音影響を予測してもおります。
 今後も、横田基地への民間航空機就航のために、幅広い観点から必要な調査を継続して行うとともに、騒音対策など環境面について広く議論をしていくつもりでございます。
 軍民共用化と基地被害についてでありますが、これまで、基地に起因する事故の防止などについては、地元五市一町とともに国及び米軍に対し要望してまいりました。
 今回、共同使用を考えている民間航空機の就航については、既に法令等によりさまざまな騒音対策や安全上の措置が講ぜられております。
 今後、共用化に当たっては、これらの点も踏まえ、さらに専門家や業界の意見も聞いてまいりたいと思っております。
 次いで、早期全面返還についてでありますが、基地対策については、整理・縮小・返還が基本であり、都としての最終目標はあくまでも横田基地の返還であります。
 今後とも、都民や国民の要望を背景として、都議会の協力も得ながら、世論を高め、横田基地返還について強く国に働きかけていくつもりでございます。
 返還までの対策として、首都圏の航空需要や地元の振興に資するため、横田基地の共同利用を促進していくつもりでございます。
 ちなみに、さきの入間の航空自衛隊の事故は、これは市街地に飛行機の墜落を防ぐため、彼らはいわば殉職として入間川に、自爆に近い行動をとった。私はそれを軍人としての崇高な使命の遂行として高く評価いたしております。

(浅川 修一都議会議員(共産党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成12年第一回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成12年2月29日)

 横田基地の返還を米側に求めることについてでありますが、横田基地についての都の最終目標は、あくまで返還であり、今後とも、都民や都議会と協力しながら、国に対して返還を求めてまいります。
 返還までの対策として、首都圏の航空需要や地元の振興に資するためにも、横田の軍民の共同利用の促進について、内外の世論を形成、喚起しながら、国への働きかけを強化してまいります。

(秋田 かくお都議会議員(共産党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成12年第四回都議会定例会 知事所信表明(平成12年12月1日)

 横田飛行場に関しては、十月に開催した第三回横田基地の民間利用を考える会において、ワールドカップ期間中の共同利用を働きかけることで意見がまとまりました。先月には、地元の経済団体から、民間航空利用の早期実現のために世論を喚起することやアメリカ政府へ要望を伝えることを要請されました。また、横田基地周辺の自治体とは、基地の整理・縮小・返還について、今後協議していくことを合意しております。
 しかし、ワールドカップの開催と同じ時期に横田飛行場の滑走路の全面大改修が予定されるなど、相手のガードにはなかなかかたいものがあります。返還を最終的な目標に置きながら、あらゆる手だてを講じてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成12年第四回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成12年12月7日)

 特に、横田飛行場の民間航空利用については、地元や関係機関などの理解と協力を求めながら世論を喚起するとともに、国に対し、日米間の合意を得るなどの引き続き必要な措置を強く求めてまいりますが、肝心の外務省が腰が引けて――引けているか、抜けているかわかりませんが、この問題に余り関心を示さない。残念でありますけれども、じかに総理なり関係者に私からも説得をしていきたいと思いますが、ちなみに、横田が仮に第一ステージとして共用という形になりましても、あんな遠いところという人がいますが、しかし、広島、岡山の新空港というのは、広島、岡山のダウンタウンから車でも一時間ぐらいかかります。これに比べれば、横田の飛行場は既に電車が通っておりますし、新しくできましたモノレールをわずかに横に延伸するだけで立派なアクセスになりますから、そういうことの認識も、東京の政治家だけじゃなしに国全体が持つことで、あの膨大なスペースのユーティリティーというものを考えてもらいたいと思っております。

(山﨑孝明都議会議員(自民党)に対する知事答弁   都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成12年第四回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成12年12月7日)

 次いで、横田飛行場についてでありますが、都の最終目標は返還であり、これまでも、そのための必要な措置を国に求めてまいりました。
 返還までの対策として、首都圏の空港機能を補完し、多摩の振興を図るために、横田飛行場の民間航空利用の実現について国に働きかけてまいりましたが、国からは確たる返事もございません。今後も、これらの目標を実現するために、あらゆる手だてを講じていくつもりです。 
 また、周辺地域における実態調査や、それに基づく対策については、本来は国が実施すべきものでありまして、引き続きその実施を国に強く求めてまいります。

(渡辺康信都議会議員(共産党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成13年第三回都議会定例会 知事所信表明(平成13年9月9日)

 首都圏の空のアクセスは、新宿から30キロの距離にあり、交通網も既に整備されている横田飛行場を利用できれば、格段に向上いたします。横田飛行場は、当面の措置として、軍民共用化することを建言いたします。先の訪米では、国防総省、国務省の要人の多くと面談し、今後の日米関係を基軸に横田飛行場についての考えも説明いたしました。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成13年第四回都議会定例会 知事所信表明(平成13年12月4日)

 アメリカ軍が保有する横田飛行場では、滑走路の大規模な改修工事が、ワールドカップを前に既に実施されており、同時多発テロに対する軍事行動が始まって以降も、工事は継続されたままであります。アメリカ軍にとって、有事の際も横田飛行場の機能がすべて必要となることはなく、戦略上、横田飛行場の比重は極めて低いことが、図らずも明らかになりました。
 本来なら、こうした実体を見逃すことなく返還交渉の材料とするのが国の役割でありながら、鈍感な国は、一片の関心も示さず、これまでも、アメリカとは、現状の打開に向けた議論すら行おうとしませんでした。せめて東京都は、関係する市町村とともに、現地の最高責任者である司令官と直接対話をしたいと考えております。率直な意見交換を重ねることが、お互いの立場や主張を認識することにつながり、それが将来、大きな果実をもたらすことになると思います。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成14年第一回都議会定例会 知事施政方針表明(平成14年2月20日)

 横田基地の問題では、民間利用のあり方について、4回にわたり有識者と会議を持ち、多くの有意義な意見をいただきました。今後は、地元も含め、意見を集約しながら、日米の政府へ働きかけを強めていきたいと考えております。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成14年第一回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成14年2月27日)

 党派を超えて、この国を思うなら、この横田のユーティリティーについて、ひとつご理解をいただきたい。
 これがもし共同使用が最初の段階としてできるようになりましたら、もちろん騒音対策その他いたしますが、先ほど質問の中にありましたけれども、あそこには中央線から分岐した青梅線、八高線、そして西武拝島線、そして横を通っている多摩モノレールをちょっと分岐したら、飛行場の北側に新しいアクセスができるわけでありまして、これを活用し、私が強引に成田エクスプレスをつくったときに、かなり迂回した線路でありますけれども、とにかく東京から一時間を切った形で、ダイヤグラフを含めやりましたら、できました。
 この伝でやれば、恐らくあの飛行場に特別の急行をある間隔で走らせれば、東京駅から四十分足らず、新宿からは二十分ちょっと、非常に速く行ける。こんなダウンタウンから間近な空港というのは、例えば、新しい岡山の飛行場、広島の飛行場、熊本の飛行場、ダウンタウンから一時間以上かかるんです。
 そういう点では、三多摩の方々だけじゃなしに、これは本当に隣の山梨県、埼玉県その他が非常に潤うことでありまして、私、鈴木さんが金丸さんに意地悪されて、自民党が突き放したときに、東京の都連だけは鈴木さんを擁立してやりましたが、そのときに私は、勝手に動きまして、時の埼玉県の知事の畑さんと神奈川県の長洲さん、ともに社会党系の知事ではありますが、この方々に諮って、相談しましたら、喜んでやろうということで、私はそれを鈴木さんに取り次ぎまして、改めてあの人の公約に加えてもらって、私はそのゆえんで鈴木さんを支持しました。
 それっきりこの問題はどこかへ行っちゃって、もっと詳しいいろいろ内情があるんですが、いずれにしろ、アメリカと日本側に両方とも、この共同使用についてはワーキンググループができたのに、あることでとんざした。その経過の後に、今、この問題があるわけでありまして、いずれにしろ、空港は、国家の玄関として、人と情報の国際的なネットワークにおける最も重要な拠点であります。
 そしてまた、日本の首都の東京の空港容量は逼迫しておりまして、再三申しましたように、あと三年たったら、国際線の主要路線は、全部フルブッキングになって、乗りたいときに乗れません。これは、どうしてもその日にその飛行機に乗りたいと思ったら、アメリカがやっているみたいにオークションにかけて、切符を持っている人から競り落とさなくちゃいけない。国内線も、あと七年たったらこうなります。わかっていながら、何にもしてこなかった。
 いまだに国には、国威というものを保ち、国力を保つための空港の意味についての認識がないから、大蔵省がまたばかみたいに、東京がいい出したんだから、羽田の再拡張をするなら東京も半分金出せみたいなことをいっていますけれども、国家の力学、そういうものに対して全く意識がないというか、白痴的な認識でしかないので、本当にそら恐ろしい話でありますが、いずれにしろ、その羽田の再拡張を含む主張もそういうことからやったわけでありまして、これはいずれにしろ、早急にこの問題を進める必要が、国家のため、東京のためにあると私は確信しております。
 ということで、ひとつ議会の皆さんのご理解もいただきたい。今後、外国との交渉も、外務省はきちっと動きませんから、私自身がやります。あるところまでいったら国に引き渡しますけれども、その前にやっぱり総理以下、少なくともどれだけ続く政権か知らないけれども、国を預っている間、国の政府を主宰する、今は三党が構成していますけれども、この方々にも、この問題についての強い認識を持っていただきたい。これはちょっと順番が逆になったかもしれないけれども、そういう意味で私は東京からいい出した。羽田の再拡張も含めて、航空問題についての東京の主張をしているわけであります。

(林田 武都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成15年第二回都議会定例会 知事所信表明(平成15年6月24日)

 かねてより主張してまいりました横田基地の軍民共用化については、五月に開催された日米首脳会談の場で、実現可能性を検討することが合意をされました。大きな岩がようやく動き始めたと感じております。軍民共用化は日本経済の再生、ひいては国力の回復につながるものでありまして、今後は、実務レベルでの協議を早急に開始し、国が主体的に取り組むことを強く要求してまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成15年第四回都議会定例会 知事所信表明(平成15年12月2日)

 足かけ5年にわたり取り組んできた横田基地の軍民共用化について、先日、ハワイにおいて、横田基地の指揮権を持つファーゴ・アメリカ太平洋軍司令官と会談し、今後の具体的な協議に向けてお互いの理解を深めることができました。これにより、事態を大きく前進させることができたと思います。既に、都と国の関係省庁による連絡会の設置が決まっておりまして、年内にも実務レベルの協議を始める予定であります。首都圏の逼迫した空港需要に対応するため、羽田空港の再拡張とともに、横田基地の共用化を一日も早く実現させたいと思います。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成15年第四回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成15年12月10日)

 次いで、ファーゴ司令官との会談についてでありますが、本年度の五月の日米首脳会談におきまして、事前に総理からも電話がありましたが、外務省に連絡するとまたごたごたするんで、自分が直接やるということで、いきなりこの問題が出されて、首脳の合意を得ました。これは、日本側の受け取り方とアメリカ側と大分違いまして、いずれにしろ、両国の首脳の合意であるということで、これは一足飛びに急転直下、アメリカ側では国務省を飛び越して、国防総省の問題になりました。そういうところで都の高瀬参与が活躍してくれまして、しげしげ現地の司令官とも会っていろんな話をしておりましたが、むしろそちらの方のいろいろ具体的な話し合いの方が進みまして、肝心のそのファーゴ総司令官が実態を掌握し切れてないというそういうギャップもありまして、そこで、ぜひ会って話をしたいというオファーがございました。
 まあそういうことで面談いたしましたが、非常に長時間話しましたけれども、その事前に、もう既に出発前に、官邸の方も、この問題に対してちゅうちょしていた外務省を督励しまして、外務省からも代表が出まして、関係の国交省、法務省、経済産業省、そして防衛庁、防衛施設庁、外務省、官邸ということで、二橋副官房長官がチェアマンになった連絡会が立ち上がりました。今後、共用化に本格的に取り組む日本側の体制ができたわけでありまして、こうした動きを背景に、横田基地の指揮権を持つファーゴ司令官と会いまして、経過の説明と今後のこちら側の要求についても話をしたわけであります。
 今回の会談によって、今後の具体的協議に向けてのお互いの理解を深めることができました。事態は大きく動いていくことと存じます。
 また、その連絡会の今後の進め方についてでありますが、関係省庁と東京都を核に据えた連絡会ができたことは、共用化を軌道に乗せる上で非常に大きな前進だったと思います。連絡会は近々、今月中に一回目の会合を開催いたしますが、今後、連絡会による事務レベルの検討を踏まえまして、アメリカ側と協議を進めることになりますが、その際、都は、現場の状況を十分に踏まえた協議が可能となるように、地元地方自治体の立場から、国や米軍をつなぐコーディネーターとしての役割を果たして、共用化の早期実現を目指していきたいと思っております。
 次いで、地元との調整でありますけれども、周辺の都市だけではなくて、米軍側からもいろいろな要望があります。
 共通したのもございますが、駐車場の整備であるとか、そのスペースの確保であるとか、あるいは幹線道路の拡幅であるとか、あるいは新しいアクセスの可能性についてでありますとか、いずれにしろ、国が責任持って進めるべきものでありますけれども、地元の理解と協力は肝要でありまして、それを踏まえて、都としても、連絡会を初めとする国との協議の進捗状況を踏まえながら、そういった共同使用にかかわる社会資本の整備を、これまた関係省庁と連携しながら取り組んでいきたいと思っております。
 騒音に関しましては、ご指摘のとおり、地元の方々に体験していただき、正確な数値もはかりまして、環境問題としての対処をすべきであると思っております。ご指摘の点も含めまして、実現のための有効な手だてについて、今後、国とも検討して事を進めていきたいと思っております。

(倉林 辰雄都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成16年第一回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成16年3月4日)

 横田基地軍民共用化を進めるための地元の理解と協力についてでありますが、これは本当に自明、当然のことでありまして、地元の理解、協力なくては実現のできるプロジェクトではございません。横田基地の共用化は、首都圏の逼迫する航空需要にこたえることを目的としておりますが、その実現に当たっては、空港アクセスの確保策や騒音影響への対応など、地元と密接にかかわりのある課題への対応が必要だと思います。
 しかし、これは新規に成田をつくるようなケースと違いまして、既にあそこに日本最長の滑走路がほとんど使われずにあるわけでありますし、また、燃料搬入のための鉄道も基地の中に入っておりまして、そういったものを多角的に活用すれば、非常に便利な空港もでき上がるでしょうし、また、その需要に応じてのアクセス、道路を含めた整備というものも必要になってくると思います。
 今後、地元の理解と協力を得ながら、国と連携して課題解決に取り組み、できるだけ早期の共用化を目指したいと思っております。

(林田 武都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成16年第二回都議会定例会 知事所信表明(平成16年6月1日)

 飽和状態に近い現況を打開するために、羽田空港の再拡張・国際化と横田飛行場の共用化が喫緊の課題となっております。
 羽田空港については、今年度からいよいよ具体的な事業が開始されます。先週、飛行ルートの修正案が国から提案され、着工に向けて大きな前進が見られました。都の主張も踏まえ、首都圏全体としての騒音影響を低減させるよう工夫・検討された案であると思います。引き続き、一日も早い事業完成を目指して、国、関係自治体と協力して取り組んでまいります。
 都が端緒をひらいた横田飛行場の共用化は、3回にわたる都と関係省庁との連絡会を経て、実現に向け動き出しております。今後都は、国と連携し、米国との協議の促進に努めるとともに、周辺の基盤整備や騒音への対応などにも取り組んでいきます。地元自治体の理解と協力を得ながら、早期実現を目指してまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成16年第三回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成16年9月28日)

 米軍再編の動きの中、いわゆるトランスフォーメーションの中で、米空軍は主要な機材を既にグアムに移しておりまして、横田基地の平時における軍事的な比重はほとんどもう低下しております。この機をとらえ、返還に向けた第一歩として、米側に軍民共用化を迫ることが必要であると思います。
 さきにテキサス州での小泉総理、ブッシュ大統領のサミットの会談の中で、前日にも電話がかかってまいりましたが、外務省を通すと事がごたごたするだけで、自分がじかにこれを持ち出すということで、サミットの主題になりまして、ブッシュ大統領もこれを了承した瞬間、これは、アメリカ側では国務省を飛び越して国防省のマターになって、向こうの司令官が具体的にアプローチをしてくるような進展を見せましたが、だめなのは日本側でありまして、先般も、実は、軍民共用した後の、東京側がこれをいかに使うかというコンセプトを示してほしい、それは東京に依頼がありましたので、日本側の案として出しまして、それに対する回答が、米軍として出しているのに、回答など来てないということを、外務省はうそをつく。この間、どうもらちが明かないので、防衛庁の事務次官を呼びまして話しましたら、いや、来てますよということで、来てることは確かですけれども、私も詳細は知らない。つまり外務省は、何かこの問題のイニシアチブを東京都がとったことがこけんにかかわるのかどうか知りませんが、いずれにしろ、そのトランスフォーメーションの大きな動きの中で、これは一回棚上げして先送りしようというのがどうも基本的な姿勢のような気がしますので、これはもうけしからぬ話でありまして、今後も官邸を通じてプッシュしまして、トランスフォーメーションはむしろ、内容をいろいろ検討しますと、横田の返還にも通じる大きなきっかけになると思いますので、東京都としても積極的に動いていくつもりでございます。

(比留間 敏夫都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成16年第三回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成16年9月29日)

 在日米軍の再編、いわゆるトランスフォーメーションについてでありますが、世界的な米軍再編の動きの中で、米空軍はグアムに戦略拠点を移動しておりまして、重要な機材はほとんど横田からグアムに移っております。ゆえにも、平時における横田基地の軍事的な比重は低下しておりますし、言葉をかえていえば、横田が今まで以上に込み合うということはあり得ません。この機をとらえて、返還に向けた第一歩として、米側に一刻も早く軍民共用を迫ることが必要であると思っております。
 しかし、ハンチントンの申しました文明の衝突のごとき対立というものが、イラクでの戦争を、あるいはパレスチナの問題を起点にして、中近東からアジアにかけて拡散しているわけでありますが、そういう状況の中でも、米軍にとって日本における戦略基地というものは、今まで以上に、むしろ冷戦構造のとき以上に重要な意味と価値を持つようになっていると思います。ゆえにも、この際日本は、米側に堂々と我が国の具体的な要求を主張すべきだと思います。
 しかし、どうも国の動きを見ておりますと、国益を考えたそうした総合的な戦略が見受けられません。今度政府のスタッフもかわりましたし、相手をとらえて、改めてこの問題についての東京の立場といいましょうか、東京が認識している国益というものを主張して、政府にもうちょっと積極的に、まず第一段階として横田基地の軍民共用化への取り組みを進めるよう迫るつもりでございます。

(吉原 修都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成16年第四回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成16年12月9日)

 まず、横田基地の軍民共用化の進め方についてでありますが、昨年の五月に、小泉総理がテキサスでブッシュ大統領と会談した折に、前日にも電話がありまして、外務省を介在させずに自分が自分の責任でこの問題を持ち出すということで、ブッシュもそれを受けとめて、わかったと。これは、この日米間の国家対国家のこれからの問題の一つとして自分は認識したという答えがありました。
 以来、アメリカ側では非常に大きな変化がありまして、国務省マターを飛び越して国防総省の問題になりまして、そういう点、非常にアメリカは早くて、私にじかに、太平洋の全体の総司令官から連絡があったりしましたが、その後、実はイラクをめぐる、パレスチナをめぐる中近東での緊張の拡大、それから先般は国連で北朝鮮の外務次官がはっきりと、我々の国は核兵器を完成したという記者会見も、明言をしました。それを搭載できるミサイルが果たしてあるかどうか、その兼ね合いはまだ不明でありますけれども、いずれにしろ──それと中国の軍事力を拝見して、覇権主義的な行動、これも既にクリントンの時代からあらわれていまして、クリントンはダブルスタンダードで中国とつき合っておりましたが、同時に一方では、当時の橋本首相をサンタモニカまで呼び出しまして、日米安保に関する、いざというときの新しいガイドラインというものを設定して、日本もこれを了としたわけです。
 我々認識しなくちゃいけないのは、日本が今直面している戦術、戦略的な状況というものは、米ソが正面から対立して、主に、非常に強い緊張感がヨーロッパを覆っていた、あの冷戦構造のときよりも、つまりあれはヨーロッパ向けに、ロシア、ソビエトがたくさんの核兵器を配備した。それに対抗して、核は積んでおりませんが、非常に航続距離のある強力な破壊力を持ったパーシングミサイルを、アメリカがソビエトの国境近辺に多数配備して、ソビエトの中枢部というものの破壊の可能性を、要するに軍事的に示唆した。それによって、結局ソビエトは降参してペレストロイカが始まり、ベルリンの壁も破れたわけでありますが、あの時期に比べて、日本の今日置かれている状況は、はるかに緊張度の高いものだと思います。それを私たちはまず認識した上で、その横田に関する問題を考える必要があると思う。
 しかし、ラムズフェルドがいい出した米軍のアジアにおける軍事力の再編整備というものは、そういう状況を念頭に置いたものでありますけれども、事空軍に関しては、主戦力は機材的には全部といっていいぐらいグアムに移しました。今あそこで使われている軍用機というのは限られたものでしかなくて、この間、三回も不時着したというヘリコプター、こちらも強く文句をいったんですが、調べてみますと、何とベトナム戦争のときに使ったものを直し直し使っているんです、そんなものは日本だったら使わないような古い飛行機を使っているから、途中で故障を起こして不時着したりしたんでしょうが……。
 一部には、軍民共用から軍軍民共用という声も出て、これはアメリカ側からも日本側からも出ているような、出ていないような、ここら辺のところは、非常にちょっと、まだあいまいな情報しかございませんが、しかし先般も、実は東京を組み込んだ官邸と外務省と防衛庁、この数者から成る連絡会議を、しかるべき時期に、できれば年内にアメリカ側と具体的な相談するために、二度目の準備会を開きました。そこでもいろんな問題が出ましたが、ここで申し上げられるものと、申し上げられないものもございますけれども、そんなこんなで、さまざまな憶測情報が飛んでおりますが、これはやっぱりある時点で、きちっと整理する必要があると思う。
 ただ、あの飛行場を、米軍がある形で使う、同時に日本は民間使用をする、そこに日本の航空自衛隊が何かの形で参加していくことがあり得たにしても、それは空軍に関する情報のセンターというものの整備だと私は思います。それは、飛行機がそれによって一台もふえることは、まずございません。全然違った意味合いでの、その空軍のヘッドクオーターが、今もあそこにあるわけですけれども、それがとにかくどういう機材を持ってきて整備するか知りませんが、つまり情報、航空関係の、空の軍事関係の情報を集約する、私は一種のウオーニングシステムのようなものを考えているんだと思います。これは憶測ですが。その限りでいって、それに必要な飛行機がじゃんじゃん飛んでくるということは、これは絶対にありません。人間の行き来はありましても。
 しかし、これはかなり日本のこれからの将来にとって大事な一つの、一種のブレーン、頭の部分になるわけでありますから、それは、それが機能することは日本の確実な防衛にもつながるわけでありまして、本質的には歓迎すべきことでしょう。
 大事なことは、そういう重要な機能を持つ横田に、横田が変貌していくならば、それに付随した社会資本というものの整備は、これはやはり国の責任ですべきでありまして、ここら辺がやっぱり肝心なことだと思います。それ以上のことはもう申しませんが、いずれにしろ、こういった視点から、これからも官邸とも緊密な連絡をとって、事を具体的に詰めてまいります。
 これぐらいいってもいいでしょう。実は先般も、細田官房長官と大野防衛庁長官と、さるところで三人で会いました。いろいろ具体的な突っ込んだ話もし、意見の交換もしました。私は、その意味では、非常に事は進みつつあるし、結果として、日本の国益にとって、防衛というものを含めて、横田が今までなかった形で、軍事的には活用されると思います。しかし、断っておきますけれど、そのために飛行機がふえるということは一切ありません。
 同時に、別の席で、アメリカのある高官が、東京側の幹部に、このままでいくと横田は全面返還に形としてなりますなと、苦笑いして冗談でいったぐらい、私はあそこの、要するに滑走路としてのユーティリティーというものは、これからの日米の戦略展開の中ででも、激変していくと思います。
 ゆえにも民間というものの活用の度合いが増してきて、最初、どういうわけか外務省が非常におずおずした形で、向こうからどういうコンセプトで横田を考えているんですかといわれたときに、一日十五機ぐらい飛ばしたいと、ばかなことをいった。私は激怒したんですけれど、向こうもせせら笑っていました。それなら石原が出てくる筋もないだろうと。チャーターで飛ばしゃいいじゃないかみたいな話でね。
 ですから、これは、ある意味で隣の埼玉県も、それから山梨県も、それから長野県の知事も、あるいは神奈川県も、北部の方々というのは非常に便利な空港になってきますので、そういう点では、地域のにぎわいだけではなしに、人間の往来、商売の往来ということで、私は画期的な、ここは展開を示すと思っております。

(倉林 辰雄都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成17年第一回都議会定例会 知事施政方針表明(平成17年2月23日)

 横田基地の軍民共用化については、これまで米国側の状況をも探りながら、政府に早期実現を強く求めてきました。米軍再編の動きが進むなか、昨年秋以降、具体的な協議の段階に入ってきたように思われます。機は熟しつつあります。早期実現に向け、国とともに積極的に取り組んでまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成17年第一回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成17年3月1日)

 次いで、横田の軍民共用化でありますけれども、軍民共用化については、これまで日米両政府に早期実現を求めてまいりまして、先日も、日米安全保障協議会の委員会のいわゆる2プラス2、国務省、国防省、日本の外務省、防衛庁が合議する会議が開催され、具体的な協議が行われる段階に入りまして、ようやく機は熟しつつあるような気がいたします。
 軍民共用化は、人や物の流れを活発にし、産業の活性化や雇用の促進につながるなど、今後の多摩振興の引き金になるものであると思っております。
 ちなみに、一部の新聞が報道しておりましたが、あそこに空軍の本部を持ってくるというのは、決して、その空軍の本部が来るから飛行機がふえるということじゃないんです、これは。それは誤解しないでいただきたい。ほとんどの機材は全部グアムに移しまして、要するに機能としての、こういう電子工学の時代に、日本の空における日米安保にのっとった防衛の体制の要するに推進も含めて、機能としてあそこに中心部を移すということのようでありまして、決してそれに伴って機材がふえるということではございません。
 この問題については、近県からも非常に期待が多くて、山梨県の知事なども、羽田、成田は三、四時間かかりますが、横田なら圏央道ができると一時間以内で行くことができる、もうぜひとも早く実現してほしいと要請もされております。
 共用化の実現のためには、道路や鉄道など交通網の改善や騒音対策などが必要でありまして、こうした課題に対して、国が責任持って対応するよう積極的に求めつつ、都としても、国と連携しながら取り組んでまいります。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、国に対米交渉の促進を強く働きかけ、軍民共用化の早期実現を図っていきたいと思っております。

(比留間 敏夫都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成17年第一回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成17年3月2日)

 まず、在日米軍の再編についてでありますが、この一年間、トランスフォーメーションという、いってみれば米軍の編成の合理化というもののあおりで、日米協議が持たれてきたわけですけれども、どうも日本側はアメリカ側の動きに対していつもいつも受け身で、国家の存立の基盤となる安全保障問題についても、主体的な意思表示を欠くという姿勢しか見られない感じが否めません。
 本来、我が国は、日米安保体制の中で、米軍にとっては不可欠な戦略上の基地を提供しているのであります。つまり、米軍の世界戦略のハワイ以西、ケープタウンまで、しかも、ニュージーランド、オーストラリアを含める南半球をカバーするためには、日本の戦略基地が不可欠なんでありますから、そういうアメリカにとっての意味合いというものもちゃんと踏まえて、堂々と日本側の主張をしたらいいのに、どうもそういう姿勢が見られませんで、やきもきしている感じです。
 平時における横田の軍事的な比重は、当然、明らかに低下しておりまして、これが一番使われたのはベトナム戦争のときで、一番多く搬入された物資は死体です。あそこで日本の医学生を使って死体を接ぎ直して棺に入れて送り戻したと。それ以後、ほとんど使われていないわけであります。
 この機をとらえて米側の軍民共用化の実現を迫ることは、我が国の、特に航空路という国力を象徴する文明工学的にも自明な要因というものを充足するためにも、当然のことだと思います。
 いろいろ紆余曲折がございましたけれども、軍民共用化は、先日開催されました日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2で具体的な協議が行われる段階になりました。
 これは注目しなくちゃいけないのは、今までは2プラス1だったんです。残念ながら、日本の防衛庁はいまだに防衛省になり得ず、内閣の官房下にあるものですから、外国との交渉権というものを持っているようで持っていないんで、結局全部、日本の基地に関する交渉というのは外務省を経ませんと進まなかったんですが、今度、アメリカ側もやきもきして、どうも話が遅いということで、既に小泉・ブッシュ会談で横田の問題が俎上になりまして、アメリカも非常に動きが速くて、国務省マターだったものが、すぐ国防省マターになりまして、向こうの司令官からも東京の知事に対していろいろ申し込みがあったんですけれども、今度ようやく、日本の国防省、つまり、防衛庁を入れて、二対二の会議になったということは、非常に好ましいことだと思います。
 そこで、防衛庁が防衛庁の、要するに、主張をする。どうも今まで、外務省が取り次ぐアメリカ側の反応を見ますと、全部紆余曲折がありまして、アメリカ側の当事者のいうことと随分食い違っている点がありましたが、今度はそれが幾らか是正されていくと思います。
 これまでの、ややむだな時間を浪費したわけでありますから、今後は一刻も早く軍民共用化の実現を図ることが国の責務だと思いますし、都は、国に対して一層強く働きかけていくつもりでおります。

(松原 忠義都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

 横田基地の軍民共用化についてでありますが、これまで日米両政府に早期実現を求めてまいりましたけれども、先日、先ほど申しましたように、防衛庁もやっと一人前の扱いを受ける形で、2プラス2という日米安全保障協議会が開催されました。そこで具体的な協議が行われる段階に入りましたが、機はようやく熟しつつあると思っております。
 ご指摘のとおり、共用化が実現すれば、首都圏の逼迫した航空需要に対応することが可能となり、経済波及効果も、単に首都圏だけでなく、日本全体に大きな作用があると思います。
 共用化を実現する上での交通網の改善や騒音対策など、都や地元市町に関する多くの課題もございますが、これを先行してやるというのもなかなか難しいことでございまして、まずとにかく、私は、あそこからたくさん飛行機を飛ばすことだと思うんです。
 今、日本航空や全日空が何となく足踏みしているのがありますが、構わないからやっちまえと。それだったらほかの第三の空港、要するに航空会社に思い切ってシェアを渡すぞというと、うろうろしているんですけれども、いずれにしろ、あそこでお客がたくさん歩き出せば、国だって都だって、要するにインフラの整備をせざるを得ないんで、まずとにかく、あそこから飛行機をたくさん飛ばすということを私は先行してやるべきだと思っております。
 こうした課題に対して、国が、我々地元自治体の意見を踏まえて責任を持って対応することが必要でありますけれども、とにかく飛行機を飛ばすことで、あの飛行場のユーティリティーを示すことで、付随して経済効果が出てくるということだと私は思います。
 今後とも、地元の市町の理解と協力を得ながら、国に対米交渉の促進を強く働きかけ、軍民共用の早期実現を図ってまいります。
 次いで、軍民共用化の経済波及効果などについてでありますけれども、地元などの広範な理解を得て軍民共用化を推進する上で、航空需要や経済波及効果を正確に把握することが必要不可欠であるとは思います。しかし、これも、やってみればわかること、また、やってみなきゃわからないこともございますが、いずれにしろ、推計に当たっては、民間機の便数や使用する機種、ターミナルなどの施設規模等、共用化の具体的な形態が定まることが前提であります。
 何を狂ってか、アメリカに気兼ねして、ある会議で外務省が、十五機なんてばかなことをいいまして、そんなものなら返す必要ないじゃないかという反論がアメリカからありましたが、そういうところが日本の外交の、何を考えているか、本当に拙劣というか、おずおずおずおずした嫌な姿勢でありまして、それはこちらが責任で修正いたしました。
 今後も、軍民共用化の進捗状況を見ながら、交通経済の専門家であります、一橋大学の、今、学長になりました杉山武彦さんに調査の依頼を──この人は交通論の専門家だそうでありますけれども、これによって、首都圏西部の地域の産業、物流、交通などにいかなる構造的な影響を与えるかを考察し、必要な検討を進めていただきたいと思っておりまして、予算の措置もいたしました。

(谷村 孝彦都議会議員(公明党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成17年第二回都議会定例会 知事所信表明(平成17年6月1日)

 横田基地の軍民共用化については、都はこれまで、日米両政府に早期実現を強く働きかけてまいりましたが、この四月、米国側から非常に前向きな回答があり、近く日米双方による具体的な協議が始められることになりました。共用化の実現のためには、地元の理解と協力を得ることが不可欠であります。都としても日米協議に参加し、今後、国と力を合わせ、早期具体化に向けて取り組みを加速させてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成17年第二回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成17年6月2日)

 横田基地の軍民共用化についてでありますが、これ軍民共用化については、これまで日米両政府に早期実現を強く働きかけてまいりましたが、ようやく具体化に向けて動き出そうとしております。
 私も、これ議員時代から手がけてきたことでありますが、知事に就任して積極的に動きましたけれども、それにしてもあっという間に時間がたちました。やっと端緒についたというのは早いような遅いような話でありますが、ともかく、この問題の合議機関がやっと小泉内閣になって官房の中に設けられまして、そのときの司会といいましょうか、チェアマンを務めていた官房副長官補の谷内君が、そのころから非常によく頑張ってくれました。今度次官になりまして、非常にはっきりした姿勢を打ち出してくれまして、どうも外務省そのものは今まで非常に好ましくないとしておったようでありますが、はっきりと東京都はこれからの日米交渉の合議機関に加わりました。
 これは当然のことですけれども、ある意味では画期的なことだと思いますし、これは次官の努力もあって、むしろ、何で現場を持っている東京都がこの合議機関に出てこないんだというのがアメリカ側の不満であったんですが、これは通りました。陰でいろいろこちらも工作しましたが、やっと東京もテーブルに着きまして、何といっても現場というものを持っている、その現場の実情を踏まえて、今後とも地元の理解と協力を得ながら、国と力を合わせ、軍民共用化の早期実現を目指してまいります。
 次いで、軍民共用化による経済発展についてでありますけれども、軍民共用化といっても、向こうの軍事当事者が、東京のために働いております高瀬参与にも思わずもらしたようでありますけれども、このままでいくとほとんど全面返還になるんですが、アメリカはなかなかそこのところはずるくて、将来、このアジアにおける軍事的な緊張は一体どういうふうに展開するか。万々々々々が一に備えて、この横田という日本で一番長い滑走路を持っている飛行場を、一応基地としてヘッジしておくというのが向こうの本音でしょう。
 ですから、これから空軍の情報関係の航空自衛隊があそこに共存しましても、そこに機材が急にふえるということは決してございません。まあその方がむしろ現地にとっても有効な点もございますので、いずれにしろ、軍民共用化としてあの飛行場が活用される。それは人や物の流れを活発にし、産業の活性化や雇用の促進にもつながると思いますし、大きな経済効果が見込まれると思っております。
 一月に策定しました多摩リーディングプロジェクトにおいても、軍民共用化を多摩及び首都圏の大きな発展の引き金になるものと位置づけて、これを視野に入れた施策展開を図ることにいたしております。
 ご指摘のとおり、道路や鉄道などの交通網の改善や騒音対策などの課題に取り組むことが必要と考えております。こうした課題に対して、国が責任を持って対応するように積極的に求め続けてまいります。
 都としても、あくまでも現場を踏まえた建設的な案を打ち出して、国と連携して実現に取り組んでまいります。
 なお、この経済効果云々については、一橋大学の杉山武彦学長が、こういう交通に関係する経済効果の専門家だそうでありまして、彼に委員長を務めていただく委員会が発足しまして、この発足もアメリカが非常に歓迎しておりまして、ぜひその意見を聞かしてほしいという姿勢でおりますので、必ずこのプロジェクトの実現に役に立つ委員会になると思っております。

(野田 和男都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成17年第四回都議会定例会 知事所信表明(平成17年12月1日)

 首都圏のもう一つの弱点は、空のアクセスが著しく不足していることであります。世界が時間的、空間的に狭小になった現在、人や物の国際的な交流に不便を来す国家が脱落を余儀なくされることは至極当然であります。
 このため都は、羽田空港の再拡張、国際化や横田基地の軍民共用化を積極的に促進してまいりました。羽田については、平成二十一年末の供用開始を目指して着実に事業が進められているものの、横田の共用化は、緩慢な国の動きのために必ずしも順調とはいえません。
 先般、日米両政府による在日米軍再編協議の中間報告が発表されましたが、本来、全く別物である横田の軍民共用化が米軍再編の動きに巻き込まれてしまったことは、まことに遺憾であります。我が国の防衛力強化の観点から軍軍共用化はやむを得ないとしても、並行して横田基地の滑走路を軍民が共同で利用することは、国益総体を考えれば当然でありまして、日本の外交力の貧しさゆえに、要らぬ回り道をさせられたといわざるを得ません。
 そもそもこの問題は、一昨年、日米両国首脳により実現可能性を検討することが合意されたものでありまして、日米協議を米軍再編とは切り離して加速させるべきであります。
 先月渡米した折、国防総省高官と会談し、米国も軍民共用化について具体的な協議に応じる意向があることを確認いたしました。今後、早急に具体的な検討を行い、早期実現を達成するよう、改めて日米両政府に強く求めてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成17年第四回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成17年12月7日)

 横田基地の軍民共用化でありますが、オリンピックのような国内外の大勢の人々の交流が行われるイベントには、人の移動を支える交通インフラの条件整備が必要不可欠であります。
 首都圏の航空需要は逼迫しておりまして、既に国内線もまたパンクをしてしまいました。何とか羽田の沖合展開も端緒につきましたが、しかし、それでもなお航空需要にとてもこたえることはできません。その点で、日本で一番長い、しかもほとんど使われていない滑走路を持つ横田の共用化は、オリンピックを待つことなく、今すぐにも実現しなくてはならない喫緊の国家的課題であると思います。にもかかわらず、米軍再編の動きに巻き込まれ、要らぬ回り道をさせられたことは、ちょっと国の認識不足によるものといわざるを得ません。
 しかし、先月渡米した折、国防総省のトランスフォーメーションの最高責任者のローレスと会いまして、長いこと話しましたが、米国もこの共用化については具体的な協議に応じる意向があるということを確認しましたし、日本の政府よりもむしろ米国の当事者の方が、今依頼しております一橋の学長の杉山さん、これは交通経済の専門家ですけれども、杉山委員会の答申を非常に注目して見守って、待ってくれておりますので、近々出るその答申を踏まえて、具体的にまず一体何便を飛ばすか、それによってどれだけの経済効果があるかということを国の内外に明示して、このプロジェクトを着実に展開していきたいと思っております。
 一刻も早く横田飛行場の民間航空利用を可能としまして、オリンピック開催時に十分活用できるようにするためにも、早急に具体的な協議を進め、軍民共用化の早期実現を達成するよう、改めて日米両政府に強く求めてまいります。

(中嶋 義雄都議会議員(公明党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

 横田基地の軍民共用化についてでありますが、軍民共用化は、既存の施設の有効活用により首都圏の空港機能を補完し、多摩の振興はもとより、日本経済の再生を含めて、将来の国力の充実を図るものであります。現に、ほとんど使われていない日本最長の横田の滑走路を軍と民と共用して活用していくことは、国益を考えれば当然のことであります。
 また、この軍軍共用によって、国が軍用機をあそこにふやすということは全くありません。また、民間機の騒音は米軍機と比べ極めて小さいことから、騒音に配慮した軍民共用化は可能であります。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、軍民共用化の早期実現を達成するよう、日米両政府に強く求めてまいります。

 基地の問題ですけど、私はあくまで横田の話をしているのでありまして、ここでいっていいかどうかわかりませんけど、この間、ワシントンの感触では、ある高官が、石原さん、結局横田は返りますよというぐらい、彼らはその利用性というものが軽減していることを知っている。
 ただ、これはやっぱりほかの基地と同列に扱っては違います。やはり、日本には幾つかの基地があります。その基地によって日米関係にとっての意味合いも価値も違うわけでありまして、これがほとんど価値がなくなった、ユーティリティーがないから私は返還を迫っている、それだけのことであります。

(曽根 はじめ都議会議員(日本共産党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成17年第四回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成17年12月8日)

  横田基地の軍民共用化についてでありますが、そもそもこの横田基地の軍民共用化なるものは、一昨年、テキサスのクロフォードでの小泉・ブッシュ会談で、総理は日本の外務省を飛び越してじかに持ち出してくれまして、極めて妥当な提案であると、これから両政府間の問題として検討しようという答えが返りまして、事態は一挙に進むと思いました。
 それまで外務省と国務省の懸案事項だったんですが、にわかにこれは国防省マターになりまして、軍の当局者からもじかにアプローチがありまして、東京の意向をただすところまでいったんですが、それにおくれて、米軍の世界戦略の展開のための合理化ということで、いわゆるトランスフォーメーション、再編という動きが起こりまして、結果として、日本の外交が拙劣だったせいか、米軍の流れに巻き込まれてしまいまして、軍軍民共用化という、要らぬ回り道といいましょうか、余計な事態になったと思いますが、いずれにしろ、先日、ワシントンで、トランスフォーメーションの最高責任者ローレス副次官でし
ょうか、と会いました。彼は間もなくホワイトハウスへ入りますけれども、彼がそのとき、中間報告は中間報告でない、この問題については、詳細を昨日ラムズフェルドに報告したら、国防長官はザット・イズ・イット、つまりそれでいいといったので、これが実質的に最終報告ですよということでありまして、その中には、軍軍民共用を具体的にこれから協議するとありましたので、あとは、私は、具体的にこれをどう進めていくかという問題だと思っております。
  我が国を取り巻く国際情勢からすれば、防衛力の強化という観点からも、アメリカの意向で自衛隊がそれに従って、移したくもない人員を横田に移すというのもやむを得ないといいましょうか、その本意がわかりませんが、いずれにしろ彼らは、自衛隊を、人員は移しても、機材は一台も移さないといっています。その必要も全くないんだということをいっておりますから、あそこにいわば、何というんでしょうか、恐らく警備体制の一つのセンターのようなものができるのかなと思っておりますけれども、いずれにしろ、機材は持ち込めるつもりはありませんし、そのつもりも防衛庁にもありません。
  ということで、あの利用性の高い、日本で一番長い横田の滑走路を、いずれにしろ共用で活用していくことは、国益を考えれば当然のことでありまして、いささか国といいましょうか、外務省にこうした認識が足りなかったという気がいたしますが、いずれにしろ、この最終報告に等しい中間報告で、これからこれを協議していくということであります。
  この協議の内容は、実は解釈はいろいろあるかもしれませんけれども、私はローレスなどと話した内容からして、それまでの経緯の中でも、アメリカの当局は、先に日本から依頼して、ハドソン研究所に横田の実態を調べさせて、国務省、国防省へ報告をしてもらいました。あわせて、それを踏まえて、杉山一橋大学の学長、交通経済の専門家でありますから、杉山さんをチェアマンにした杉山委員会が設置されまして、さらに具体的に、一日何便飛ばしてどれだけの経済効果があるかという報告を待っておりますが、これもアメリカ側も非常に期待して、自分たちはこれからの具体的な協議で、この二つの報告を踏まえて具体的な話し合いにしたいといっております。
  いずれにしろ、私たちは、これから先、具体的に一日何便飛ばすか、これは既に日本の飛行機会社の当事者とも話を進めておりますけれども、そしてそれがいかなる経済効果があるかということを世間に披瀝して、このプロジェクトを進めていきたいと思っています。
  現に、米軍の方から、それを踏まえて、予測でありますけれども、実現されていく過程で、あの敷地の中のどこにターミナルをつくってほしいなどという申し出もありまして、これからの協議では、事はさらに具体的に進められていくものと思っております。

(林田 武都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第一回都議会定例会 知事施政方針(平成18年2月22日)

 五輪開催に向けては、幹線道路ネットワークなどの広域的な交通基盤の集中的な整備や羽田空港の再拡張、国際化、横田基地の軍民共用化による空のアクセスの拡充、さらには世界に誇れる都市空間の創出など、前世紀に積み残してきたさまざまな問題を解決する必要があります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第一回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成18年2月28日)

 横田基地の軍民共用化についてでありますが、そもそも横田基地の軍民共用化は、平成十五年五月の小泉・ブッシュ会談において実現可能性を検討することが合意されており、本来、米軍再編とは別のものであります。それにもかかわらず、残念ながら、空のアクセスの文明論的な重要性というものを認識しない外務省の基本的な認識の欠如のおかげで、米軍再編の流れに巻き込まれてしまいまして、要らぬ回り道をさせられております。
 国は、軍民共用化は、横田空域のあり方とともに、在日米軍再編協議の最終的な取りまとめに向けた課題であるとしておりますが、米軍再編の枠組みの中で議論しているのでは時間がかかり過ぎます。ともかく、軍民共用専管の具体的な協議の場を早急に立ち上げ、日米協議を進展させることが必要不可欠であります。地元における機運の盛り上がりも踏まえ、改めて日米両政府に強く働きかけ、軍民共用化の早期実現を目指します。
 現に、今の段階では、交通経済学の泰斗であります杉山学長を委員長にしました杉山委員会において、フィージビリティースタディーがほとんど終わりつつありますが、これにこたえて、アメリカ側もそれに参加してはどうかとこちらから建言しましたが、いや、我々は我々側でカウンターパートとして委員会を構えるということで、この日米両方のスタディーグループによりまして具体案がこれから検討されていきます。
 既にアメリカ側からも、これは軍側の要望でしょうが、ターミナルをどこに設けるかなどという案も出ておりまして、いずれにしろ、早期の実現をあらゆる努力をして図っていきたいと思いますが、さきに、ことしに入りまして、日本航空と全日空の社長を呼びまして懇談しましたが、両者とも、あの地域を分析して、例えば埼玉県や神奈川県の北部あるいは山梨県、長野県の人たちにとっても、横田が非常に便利な飛行場であるという認識を持っておりまして、それを彼らも承知して、航空会社にとっても非常にお客の需要の高い一つのプロジェクトであるという認識を共通して持ってもらいましたので、こういったものも大いに我々の主張の要因としてアメリカ側に伝え、政府に伝えていきたいと思っております。

(野村 有信都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第一回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成18年3月2日)

 この横田の軍民共用化という問題でもありますけれども、実はアメリカは、やはり何かの口実で、これをそう全面的に開放せずに、手放さずに済むためのヘッジとして、あそこを日本の航空自衛隊と一緒に使うという形で、軍軍民共用化というものを突然いい出しました。これは、日本の防衛庁は、実はそんなつもりはなかったんです。なかったんですけれども、巻き込まれてしまって、あそこに人間だけは配置するけれども、一体何のために、何をするのか知りませんが、聞きますと、まだ技術が開発されていない警備体制、ウオーニングシステムの本部をあそこに置くつもりだそうでありますけれども、これは大分先のことでありましょう。
 しかし、そんなものが技術的に完成される前に、私たちは、あいている滑走路ですから、積極的に使えばよろしいんです。後は、これは国の姿勢の問題だと思いますが、そのためにも、やはり日本の世論というものが沸き起こらなくちゃなりませんし、繰り返して申しますけれども、先般JALと――JALは今度社長がかわりましたが、全日空の社長を呼びまして、彼らの意向をただしましたが、彼らは彼らなりにリサーチしまして、少なくとも一日四、五十便の国内線の需要はあると。当然そうでありましょう。
 あの周りに、長野県、山梨県を含めれば、この問題に一番熱心なのは実は山梨の県知事さんでありますけれども、乗客の数を保証する人口のヒンターランドは非常にあるわけでありまして、そういう点で、私たちはやはりそういう需要というものを背景に、これからも具体的に主張していこうと思いますし、さきにも報告いたしましたが、交通経済学の泰斗の杉山一橋大学学長を委員長にしました杉山委員会をつくりまして、フィージビリティー調査をしました。
 これにこたえてアメリカは、この委員会をグレードアップして、アメリカのスタッフを入れて合議機関にしたらどうだといいましたが、いや、我々は我々でリサーチの機関をつくるといいましたので、これは一つの抵抗の姿勢でしょうけれども、いずれにしろその二つの委員会がこれから具体的な問題で合議するわけですが、しかし、軍の方が実は動きが早くて、米軍の方から、やるならターミナルビルをここにつくってほしいというような要望も具体的にございましたが、いずれにしろ、非常に使用度の高い横田の滑走路を軍民共用であろうと活用していくことは、明らかに国益につながることであると思います。
 昨年十一月に渡米しまして、この最高責任者のローレスと話しましたときも、米国も具体的な向こうの意向を実は示してきましたし、それも受けて、これから、抽象論ではなしに具体的に話し合いを積み上げていくつもりでおります。
 いずれにしろ、その二つの委員会の合同協議というものを早期に立ち上げまして、日米協議を具体的な問題として進展させることが必要だと思っております。その段階まで来たと思っております。改めて日米両政府に強く働きかけ、軍民共用化の早期実現を目指したいと思っております。
 いずれにしろ必要なことは、この問題に対して都民なり国民なりが関心を持って、国益につながる、自分の便宜にもつながるという世論というものをしっかりとつくって、これをぶつけていくことが、私はこういう外交交渉において不可欠な問題だと思っております。

(高橋 信博都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第二回都議会定例会 知事所信表明(平成18年6月6日)

 空のアクセスの充実も不可欠であります。
 先月、日米両政府は米軍再編成に関する行程表を発表し、その中で、横田基地の軍民共用化について、具体的な条件や態様の検討を十二カ月以内に終了することで合意いたしました。これにより、共用化が名実ともに実務的な段階に入ったことが日米共通の認識となったのであります。
 都は、実現に向けた動きを加速させるため、先月、首都大学東京と連携し、具体化のための検討組織を立ち上げるとともに、先般開かれた国と都の連絡会議において、直ちに日米の実務的な協議を開始し、一刻も早く結論を出すよう、国に強く申し入れました。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第二回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成18年6月13日)

 次いで、横田基地の軍民共用化についてでありますが、本来別物でありますトランスフォーメーション、米軍再編の流れに巻き込まれまして、ちょっと回り道をさせられましたけれども、先月、米軍再編のロードマップ、つまり日程表が日米両政府によって合意されました。軍民共用化は名実ともに実務的な段階に入りました。ことし十月までにどれくらいの空域を開放するかということを日米双方で決めることになりまして、これは非常に大事なことであります。
 先般開催された都と国の関係省庁の連絡会でも、軍民共用を専管するスタディーグループを直ちに立ち上げ、早急に結論を出すように、国に強く申し入れをいたしました。
 都は、米側との協議を加速するために、首都大学東京と連携して、一橋大学の杉山学長、これは交通経済学の泰斗でありますが、杉山さんをヘッドとする軍民共用具体化検討委員会を設置いたしました。
 最初は、これ非常に充実した委員会でやってきましたので、アメリカの代表もこれに入れてひとつグレードアップして日米で討論したらどうだといいましたら、向こうは向こうでこけんがあるんでしょう、いや私たちは別個に委員会をつくってその委員会で議論をしたいということで、それも結構だろうということで、私がよく知っておりますワインシュタインという男が議長になりましたハドソン研究所が主体になった検討組織ができるようで、それと意見交換を行いながら軍民の両立性など具体的な検討を進めて、スタディーグループによる協議に反映させていきたいと思いますが、現にもう既に向こう側の内々の意向で、ターミナルをどこにしたいとか、どういう資本構成でターミナルをつくったらどうかとかいう向こう側のオファーもありまして、事はかなり具体化してきたと思います。
 先日も我が国の代表的な航空会社二社から、軍民共用化の実現を──軍民共用化といいますと、とにかく横田を使わせろという要望書が都と国に提出されました。こうした航空会社の意見も米軍にしっかり伝えまして、軍民共用化を認めるように迫ってまいります。
 今後、国と連携して日米協議を迅速に進め、一刻も早く、とにかく横田から、我々の国土の中にあり、一番長い、使われていない滑走路から日本の飛行機を飛ばすということでありまして、そのための十全の努力を今後も重ねていきたいと思います。
 ご記憶でしょうけれども、冷戦構造が一番厳しかったころの青森の三沢という空港、これ、今の青森空港がなかったんです。青森に行くにはあそこしかなかったんです。そのときも年じゅうソビエトの飛行機が侵犯してきて、日本とアメリカの戦闘機がスクランブルをかけて飛び立っている間にも、あそこには粗末なターミナルビルしかありませんでしたけれども、とにかく青森に行く人たちは三沢を利用して、民間機が飛んでおりました。こういった事実を踏まえて、私たちはとにかく横田を、今後、はるかに三沢より大きなユーティリティーのある空港でありますから、活用すべきだと思っております。

(吉野 利明都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第四回都議会定例会 知事所信表明(平成18年12月1日)

 横田基地の軍民共用化は、私が知事に就任して以来、最大の懸案であります。この十月に設置された日米両政府による公式の検討組織での協議には、十二カ月以内に結論を出すよう明確な期限が仕切られており、共用化はいよいよ具体的な段階に入ったと考えております。
 先般、安倍首相と会談した際、前内閣で交わされた日米合意に沿って共用化を進めていくように要請し、快諾を得ました。これを受けて安倍首相は、先月、ベトナムで行われた日米首脳会談の場で、ブッシュ大統領に、新内閣もこれまでと同じスタンスで共用化に取り組んでいくことを明確に表明しました。引き続き日米両政府に強く働きかけ、地元の意向を反映させながら、一日も早い実現を目指してまいります。
 アメリカの管理下にある横田空域については、かねてから都は全面返還を主張してきましたが、その一部返還が十月に決定されました。日本の空は、戦後六十年以上が経過した現在もなお、いわば占領状態が続いております。今回の措置によって、飛行の安全性が高まり、所要時間や燃料が節減されるほか、飛行経路の増加も可能となり、再拡張を進めている羽田空港の有用性が一層増すなど、日本全体に大きな便益がもたらされます。
 今後とも、軍民共用化とあわせ、空域の早期全面返還を国に強く求めてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成18年第四回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成18年12月7日)

 横田基地の軍民共用化についてでありますが、先般、安倍首相にも前内閣の日米合意に沿って共用化を進めていくように要請し、これを受けて、首相は先月の日米首脳会談において、ブッシュ大統領に、ハノイでですか、新内閣も同じスタンスで取り組んでいくということをはっきりと伝えてくれました。
 また、先日、トランスフォーメーションの最高責任者であります、一、二度会ったことがありますが、ローレス国防副次官を都庁に招きまして、そのスタッフと軍民共用化についての意見交換を行いまして、共用化の必要性を改めて強く訴えて理解を深めさせましたが、都がつくってあります立体的な航空管制空域の模型を見せまして、彼は見れば見るほどこれは余りなものだということがわかったようであります。また、横田空港のニーズの、ヒンターランド、後背地であります地域は、決して関東だけじゃなくて山梨県も長野県も入るんだということで、地図を見せましたり、そこにある交通網などを見せまして、相手の認識をより深めたつもりでございます。
 米軍再編協議で合意された日米両政府によるスタディグループの公式協議が十月に始まっておりますが、それから十二カ月以内という期限がロードマップとして決められて、検討のスタートボタンが既に押されて、共用化はいよいよ具体的な段階に入りました。この協議を促進するために、都が設置した一橋大学の杉山学長をヘッドとする軍民共用具体化検討委員会の検討成果を国との連絡会議を通じて今後のスタディグループの協議に反映させていきたいと思っております。
 今後とも日米両政府に協議の促進を働きかけ、地元の意向を反映させながら、軍民共用化の早期実現を目指したいと思っております。

(中嶋 義雄都議会議員(公明党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年第一回都議会定例会 知事所信表明(平成19年2月7日)

 就任当初から主張してきた横田基地の軍民共用化については、日米両政府のスタディーグループによる具体的な検討が開始され、ようやく実現の一歩手前までこぎつけました。既に空域の一部は返還され、飛行時間の短縮による大きな経済効果も生み出しております。

 圏央道が全線開通した暁には、多摩地域とつくばが、従来の半分以下となる一時間半で結ばれ、沿線一帯が都県境を越えて一つのエリアとしてつながります。また、横田基地の軍民共用化などの都市機能の充実も加わり、多摩地域の可能性はさらに飛躍的な高まりを見せ、広域多摩とも呼べる新しい圏域が形成されると予測されます。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年度都議会 予算特別委員会における知事答弁(平成19年2月22日)

 横田基地の軍民共用化は、国際関係での国力の維持の観点からも、国全体にとって非常に重大な案件でありまして、これを実現し、民間航空機を運転させるためには、積極果敢な取り組みが不可欠であります。
 小泉総理が電話してきて、外務省抜きでやるといってくれて、テキサスのクロフォードでブッシュとさしで話したときに、この話は一飛び、二飛びして俎上にのったんですが、その後、アメリカのトランスフォーメーションなるプログラムに巻き込まれて、それを口実に、非常に時間稼ぎされましたが、ようやくご指摘のようにワーキンググループの実質的な討論に入りました。
 安倍内閣発足後も、じかに、総理を初め国土交通大臣などに政府としての積極的な取り組みを働きかけてまいりました。先般も、都が設置した軍民共用具体化検討委員会の検討成果を十分に活用して、今後のスタディーグループの協議を迅速に進めるよう、官邸にも強く要請しております。
 ただ一方、先般もローレス国防副次官ですか、これは最高責任者ですけれども、あるいは在日米軍のライト司令官に会いまして、話しましたが、アメリカさんたちは非常にずるくて、ここになってきて、入間はどうだ、厚木はどうだ、百里はどうだというけれども、そんなばかな話はない。総理大臣と大統領がさしで話して、物事は要するに横田に限ったという話をしているんだから、余計なこというなといって突っぱねましたが、そういうふうに策を弄して、とにかく持っているものを放したがらない。
 いずれにしろ、これからさらに具体的な詰めに入るわけですけれども、相当政府も頑張ってもらいたいと思いますし、東京都はじかにその席に出られませんから、杉山委員会、一橋学長の交通経済学の泰斗の杉山さんを委員長にした委員会の報告をもって国の意見として政府レベルの会談でそれを押し通すように、後押しをしております。
 今後とも、日米両政府に対し、期限までに協議を終了させ、軍民共用化を一刻も早く実現するよう働きかけてまいります。

(鈴木 一光都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年第二回都議会定例会 知事所信表明(平成19年6月12日)

 三年後の供用開始を目指す羽田空港の再拡張について、四本目となるD滑走路の工事が本格的に開始されました。滑走路完成の暁には、年間の離発着回数が現行の一・四倍に増大するなど、大都市の空の利便性は格段に向上いたします。
 ただし、羽田の機能は近距離に限定されるべきものでは決してありません。東南アジア諸国にまで足を伸ばすのは当然であり、日本の新しい発展のため、羽田の潜在力を最大限に生かすべきであります。
 また、長年の懸案であった横田基地の軍民共用化は、実現の一歩手前までようやくこぎつけました。昨年十月に始まった日米協議は、ことしの秋までと明確に期限が切られておりますが、私から安倍首相にも重ねて要請したとおり、先般の日米首脳会談では、首相からブッシュ大統領に念を押すことができました。目前に迫った共用化に向け、国や米側に対し、さらに強く働きかけてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年第二回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成19年6月19日)

 次いで、横田基地の軍民共用化についてでありますが、横田の軍民共用化は、空港容量が限界に達している首都圏の航空機能を補完するとともに、首都圏全体に大きな経済効果をもたらし、ひいては我が国の活力を高めることになります。一方では、その首都圏のオープンスカイの要求が非常にふえておりました。
 今回、この横田の軍民共用化の意義や効果について八都県市の首脳に理解していただきまして、共用化の早期実現について、国に対して明確に意見表明をしたことは、共用化の実現に向けて大きな力となるだけではなくて、米国に対しても強いメッセージになっていると思います。
 都としましても、今後、日米協議の重要なテーマとなります軍民の両立性について、一橋大学の杉山学長をヘッドとします委員会で引き続き検討を行っておりまして、日米両政府のスタディーグループによる協議に反映させていきたいと思っています。
 日米協議の促進については、安倍首相にも重ねて要請しまして、ASEANでの会議と先般の日米首脳会議でも、二度にわたって、首相からブッシュ大統領に対して念を押してもらいました。
 スタディーグループでの協議は、外交交渉に係ることでありまして、現段階では具体的な案件について内容を明らかにできませんが、いずれにしろ、かんかんがくがくの活発な議論が行われておりまして、実現まであと一歩のところまで来たと思っております。
 いずれにしろ、十月というロードマップがあるわけでありますから、そこでできるだけ大きな収穫があるように、この間も外務省の次官に会いましてハッパをかけてまいりましたが、引き続き協議の促進を両政府に強く働きかけるとともに、軍民共用化の早期実現に向けた取り組みを着実に進めていきたいと思っております。

(谷村 孝彦都議会議員(公明党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年第三回都議会定例会 知事所信表明(平成19年9月19日)

 横田基地の軍民共用化は、首都圏の航空事情を改善し、ひいては日本全体の国際競争力の強化につながります。スタディーグループによる日米協議が、来月の期限を間近に控え大詰めを迎えております。先日のシドニーで開かれた日米首脳会談及び外相会談において、日本側から米側に対し、政府として共用化を早期に実現したいという立場を明確に伝えました。
 今後とも、日米両政府が軍民共用化の早期実現に一刻も早く合意するよう、さまざまなルートを活用して強く働きかけてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年第三回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成19年9月27日)

 横田基地の軍民共用化の今後の取り組みと地元自治体への対応についてでありますが、横田基地の軍民共用化は、首都圏の航空事情を改善し、ひいては日本全体の国際競争力の強化につながるものであります。
 現在進められているスタディーグループによる日米協議は、十月の期限を間近に控え、大詰めを迎えております。協議の過程で米側から幾つかの課題が指摘されておりますが、軍民共用化を既に行っている米軍の三沢基地や、あるいは自衛隊の小松基地の事例を見ますと、横田で共用化ができないわけは全くございません。
 つい数日前、この問題について、第三者的な立場で調査も依頼しております向こうの調査機関の幹部の、前々でしょうか、在日空軍司令官であった将軍と、名前も失念いたしましたが、フランス、トルコの大使もした外交官、外交の見地でこの問題をしんしゃくするための人物二人が参りまして、私も会食して、説明を聞き、こちらも説明いたしましたが、いずれにしろ横田の共用化というものは、平成十五年に、林田さんもおっしゃったように、ブッシュ、小泉両サミットのクロフォードでの会談で合意されたものでありまして、あくまでもこれを前提に話をすることを私は強く再三申しております。これからどうするの問題じゃなくて、これは日米間の関係のために必要だから、とにかく積極的に討論しよう、合議しよう、共同使用のために進もうということで、合意が得られたわけでありますから、それを前提に話をしろと。だんだん下におりてきて、役人根性で小さな問題をくどくどいって、事をはぐらかさずに、大義というものを踏まえて議論してくれということを再三申しております。
 米側は日米関係を重視する立場に立つならば、当然横田の共用化に対して積極的に対処してしかるべきだと思っております。
 今後、内閣もかわりましたので、新内閣に対して、横田の軍民共用化を改めて政府の重要課題として位置づけ、一刻も早く共用化の日米合意を得るように強く働きかけてまいります。
 おっしゃった大事な地元自治体の問題に対しましても、日米協議の進捗に合わせて、周辺の基盤整備や騒音対策などの課題について話し合いを進め、軍民共用化に対する理解と協力を得ていきたいと思いますが、これはぜひ林田議員からも、既に発表されております杉山委員会の報告というものを詳細にまた改めて何度も説明していただきたい。大変な経済効果がございます。ただ一つの問題は、これはどこの空港でも当然のことでありますけれども、マイナス要因として騒音対策がありまして、これは騒音対策を無視し、環境対策を無視して空港を整備するなんということはあり得ませんから、この点も安心して期待をしていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。

(林田 武都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年第四回都議会定例会 知事所信表明(平成19年12月4日)

 もう一つの大きな弱点は、空港容量の絶対的な不足であります。
 人と物の交流が都市や国家の活力と繁栄に直結するこの現代において、その手段を欠いてはとても世界には太刀打ちできません。そのために、都は、羽田空港の再拡張・国際化と横田基地の軍民共用化を推進してまいりました。
 羽田空港については、第四滑走路の建設に一千億円の無利子貸付を行うなど、従来の自治体の枠を超えた対応を行い、工事は着実に進んでおります。また、空港の沖合展開に伴う跡地は、国際線ターミナルなど国際化の拠点施設に隣接する重要な空間であり、空港と連携する旅客サービス施設などに活用して、再拡張後の空港機能の強化を図っていく必要があります。今年度中に国及び関係自治体との調整を進め、跡地利用の基本計画を取りまとめてまいります。
 一方、横田基地の軍民共用化は、小泉・ブッシュ会談の合意を出発点として、米国政府に早期実現を求めてまいりました。日米両政府によるスタディーグループは十月を期限に検討を重ねてまいりましたが、米側の軍事運用にかかわる幾つかの課題がまだ残されております。いずれも調整は可能な事項ばかりであります。在日米軍基地の中で戦略上重要な位置を占める三沢基地ですら、既に冷戦時代に軍民共用化をしていたのでありまして、米国政府は、主な機能がしょせん兵たん基地でしかない横田基地の軍民共用化に真摯に対処して当然であります。
 先般、こうした考えを直接シーファー駐日大使に伝えるとともに、福田総理とも面会し、横田基地の軍民共用化は我が国の国力の維持のために必要不可欠であるとの基本的な立場を確認いたしました。
 今後も、国の関係省庁と都が一枚岩の結束を保ちながら、米側に対して具体的な提案を持ちかけるなど、粘り強く協議を続けることにより、軍民共用化の早期実現を目指してまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年第四回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成19年12月11日)

 次いで、横田基地の軍民共用化でありますが、世界全体が時間的、空間的に狭くなっている今日の社会で、空のアクセスは、国家の繁栄、成熟のために不可欠な、非常に重要な意味を持っていると思います。横田基地の軍民共用化は、空港容量の逼迫する首都圏の空のアクセスを拡大するものでありまして、我が国の国力の維持のためにも必要不可欠であると思います。
 また、地元の多摩地域や、横田に近接する隣県にとっても、航空利便性が向上するばかりでなく、交通インフラの充実や産業の振興など、地域の活性化のためにも大きな意義があります。
 横田の軍民共用化は、二〇〇三年五月の小泉・ブッシュ会談で検討が合意されたものでありまして、これまで首脳会議などでも繰り返し実現を要請して、日米間の重要な懸案事項であります。
 これまでの日米協議では、アメリカ側の軍事運用にかかわる幾つかの課題が指摘されておりますが、例えば、セーフアークといいましょうか、弾薬庫の周辺の安全性の問題であるとか、基地を使ってのさまざまな訓練、実際には大してやってないんですが、こういったものが提示されておりますが、これはいずれも調整可能なことばかりでありまして、アメリカの政府が日米関係を本当に重視するならば、軍民共用化に積極的に対処してしかるべきだと思っております。
 しかし、残念ながら交捗中に、事務方、相手は主に軍人でしょうけれども、その言動に、横田は太平洋戦争の遺産であるなどというけしからぬ認識が露呈してきまして、これは今日の日米安保の地位協定の、要するにゆがみにもあると思いますけれども、そういう実情のもとで努力しなくちゃいけませんが、元在日米軍の司令官などをメンバーとします米国のコンサルタント会社、スペクトラムというグループがございますけれども、彼らの指摘も、米軍側の指摘は、ある部分、非常に拡大されている面があるといっております。
 今後も、国の関係省庁と都が一枚岩の結束を保ちながら、米側に対して説得力のある具体的な提案を行うなど、粘り強く協議を進めることによりまして、軍民共用化の早期実現を目指していきたいと思っております。

(川井 しげお都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成19年第四回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成19年12月12日)

 横田基地の軍民共用化に伴う交通網整備についてでありますが、航空機の利点は、遠距離の目的地に短時間で到達できることでありまして、出発地から空港までのアクセスが十分に確保されていなければ、この利点を生かすことはできません。
 横田基地は都心から約三十八キロメートルと、成田の半分程度の距離に位置しておりまして、周辺には既に鉄道や幹線道路が整備されております。
 軍民共用化の具体化に当たりまして、こうした横田周辺の既存の交通インフラも生かしながら、空港までの到達時間を可能な限り短縮して、利用者にとっていかに便利な空港とするかが重要な課題であります。 
 この問題を左右するのは、例えばもっと大規模に空港が軍民共用化で活用されたときに、恒久的なターミナルを基地のどちら側に使うかによってかなり条件が違ってくると思いますが、また、軍民共用化が実現すれば、地元の多摩地域や横田に近接する隣県の活性化が促進されまして、人や物の動きが従来以上に活発になることが見込まれます。このために生じる新たな交通需要にも対応していくことが必要だと思います。
 今後は、軍民共用化の日米協議の進捗に合わせまして、国とも連携しながら、軍民共用化に伴う交通網整備について検討を進めてまいります。

(酒井 大史都議会議員(民主党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成20年度都議会 予算特別委員会における知事答弁(平成20年3月12日)

 繰り返しになりますが、横田基地の軍民共用化は、平成十五年の小泉・ブッシュ会談で検討が合意されまして、以来、日米間の重要な懸案事項でございます。
 これまでも日米協議ではいろいろな問題が提示されましたが、米側の軍事運用にかかわる幾つかの課題が持ち出されました。例えば弾薬庫の問題とか、それから飛行場を使っての演習、これは、しかし、実態のあるようなないような話でありまして、ヘリコプターのホバリングとか、あの平地にパラシュートでおりる演習だったら、ほかへ行った方がよっぽど実効性があるわけでありまして、いずれも調整可能な事項ばかりであります。
 しかし、米側は既得権に固執してというよりも、対話の中で出てきたのは、横田は太平洋戦争の我々にとっての遺産であると。これは非常におごった姿勢でして、いまだに勝者の意識が抜けない、そういう相手の心構えの真意が見えてきていますが、いずれにしろ、基地の運用と民間機の運航を両立させる方策について今後も建設的な意見を出し合って、目的を遂げたいと思っていますが、いずれにしろ、米側が本当に日米関係というものを必要としているなら、軍民共用化に積極的に対処してしかるべきだと思っております。
 都は、米国のコンサルタント会社のスペクトラムグループなどを通じまして、米側関係者の意見も幅広く収集しておりまして、また、そのアドバイスで、五月にもちょっと向こうに行って、勘どころの要人に会うつもりでおりますが、こうした情報も踏まえて、引き続き国と都が一枚岩となって、米側に対し、説得力のある具体案を示して粘り強く協議を継続するとともに、さまざまなルートによって働きかけを強めまして、軍民共用化の早期実現を目指したいと思っております。
 ただもう一つ、私たち、ちょっと反省しましたのは、やっぱりこういう交渉は、向こうの言葉で、ウイン・ウインというんですか、こっちも得するけど、そっちも得するよという条件の提示を、やや私たちは、被害感もあったんでしょうけれども、使ってない飛行場なら返せばいいじゃないか、最低限共同使用させろという形で臨みましたんで、向こうもそこのところはかたくなになった節がないでもございません。向こう側からアドバイスをいただきまして、新しい条件提示をこれからするつもりでございます。

(谷村 孝彦都議会議員(公明党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成20年第二回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成20年6月18日)

 横田基地の軍民共用化についてでありますが、軍民共用化は、我が国の国際競争力を強化し、国力を維持するために不可欠な国家プロジェクトだと思います。
 横田基地においても、平時は余裕のある滑走路を民間利用することは、日米関係の強化につながる極めて象徴的な取り組みでありまして、日米双方の国益にもかなうものであると思います。
 にもかかわらず、交渉の土壇場まで来まして、米側は、特に軍でありますけれども、基地の軍事運用上の課題を指摘して、軍民共用化に積極的に対応しようとしませんが、これはいずれも、分析してみますと、解決可能な事項ばかりであります。
 ことし三月末、杉山委員会が主催した横田基地軍民共用化推進セミナーでも、米国の国防総省のOB、これは元の将軍であります。また、国務省のOB、これはヨーロッパの有力な国の大使を務めた人ですが、これらのスタッフが、こうした課題に的確に対応していけば、軍民共用化は実現可能であると示唆してもくれました。
 日本側としても、今までの交渉の基本的姿勢をちょっと変えまして、ウィン・ウィン、つまり相手側の取り分も考えるという姿勢で、今後交渉を推進していきたいと思っております。
 国とともに、基地周辺の活用も視野に入れまして、米側からの指摘にも適応できる、対応できる説得力のある具体案を検討し、米側に早急に提示していきますが、何分、向こうの政権も終えんの寸前でありまして、これはやはり、具体的な交渉は新しい政権が誕生してからのことと思っております。
 先日、外務省の新旧事務次官と意見の交換を行いました。日米協議を前進させることの必要性を再確認いたしました。
 今後とも、国と都が一枚岩となって米側に働きかけ、軍民共用化の早期実現を図っていきたいと思っております。

(高橋 信博都議会議員(民主党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成20年第四回都議会定例会 知事所信表明(平成20年12月2日)

 また、粘り強く取り組んできた横田基地の軍民供用化も、米国の現政権にはこれまでの交渉の積み重ねを新政権に確実に引き継ぐよう求め、新政権にも早期実現を強く働きかけてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成21年第一回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成21年2月26日)

 横田基地の軍民共用化についてでありますが、軍民共用化は、我が国の国際競争力を強化し、国力を維持するために不可欠な国家プロジェクトであるとともに、多摩地域にとっても、航空利便性の向上や産業の振興などにより、地域の活力を飛躍的に増大させるものであると思います。
 これまでの日米協議では、米側は基地の軍事運用上の課題を指摘して、軍民共用化に積極的に対処しようとはしていませんでした。横田の問題に精通している米国の関係者からは、協議を進めるために、経済的な側面も含めて、米国のメリットにもつながるウイン・ウイン、両方が得するという関係の構築が必要であるとの示唆を得ました。
 実際に、当初は、あの広大な基地の中に空き地がたくさんあります。そこにターミナルでも含めてつくるつもりでおりましたが、これは非常に彼らの神経にさわったようでありまして、まあ、そういう点では、姿勢を改めてこれから臨もうと思っておりますが。
 いずれにしろ、こうした課題に対応するために、現在、一橋大学の杉山学長をヘッドとする杉山委員会において、基地周辺の土地の活用も含めたさまざまな案を検討しておりまして、今後、米側に対して説得力のある提案を行っていくつもりでございます。
 米国の新政権の発足を機に、改めて、軍民共用化は新政権が重視する日米の同盟関係の強化に大きく寄与することを強調しながら、引き続き、国、都が一枚岩となりまして、その早期実現を米側に強く働きかけていきたいと思っております。
 いずれにせよ、この世界全体の経済恐慌の中で、アメリカが日本にこれから明らかに財政的協力を望んでこようとするならば、日本の経済力の進展、維持のためにも、空からのアクセスというものは有力な手だてでありまして、横田の共同使用について、アメリカ側も理解すべきだと私は思います。横田の共同使用そのものが、両国にとって大きなウイン・ウインになると思っております。

(林田 武都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成22年度都議会 予算特別委員会における知事答弁(平成22年3月12日)

 横田基地の軍民共用化は、多摩地域の航空利便性の向上や、産業の振興等により地域の活力を飛躍的に増大させるだけではなくて、我が国の国際競争力を強化し、国力を維持するために不可欠な国家プロジェクトであります。
 とにかく、日本で最長の滑走路を持ちながらほとんど使っていない空港でありますが、しかし、米側はこれまでも、基地の軍事運用上の課題を指摘して、軍民共用化に積極的に対処しようとしてきておりません。
 この問題を積極的にハンドルしてくれております、かつて沖縄返還にも活躍しました高瀬教授が、しばしばアメリカに赴き、国防省当局とも話しておりますけれども、つい最近、彼らは一杯飲んだときに本音を吐いたようでありますが、横田は太平洋戦争の戦利品であるということを公言しているそうであります。
 こういう状況で、とにかく管制区域の一部だけは割愛して、返還といいますか取り戻しましたが、これだけでも、福岡や大阪、ソウルへ向かう飛行機は非常に時間が短縮して経済効果があるわけでありますけれども、新内閣が対等な日米関係というものを主張するならば、ぜひこの問題を、総理自身が一回とにかく横田を見て、そういったものの存在の意味を認識した上で交渉してもらいたい。やはり国が動かなきゃ動かない問題だと思います。
 先般も、依頼がありまして、現内閣の前原国交相に、高瀬教授と二人で今までのいきさつを詳しくお話ししましたが、その後、動きが余りありませんけれども、いずれにしろ、この協議を進展させるためには、経済的な側面も含めて、米国のメリットにもつながるウイン・ウイン、両方が得するという関係を構築して、幅広く軍民共用化への理解を得ていくことが重要であると思っております。
 昨年、日米のオープンスカイは合意に至りましたが、何といっても、彼らが要求している、開かれなくちゃいけない空というものは首都圏の空でありまして、この首都圏では、空港容量の不足から、依然として、とにかく非常に閉鎖的な状況が続いておりまして、現に、世界じゅうで、私の在任中は三十五カ国でしたが、今では四十カ国に及ぶ国が、ぜひ東京に乗り入れたいといいながら足踏みをしている状況であります。
 いずれにしろ、平時は余裕のある横田の滑走路を有効活用して、速やかにその解決を図ることが最も理にかなった対応であると思います。
 引き続き、国と都が一枚岩となって、この早期実現を米側に強く働きかけていきたいと思っております。

(林田 武都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ委員会の記録より作成)

平成22年第二回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成22年6月8日)

 羽田空港のさらなる機能強化についてでありますが、羽田の再拡張、国際化は、知事就任以来というか、私が運輸大臣のときから考えたことでありまして、最重要課題として取り組んではきましたが、いよいよこの十月に新しい滑走路と国際線ターミナルの供用が開始されます。
 国は最近になって、昼間の国際線発着を数年後に六万回まで拡大する方針を打ち出しましたが、これに沿って、深夜、早朝のみならず、昼間の時間帯にも需要が多く、ビジネスニーズの高い欧州や米国、長距離アジアの首都、主要都市へと就航することになります。羽田空港が本格的な国際空港として生まれ変わり、それが有為に活用されるのは大きな前進でありまして、まさに当初からねらったとおりになってきたと思います。
 ですが、首都圏の国際線の発着はまだ十分でなく、さらに近い将来、首都圏の航空需要が空港容量を大きく上回ってしまうことが見込まれております。これらを解決するには、なお残る羽田の昼間の発着枠二万七千回についても、極力国際線に振り向けるとともに、平時は余裕のある横田の滑走路の有効活用を含め、あらゆる角度から容量拡大策を検討することが必要であります。
 羽田はもとより首都圏の空港が我が国の繁栄の牽引車として十二分に機能し、活用されるよう、さらなる空港機能の充実を国に求めてまいります。

(こいそ 明都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成22年第四回都議会定例会 知事所信表明(平成22年11月30日)

 日本の空港は、欧米はもとより、アジア、中東での利用が急拡大しているビジネスジェット機の受け入れ体制が不十分であります。世界をまたにかけて活動する企業の経営層にとっては全く使い勝手が悪く、日本が素通りされるジャパンパッシングを誘発する原因にもなっております。
 国際競争力の強化のためにも、我が国経済の中心地にある羽田空港でビジネスジェット機専用施設を整備するとともに、横田基地においても共用化の一歩として、その受け入れを実現することが焦眉の課題であります。
 今後、我が国政府や米国政府を初め、広く経済界に対しても強く働きかけながら、東京ひいては日本の将来のためにこの問題に取り組んでまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成22年第四回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成22年12月7日)

 横田基地におけるビジネスジェットの受け入れについてでありますが、世界が非常に時間的、空間的に狭小となった今日、空からのアクセスは、国家の繁栄、成熟のために極めて重要な意味を持つと思います。
 首都圏の空港機能を補完する横田基地の軍民共用化は、我が国の国際競争力を強化するため不可欠であるとともに、多摩地域の活力も増大させるものであります。
 しかし、米側は、首都東京にある膨大な横田基地を、かつての世界大戦の勝利の記念品と称しております。
 日本の力が集中集積する首都圏には、多くのビジネスチャンスが存在しまして、世界をまたにかけて活動する企業の経営層は、ビジネスジェットの乗り入れを熱望しております。にもかかわらず、羽田、成田両空港では容量に限界がありまして、とても十分な受け入れができません。現況では、ビジネスジェットの乗り入れについては、二月前に申請しないと許可が得られないという、非常に厄介な状況にありますが、このため、横田基地においては、平時はほとんど使ってない滑走路などを活用しまして、ビジネスジェットの受け入れを図ることは、極めて合理的でありまして、また米国企業にも大きなメリットがあるため、軍民共用化を実現する上での突破口となり得ると思います。
 トム・ドナヒューという、今、アメリカの商工会議所の会頭、私、友人でありますが、彼なども、口酸く、なぜ横田をあけさせないんだというから、おまえたちが頑張って、国防総省にかけ合って横田をあけろと、そういう会話を年じゅう交わしております。
 今後とも、我が国政府や米国政府を初め、広く経済界などに対しても働きかけまして、首都東京、ひいては日本の将来のために、軍民共用化の早期実現を目指してまいります。

(酒井 大史都議会議員(民主党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

 首都圏におけるビジネス航空についてでありますが、ビジネスジェット機は欧米はもとより、中東、アジアでも利用が非常に拡大しておりまして、スピード感を持って世界的な活動を展開する企業の上部の経営層などにとっても欠かせないビジネスの道具であります。
 にもかかわらず、利用ニーズの高い首都圏の羽田、成田両空港では、専用の発着枠や施設などの受け入れ体制が不十分でありまして、使い勝手が悪く、日本が素通りされる、まさにジャパンパッシングを、これはだんだんディッシングになりつつありますが、誘発する原因にもなっております。
 現在のままでは、我が国は世界の中で取り残されて、多くのビジネスチャンスを失いかねない。このため、都は過日、国を動かすべく受け入れ体制強化に向けた提案を行い、これを受けて国土交通大臣も積極的に取り組んでいく旨を表明しました。
 都心に近い羽田空港では、その利便性を生かして、ビジネスジェット機専用の施設整備を行うとともに、何より横田基地において、平時は余裕のある滑走路などを――余裕といいますか、ほとんど使っていない滑走路を活用して、受け入れを図ることは極めて合理的であります。
 米国企業もビジネスジェット機の首都圏の利用を強く求めておりますが、横田基地の活用は日米のウィン・ウィン関係の構築に資するものでありまして、軍民共用化を実現する上での一つの突破口になるんではないかと思います。
 ただ、これは、単に限られた数のビジネスジェットのために横田をあけたって、これに付随して道路の整備とか新しい線路を引き込めということになれば、取引としては余り得ではないね、こんなものは。
 ですから、やっぱりやるならあそこも普通の旅客機もおりるようにできる、そういう空港に当然すべきでありますが、これはもう本当に政府がどこまでそれを認識して日本の利益を守るか、その心がけ一つだと思います。

(高橋 かずみ都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成23年第一回都議会定例会 知事施政方針(平成23年2月8日)

 羽田空港の再拡張、国際化によって、国際都市ならば二十四時間運用のハブ空港を持つという世界の常識にようやく追いつくなど、幾つかの成果も上がっておりますが、横田基地の軍民共用化の早期実現を初め、今後も、長期的な視野に立って、戦略的に事業を展開していかなければなりません。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成23年度都議会 予算特別委員会における知事答弁(平成23年2月23日)

 多摩地域には、多くの大学や研究機関が立地しているとともに、昨年は産業サポートスクエア・TAMAが開所しまして、最先端の産業も集積しつつあります。今後、ビジネスジェットの受け入れを契機として、横田飛行場の軍民共用化が実現しまして、幹線道路等都市交通ネットワークの整備がさらに進みますと、我が国を代表する物流拠点やものづくり産業拠点になることが期待されます。

(林田 武都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ委員会の記録より作成)

平成23年第二回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成23年6月24日)

 羽田空港のさらなる機能強化についてでありますが、羽田空港は、首都圏はもとより、我が国全体の発展のため、極めて重要な役割を担っておりまして、空港機能の強化とさらなる国際化が不可欠であります。
 四本目の滑走路の整備によりまして、本格的な国際空港となりましたが、東京の持つポテンシャルを考慮すれば、国際線の発着枠は決して十分ではないと思います。
 いまだ国内、国際の割り振りは決まっていない昼間の二万七千回の発着枠についても、極力国際線に振り向け、ビジネスニーズの高い欧米などの都市へ、一層、就航拡大を図る必要があると思います。
 首都圏の空港容量は、近い将来限界となるために、あらゆる角度から拡大の可能性を検討すべきでありますが、羽田の新たな滑走路の建設については、羽田の港に関する航路の問題などがありまして、東京港の港湾機能との調整は非常に困難であります。
 むしろ、今取り組むべきは、平時には余裕が十分ある、しかも日本で最長の滑走路を持っていながらほとんど使われていない横田基地の、第一段階としては共同使用という形の有効活用であると思います。
 首都圏の空港容量の拡大のために、ビジネス航空の受け入れも含めて、その実現を引き続き国に強く求めてまいります。

(大西 さとる都議会議員(民主党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成23年第三回都議会定例会 一般質問に対する知事答弁(平成23年9月29日)

 横田基地の軍民共用化についてでありますが、世界が時間的、空間的に狭くなった現代において、航空機による往来は国家を繁栄に導くものでありまして、空港容量の確保は、我が国にとっていわば生命線ともいうべきものであります。
 首都圏の空港容量は、羽田のD滑走路の供用開始などによりまして拡大は図られましたが、依然としてオープンスカイは実現しておりません。
 現在、日本に対する新規の乗り入れを希望している国は四十二国もありますが、なかなかこれはかなわない。依然としてオープンスカイは実現していないわけでありまして、また、いわゆるビジネスジェットの発着回数に至っては、ニューヨークの百分の一、香港と比較しても三分の一でありまして、世界の諸都市に大きくおくれております。
 アメリカの国防総省が設立し、連邦航空局にも技術的サポートを行っている米国のシンクタンクも、首都圏の空港容量は、早ければ二〇二〇年にも限界に達するとして、既存の施設を活用する横田の共用化は有効な対策であるとしております。
 いずれにしろ、この空港の共用化は、多摩地方にとってだけではなくて、隣県の山梨、長野、埼玉、群馬といった県にも非常に有効なユーティリティーを持つわけであります。
 私が代議士時代にこれに手をつけたときも、当時、社会党をつくっていた埼玉県の畑知事と、同じ社会党の知事でありました神奈川県の長洲知事に諮りまして、ぜひこれは東京から実現してもらいたいということをいわれまして、当時の鈴木さんが四選の立候補をしたときに、私は公約にこれを入れていただきました。
 これまで、米側は軍事運用上の所要から横田の共用化に積極的に一向に対処してきませんでしたが、ただの兵たん基地、ロジスティックベースであります横田を、平時に利用できないわけはないと思います。
 彼らが一番これを頻繁に使ったのは、数十年前のベトナム戦争で、向こうで死んだアメリカの兵隊の遺体を持ってきて、日本の医学生に継ぎはぎさせて棺おけに入れて運んだ。それが一番頻繁に使われたケースでありました。
 さきの東北の大震災においては、横田は、羽田や成田が一時閉鎖せざるを得なかったものですから、一部民間機の代替着陸も受け入れましたが、また、被災地の救済にやってきた米軍のトモダチ作戦の拠点ともなりました。日本とアメリカが真のパートナーとなってお互いに繁栄していくという観点からも、この共用化は、日本の要望に従って、アメリカ側も積極的に推し進める必要が絶対にあると思います。
 都としては、米国の経済界から非常に要望の強いビジネスジェットの乗り入れを横田で受け入れるなど、両国にとっての利益につながるウイン・ウインになる提案を行って、今後も日米協議の促進を図っていきたいと思いますが、一番のネックは腰の抜けている日本の外務省でありまして、アメリカの出先機関でしかない日本の財務省と外務省が、特に外務省は、このケースには非常に大きなバリアになっております。
 つい最近でありますけれども、アメリカのかつての日本部長でありますジアラと在日米軍の総司令官がパネリストでやってきて、一年ぶりにこの問題についてシンポジウムを開いたときに、何と外務省の北米局長は、この二人の米国人のゲストを呼びつけて、おまえたちにもう用事はないと、羽田に四本目の滑走路ができたので、横田の問題はナショナルアイデンティティーになっていないんだという、実につまらぬ横やりを入れました。私は激怒しまして、外務省に赴きまして、当時の外務大臣の前原君と北米局長を面罵いたしました。
 そのときに、外務大臣は、国の役所は一地方の行事に一々参加する責任はないと明言したので、君は新任で、何も知らぬこと、余計なことをいわない方がいい、恥をかくのはそっちだぞと。これは、かつて一番しっかりしていた外務次官の谷内の時代から続いている、外務省の協力のもとに行ってきたシンポジウムでありまして、これに君らが参加する理由はないということを──何でもかんでも、要するにうのみにする大臣らしいですが、恥をかくのはそっちになるぞと、君は一体どこの外務大臣なんだ、どこの局長なんだと面罵しましたら、ぬけぬけと日本人でございますといいましたが、まあ、いっていること、やっていることは、私はむしろ日本の国益を阻害してはばからないという、非常にぶざまなものでしかないと、非常に失望いたしました。
 今後も、この腰の抜けた外務省をこの問題にどうやって協力させるかは、やはり何といっても政権そのものの姿勢でもありまして、たまたま今、民主党の政権ができておりますけれども、民主党の諸君にも、東京の意欲を考えるならば、現政権に、この問題に本当に真剣に国益を踏まえて取り組むように建言していただきたい。

(林田 武都議会議員(自民党)に対する知事答弁  都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成24年度都議会 予算特別委員会における知事答弁(平成24年3月14日)

 横田の存在の意義というのは、ご指摘のように、災害時の緊急離発着用ということだけには、決して限りません。私と亀井君が、かつての盟友が努力して、割と早く、国交省をせっついて、四本目の羽田の滑走路を開港させましたが、しかし、そんなもので、日本に対する外国からの乗り入れのリクワイアメントというのは満たされるものじゃありません。現にアメリカの国防総省が関係しております有力なシンクタンクは、このままでいっても、日本の航空需要というのは二〇二〇年にも限界に達して、満杯になるだろうということをいっておりますが、そのとおりだと思います。
 そういうものも見越して、就任以来、いろいろ手をかえ品をかえ、結果としては返還ではなしに、最低限、有事のときには全面協力して軍用に資するから、共有、共用という形で折り合ってくれという持ちかけをしてまいりましたが、いろんなバリアがありまして、今日までなかなかそれが実現できません。
 とにかく、その最たるバリアは日本の外務省でありまして、昨年の暮れですか、ジアラという前の日本部長と、国防省の、ちょっと名前を失念しましたが、在日米軍の前総司令官をパネリストに選んで、シンポジウムを毎年やっておりますが、今回もやりました。
 ゲストがゲストだけに、外務省もマークしてたんでしょうかね、そのシンポジウムの前日に、事もあろうに北米局長がこの二人を外務省に呼びつけまして、羽田に四本目の滑走路ができたから、この日本への乗り入れのリクワイアメントは、もうほとんど、要するに満杯になったと。満たされたと。ゆえに、横田の共同使用などというものは、日本にとってはナショナルイシューじゃないと。だからあなた方は発言に気をつけろという、ばかな牽制をしたんです。
 私はシンポジウムに一々出ませんけれども、そのときも、従来は日本の防衛省と国交省が必ず出席し、外務省も出ておりましたが、今回に限って外務省は出なかった。しかも、前日に二人のパネリストにそういうことを北米局長がいった。
 後でその二人、ご当人から、一体これはどういうことなんでしょうかと。どうも国がまとまっていないようですなという話を聞いたので、私は外務省に行って激怒いたしました。残念ながら、あなたの政党の外務大臣で、それが使っている北米局長ですけれども、そのときに、前原君に、一体何で外務省はこのシンポジウムをボイコットしたんだといったら、一々地方自治体のやっている行事に国が参加する必要はないというから、あんたはなりたてでばかなこといわない方がいいよと。なりたての外務大臣、何も知らずに、今までのいきさつを知らずに、こんななりたての北米局長のいうことを聞いて国益を損することになりますよと。一体君らはどこの局長なんだ、どこの国の、どこの大臣だと、面罵しましたよ、私、腹立ったから。彼らはしゃれっとして、日本の外務大臣だ、日本の局長でありますというけれども、こういう無知の限りというか、僣越といおうか、国益も考えずに、何の都合ですかね。
 前原君はなりたてだからしようがないかもしれないけれども、日本の外務省の役人というのは全部アメリカに気兼ねして、アメリカが気になることは絶対にいわないんです。しかも、これは主に国防総省相手の人でしょうけれども、国防総省自身もこの認識を持ってきているわけですからね。これはよっぽど、東京が逆立ちして頑張ってもどうにもなる問題じゃない。やっぱり政府がその気になって、日本の国益というものを考えなかったら、これはやっぱり、仁川の国際空港もどんどん立派なハブになっていますし、どんどん上海にも抜かれ、韓国にも抜かれて、日本はえらいことになりますよ。
 そういうことを、都議会はみんな理解していただいているけれども、肝心の政府や肝心の外務省が、上にだれが来ようがばかなことをいっているので、こういう外務省というのは、私は淘汰しなくなったら、この問題はなかなか国益に沿っての解決にならないと思いますので、お互いに頑張りましょう。

(西岡 信一郎都議会議員(民主党)に対する知事答弁  都議会ホームページ委員会の記録より作成)

平成24年第二回都議会定例会 知事所信表明(平成24年6月5日)

 続いて、横田基地の軍民共用化の問題について申し上げます。
 人と物の交流が、都市や国家の活力と繁栄を左右する現代において、空港容量の確保は、その国の浮沈に直結する大事な問題であります。今から九年前、都は、我が国最大級の滑走路を有する横田基地の軍民共用化の実現に向け、日米両政府を動かして交渉の端緒を開きました。しかしその後、日本政府は、特に外務省は、平時はほとんど使われていない兵たん基地である横田基地について、軍事運用上の理由から共有化は困難とするアメリカの主張をうのみにし、日本の国益そのものであるこの問題に真剣に取り組んでこなかったのです。
 私は、こうした国の態度に業を煮やし、さきの訪米では、国務省の要人とも直談判してまいりましたし、帰国後、野田総理にも直接要請して、さきの日米首脳会談の中で、この問題を再び取り上げさせることができました。
 今後、この新たな動きを確かな足がかりとして、まずは日本側において体制を固め直し、一枚岩となってアメリカとの実質的な交渉に臨んでまいります。
 外交は本来、国の役割でありますが、都はこれからも、日本のために必要とあらば、いつでも行動を起こし、国を突き動かしてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)

平成24年第二回都議会定例会 代表質問に対する知事答弁(平成24年6月12日)

 次いで、横田基地の軍民共用化についてでありますが、首都圏の空港容量の拡大を図る横田の共用化は、我が国の国際競争力を強化し、国力を維持するために不可欠な国家のプロジェクトであると思います。
 私は九年前、日米両政府を動かして、小泉、ブッシュの日米首脳会談にこの問題を取り上げさせて、ナショナルイシューとして取り上げさせて、交渉の端緒を開きましたが、しかし、その共用化の意義を認識しない外務省は、軍事運用の課題から難色を示すアメリカ側の主張をうのみにして、その顔色をうかがうだけで、消極的な姿勢をとり続けてきました。
 日本における空運のアメリカ側の基地に関しての共用というのは、既に冷戦が非常にたけなわだったあのころ、現在の青森空港ができる前に、既に何度も領空に対するロシアの飛行機の侵犯に対して三沢基地から日米両空軍がスクランブルをかけている。その時代でもなお、一応肝心な部分は遮へいしながら共用しておりました。そういう事例があるわけでありますが、しかしその後、普天間基地の問題が迷走するに至って、共用化の交渉においても政府は有効な手だてを講じることなく、いたずらに時間が消費されてきました。
 このような国の不作為に業を煮やして、四月には、私自身渡米して、共用化が実現するよう米国国務省の要人とも直談判してまいりましたが、帰国後、野田総理に直接面談して事を要請し、彼がワシントンに赴いた際の日米首脳会談の折に、正式な議題として取り上げさせました。共用化の交渉再開への足がかりを、また何とかつくることができました。これは非常にアメリカ側も日本の外務省も嫌がったんですけれども、両首脳が事を判断して、ナショナルイシューとして再登録できたと思っております。
 引き続き首都圏の自治体と連携しつつ、共用化の実現に向け、日本側の体制を固め直して、国の関係省庁と都が一枚岩となって、アメリカとの交渉に取り組んでいきたいと思っております。

(大塚 たかあき都議会議員(民主党)に対する知事答弁  都議会ホームページ委員会の記録より作成)

平成24年第三回都議会定例会 知事所信表明(平成24年9月19日)

 東京が国際競争を勝ち抜き、アジアの発展にも貢献していくためには、社会資本を充実させ、機能的な都市をつくり上げる必要があります。

〈空港という戦力〉

 世界が時間的・空間的に狭小となった今日、首都の空港は、国家の存在感を示すために欠かせない戦力であります。羽田空港の再拡張は実現しましたが、首都圏の空港容量は、近い将来には限界に達すると予想されておりまして、我が国最大級の滑走路を有する横田基地の軍民共用化を絶対に実現しなければなりません。
 とりわけ、世界的に活用が進んでいるビジネスジェットについては、首都圏での利用環境が整っていないため、我が国を素通りして他国に向かうジャパンパッシングが起こっております。受入れに横田を活用することは、日本にビジネスチャンスをもたらすとともに、共用化を実現する一つの突破口になると思います。
 4月の日米首脳会談の場で、横田の問題を、再び正式に取り上げさせたことで、国でもようやく具体的な動きが出てまいりました。先般、都と国との会合も持たれて、協議再開に向けて日本側の体制を固めることになりました。今後も国を突き動かし、この問題を前に進めてまいります。

(都議会ホームページ本会議の記録より作成)