このページの本文へ移動

建築物の安全対策を進めましょう

最終更新日:令和3(2021)年9月25日

事故を防ぐためには、日頃から建物の適切な維持管理を行うことが大切です。

  • 【事故例】
    1. ①火災時に円滑な避難や延焼防止ができずに建築物の利用者等が死亡
    2. ②大規模空間の天井が落下し、死傷者が発生
    3. ③外壁タイルや看板等が落下し、通行人に被害が発生  等

1 建築物の自己安全点検を行いましょう

 下のチェックシートに沿って、建築物の安全性を点検してみましょう。点検の結果、要改善の項目がある場合は改善しましょう。

2 定期報告を行いましょう

 適切な維持管理により、大きな事故や災害を未然に防ぐため、不特定多数の人が利用する建築物やそこに付随する防火設備・建築設備、昇降機等は、定期的に専門の技術者による調査・検査を受け、その結果を特定行政庁に報告するよう、建築基準法で定められています。

★定期報告に関する詳細はこちらです。

3 耐震診断・改修を行いましょう

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、多数の建築物が被害を受けました。今後発生し得る大地震による被害を最小限とするため、昭和56年5月31日以前に建築された建物(※)は、耐震診断を受けましょう。耐震診断の結果、耐震性が不足するときは耐震改修を行いましょう。

(※)
…特定緊急輸送道路沿道建築物については、耐震化推進条例により、耐震診断等の実施が義務付けられています。
また、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」の改正により、特定緊急輸送道路沿道建築物及び大規模建築物等については、耐震診断の実施が法で義務付けられています。

★耐震に関する詳細はこちら別ウインドウを開くです。(耐震ポータルサイト)
★(一財)日本建築防災協会版 (誰でもできる わが家の耐震診断)はこちら別ウインドウを開くです。

4 建築物の換気対策を行いましょう

 新型コロナウイルス感染症対策において、十分な換気を行うことが有効な対策の一つで、特に建物側でできる有効な対策として、適切な換気量の確保が重要です。
 公益社団法人日本建築士会連合会及び一般社団法人東京建築士会は、換気の悪い密閉空間となっていないかについて適切なアドバイスを行える建築士を養成することを目的に、講習会を実施しています。この講習会修了者は東京建築士会のホームページに掲載されておりますので、建築士のアドバイス(有料)をご希望の場合は、ご相談ください。

★講習会修了者名簿はこちらです。

5 建築物等の強風対策を行いましょう

 令和元年に発生した台風第15号及び台風第19号は、記録的な暴風となり、ゴルフ練習場の鉄柱の転倒や住宅の屋根瓦が飛散する等の被害が発生しました。このような強風による被害を防止するため、ゴルフ練習場等の鉄柱等を調査の上、強風時にはネットを下す等、安全管理の徹底をお願いします。
 また、こうした被害を踏まえて、令和2年12月7日に建築基準法の告示基準(昭和46年建設省告示第109号)が改正され、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に準拠した「ガイドライン工法」が建築基準法の告示基準に位置付けられることになりました。これにより、令和4年1月1日より、新築時の全ての建築物の屋根瓦を緊結する必要があります。既存住宅・建築物についても、屋根の耐風性能が十分でないおそれがある住宅・建築物は、強風時に周囲の建築物に被害を及ぼすおそれがあるため、新たな告示基準に適合したものとなるように、強風対策を行いましょう。

★ゴルフ練習場の鉄柱等の強風に対する安全対策の詳細は、こちらです。
★瓦屋根の基準に関する建築基準法の告示(昭和46年建設省告示第109号)の改正の詳細については、国土交通省のHPをご参照ください。

6 建築物の浸水対策を行いましょう

 近年、大規模水害が相次いで発生しており、令和元年の東日本台風(台風第19号)では、首都圏の高層マンションの地下部分に設置されていた高圧受変電設備が冠水し、一週間以上電気や水道などのライフラインが使用不能となる被害が発生しております。こうした被害を防ぐため、浸水リスクの低い場所への電気設備の設置や建物内への浸水防止など、建築物の浸水対策を行いましょう。

★建築物の浸水対策に関する詳細はこちらです。

7 小規模な用途変更、改修等を行う場合の留意点

 令和元年6月25日に施行された改正建築基準法により、用途変更部分の床面積が200㎡以下の特殊建築物(飲食店、ホテル、旅館、その他の福祉施設など)は、用途変更時に建築確認の手続が不要になりました。
しかし、確認申請を要しない場合でも、法令に適合した改修・その後の適切な維持管理が必要です。
手続が不要な小規模な改修や用途変更を行う場合でも、必ず建築士などの専門家にご相談ください。

★小規模な用途変更等を行う場合の適切な維持管理に関するパンフレットはこちらです。

8 建築物等に係る事故が発生した場合は事故情報の報告が必要です

 建築物等に起因した事故が発生した場合は、建築物の管理者等(工事中の事故の場合は施工者)は、直ちに、事故情報の速報を所管行政庁へ報告してください。その後、建築物の管理者等(工事中の事故の場合は建築主等)は、事故の詳細について所管行政庁へ報告してください。

★様式や報告先等の詳細はこちらです。

建築物安全チェックシート
安全点検項目 該当
なし
判定
良 好 要改善
Ⅰ 外壁
  1. ①タイル、モルタルの外装仕上げ材に、剥落箇所又は浮きなど剥落のおそれはありませんか。
  2. ②ひび割れ、欠損等の劣化はありませんか。
  3. ③パテ止めのはめ殺し窓はありませんか。(パテは古くなると硬化してガラスが固定され、地震時に割れやすくなります。詳細はこちら別ウインドウを開くです。)
  4. ④広告板の本体や支持部材の劣化損傷はありませんか。
Ⅱ 階段
  1. ①階段室内に可燃物や避難上障害となる物品等が置かれていませんか。
  2. ②防火戸は、円滑に開閉ができますか。(開閉に支障となる障害物が置かれていませんか。)
  3. ③防火戸にストッパーが取り付けられ開放されたままになっていませんか。
    (感知器連動のものを除く。)
Ⅲ 廊下等の避難経路
  1. ①廊下に避難上障害となる物品等が置かれていませんか。(有効幅員が確保されていますか。)
  2. ②避難階の階段室から屋外へ通じる通路・廊下等に避難上障害となる物品等が置かれていませんか。
Ⅳ 非常用の照明装置
  1. ①廊下、階段部分等、適正な箇所に設置されていますか。
  2. ②非常用照明器具の機能が適正に作動するよう維持・管理等が行われていますか。
    (電池内蔵器具についている点検スイッチのひもを引く等により確認する。)
Ⅴ 非常用の進入口・避難口
  1. ①非常用の進入口からの進入に支障はありませんか。物品や間仕切り等によって塞がれていませんか。(▼マーク、赤色灯は適切に維持されていますか。)
  2. ②避難口(避難器具等が設置してある部分)の窓は開閉できますか。
  3. ③窓の外部の広告物、垂れ幕等によって進入・避難に支障がありませんか。
Ⅵ 天井の脱落対策
  1. ①特定天井(※)の天井材に劣化や損傷はありませんか。
    (※)…人が日常立ち入る場所に設置されている吊り天井で、3つの条件(①天井の高さが6mを超えるもの、②水平投影面積が200㎡を超えるもの、③単位面積質量が2㎏/㎡を超えるもの)のいずれにも該当するもの。
    平成26年4月1日から、建築物を新築等する場合に、特定天井について新たな技術基準が適用されています。既存の建物でも、特定天井となる場合は、天井材の劣化・損傷状況を定期的に確認し、脱落防止対策を検討しましょう。
  2. ②その他の天井でも天井材に劣化や損傷はありませんか。
    特定天井とならない場合でも、定期的に劣化・損傷状況を確認しましょう。
Ⅶ 吹付け石綿等の使用状況
  1. ①吹付け石綿等の使用状況の調査を実施しましたか。
     国土交通省は、平成25年7月から建築物石綿含有建材調査者の資格を付与する制度を開始し、国土交通省登録機関において建築物石綿含有建材調査者講習の修了者が公表されています。 吹付け石綿の調査実施における積極的な調査者の活用をお願いします。
    ★国土交通省「石綿含有建材調査者制度」の詳細はこちら別ウインドウを開くです。
    ★一般財団法人 日本環境衛生センター「建築物石綿含有建材調査者講習 修了者情報」はこちら別ウインドウを開くです。
  2. ②吹付け石綿及び吹付けロックウールでその含有する石綿の重量が当該建築材料の重量の0.1%を超えるものを使用していませんか。使用している場合、囲い込み、封じ込めの対策はなされていますか。
    所有者・管理者のための建築物のアスベスト対策と事例紹介(パンフレット)①PDFファイル2.5MB)
    所有者・管理者のための建築物のアスベスト対策と事例紹介(パンフレット)②PDFファイル2.3MB)
    所有者・管理者のための建築物のアスベスト対策と事例紹介(パンフレット)③PDFファイル1.1MB)
Ⅷ 塀
  1. ①組積造の塀や補強コンクリートブロック造の塀にひび割れ、欠損,、鉄筋のさび、傾き等の劣化はありませんか。
  2. ②組積造の塀や補強コンクリートブロック造の塀について、控え壁の設置等の耐震対策がなされていますか。(塀の耐震対策の詳細については、こちら別ウインドウを開くです。)