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建設工事請負契約の紛争の調整

Q&A よくあるご質問

Q1 訴訟と審査会のあっせん・調停・仲裁はどう違うのですか?

A1

  1. ① あっせん・調停
     簡単に言いますと、お互いに譲り合いの姿勢で臨み、和解を目指して話合いをするものです。 また、手続きは非公開ですので、プライバシーを守ることができます。
     これに対して、訴訟は白黒をつけることが目的です。また、審理は原則として公開されます。
     あっせん・調停は、簡便な手続きにより、訴訟よりも短期間で紛争を解決できるメリットがある反面、和解が成立しても別途手続をとらなければ強制執行をすることができない、強制的に出頭や証言を求めることができない、といったデメリットもあります。
  2. ② 仲裁
     第三者である審査会に、裁判所の判決に代わる「仲裁判断」を下してもらうものです。
     仲裁委員が専門家であるとともに、審理は一審制であるため、訴訟よりも迅速に紛争を解決できます。また、手続きは非公開ですので、プライバシーを守ることができます。
     仲裁合意(紛争の解決を裁判ではなく審査会に委ね、その判断に服する旨の合意)が当事者間にある場合に申請ができます。

● 申請される方の目的に合った方法を選んで、申請をしてください。

Q2 どのくらいの期間で解決できるのですか?

A2 平均的な解決期間としては、以下のとおりです。

あっせん・・・平均4か月程度
調停・・・・・平均6か月程度
仲裁・・・・・1~2年程度

 上記の期間は、あくまで平均的な期間です。事件によっては、短い場合や長い場合もあります。

Q3 紛争解決の方法にはいくつかあり、審査会によるあっせんや調停を申請するかどうか迷っています。また、あっせんや調停を行っても和解が成立しなかった場合はどうなりますか?

A3 建設工事の請負契約に関わる紛争の解決方法には、民事訴訟、審査会などのADR機関の利用、弁護士など法律専門家を代理人としての当事者間協議などがあります。
 各方法には、それそれ特長があり、解決したい紛争の態様に適合した方法をお選びになることをお勧めします。
 ご参考として、審査会によるあっせんや調停の利用をご検討される場合において、ご考慮いただくことが望ましい点を以下に挙げます。

  • ・紛争内容が建設工事請負契約に関わるもののみであるか、その他のものも含まれているか。
    →建設工事の請負契約に関わらないものがある場合、当該内容は審査会の審理対象とはなりません。
  • ・当事者の相手方が審理に応じる可能性があるか。
    →審査会によるあっせんや調停では、審理の開始に応じるか否かは相手方の任意です。民事訴訟と異なり、相手方には、審理の開始に応じなければならないという義務はありません。また、審理の途中でも審理の終了を申し出ることができます。
     審理の開始に応じない場合には審理は行われず、初回審理期日の終了前であれば、申請手数料の半額が還付されます。
  • ・当事者に合意する意思はあるか。
    →あっせんや調停では、当事者間の合意により和解が成立します。相手方が審理に応じたとしても、合意する意思が弱いとみられる場合は、打切りとなる可能性が高いといえます。
     申請人側についても、譲歩する余地が乏しい場合は同様です。
  • ・事実の究明や主張の妥当性の判断などを重視する場合
    →あっせんや調停では、事実関係は確認していきますが、紛争解決に向けて合意に達するための当事者双方の努力をより重視しています。また、主張の妥当性の判断は行いません。
  • ・相手方に和解事項を遵守する意思や能力があるか。
    →あっせんや調停における当事者間の合意は「民法上の和解」に相当します。そのため、民事訴訟における判決や民事調停において成立した合意とは異なり、強制執行の根拠(「債務名義」といいます。)とはなりません。
     相手方が和解事項を遵守しないために強制執行を申し立てる場合は、和解契約不履行を理由として、あらためて裁判所に訴えを提起し、債務名義となる判決を受ける必要があります。

 また、あっせんや調停を行っても和解が成立しない場合は、打切りとなります。打切後に解決を求める場合は、他の方法(民事訴訟や他のADR機関の利用など)をとる必要があります。

Q4 新築したマイホームの欠陥について、鑑定や現地調査をしてもらえますか?

A4 審査会は鑑定をするための機関ではありません。鑑定をご希望の方は、鑑定のできる建築士にご相談ください。
 なお、調停、仲裁の手続きの中で、必要に応じて、鑑定を実施する場合もありますが、この場合も審査会が鑑定を実施するのではなく、審査会が指定した鑑定人に、当事者が双方合意の上で鑑定を依頼することになります。
 また、現地調査についても同様に、仲裁手続の中で必要に応じて実施する場合もありますが、現地調査を目的として審査会に申請をすることはできません。

Q5 購入した建売住宅・分譲マンションに関する紛争について審査会で解決できますか?

A5 できません。審査会で扱えるのは、建設工事の請負契約に関するものです。
 購入した建売住宅や分譲住宅に関する紛争(購入契約の履行や施工不良など)については、不動産業課にご相談ください。
 なお、購入後に建設業者と契約したリフォーム工事などの建設工事請負契約は、審査会の審理対象となります。

  • ⇒不動産業課のホームページはこちら別ウインドウを開く

Q6 建設業者への指導や処分をしてもらえますか?

A6 建設業者への指導や処分については、建設業課にご相談ください。

  • ⇒建設業課のホームページはこちら

Q7 請負業者とのトラブルを抱えている知人に代わって申請できますか?

A7 申請人は、原則として請負契約の名義人です(法人の場合は法人の代表者)。
 名義人である申請人からの委任状があれば、名義人以外の者でも、代理人として申請することが可能です。ただし、弁護士又は認定司法書士(申請内容が選任要件を満たす場合)以外の者を代理人をして出席させる場合、審理を担当する委員の許可が必要です。
 被申請人の代理人についても、申請人の代理人についてと同様に扱います。

Q8 譲り合いの姿勢とは、具体的にはどういうことですか?請求金額を減額するということでしょうか。

A8 金額の減額以外に、分割払いや支払期限の猶予という方法もあります。
 そのほか様々な譲り合いがあり、具体的には調停等の話合いの中で、和解が可能な方法を検討していくことになります。

Q9 審理(期日)の回数が増えると、申請手数料は追加になるのですか?

A9 申請手数料は、申請時に納める金額だけです。審理回数によって増えることはありません。
 ※審理の進行に伴い、申請時に納付していただいた予納金が不足する可能性が生じた場合、追加で予納していただくことがあります。審理終了時に剰余金があれば、還付します。
 ※手続中に、紛争処理を求める事項を増やした場合には、申請手数料が追加になることがあります。
 なお、あっせんや調停は、和解する見込みがないと認められた時点で、手続きは打ち切られます。

Q10 契約の当事者が東京都知事許可を受けた建設業者でないと、東京都の審査会には申請できないのですか?

A10 審査会の管轄には、法定管轄と合意管轄があります。 ⇒管轄について
 東京都の審査会が法定の管轄ではない場合でも、管轄について当事者双方の合意があれば、東京都の審査会へ申請することができます。
 合意においては管轄合意書を用いることが多いですが、契約約款で管轄合意をしている場合もあります。